スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【佐世保同級生殺害事件】 悲劇を起こし、貪り食う ― 政府とコラボするマスコミ、長崎、カメリア、自作自演の宮田とその他大勢の精神医療従事者たち

1ellie5c.jpg

小児精神疾患の積極的なあぶり出し
( 原文:http://www.madinamerica.com/2014/07/proactive-pursuit/ )

二部構成第一部 (その1)

子供や若者を対象に、心理テストや電子機器を用いた情報収集・監視が広がっている。

カナダ、ブリティッシュコロンビア州では、政府出資による家庭医や学校職員のための新しいメンタルヘルス研修プログラムにより、すべての子どもと若者を対象にした精神障害のスクリーニングが推し進められている。
しかしこのプログラムは、基本となる科学的エビデンスが省かれ、医学的教育というよりもむしろ、薬の販売促進であり、重大な潜在的有害性が軽視されているとの批判がある。
にもかかわらず、こうしたプログラムが、カナダ、米国を中心に広がりを見せている。
筆 ロブ・ワイポンド (ROB WIPOND) MIA記者 2014年7月7日


2010年、自殺したブリティッシュ・コロンビア州のティーンエイジャー、フレイア・ミルンの検察医による報告書には、メンタルヘルスの教育プログラムを拡大し、精神衛生上問題となるリスクのある生徒をさらに積極的に特定し、フォローすることが推奨されている。
しかし、報告書全体の内容を見てみると、これらの最終的な推奨には、どこか得体の知れないところがある。

学校では、成績の良い生徒のためのカリキュラムが加速する一方で、フレイアは16歳の頃、すでにその6年前から断続的に不安や自殺の感情と闘っていた。
精神科医やカウンセラー、またセラピストとの関わりは、このときすでに長期に及んでいたのである。
2010年1月中旬、フレイアは学業に挫折し、不安による身体的症状が出るようになる。
彼女はこのとき初めて薬 - ベンゾジアゼピン系鎮静薬クロナゼパム- の服用を仕方なく始めている。
若齢成人に使うことは承認されておらず、気分や行動の異常な変化、自殺念慮の高まりが警告されている薬であるにもかかわらず、フレイアや母親に対して精神科医からはそのような警告はされていない。
母親のシェリー・ミルンは、娘の行動が異常で、悲しみと不安が交互に押し寄せてわけのわからない状態になったかと思うと、突然軽い躁状態に変わることを、早い時期から心配し、医者に訴えていた。
精神科医はフレイアを診察することもなく薬を増量し、ロナゼパムを同一処方で二度再投薬。
服薬を開始してわずか3週間目の2月2日、フレイアはコデインをオーバードースし、ポケットに大きな石を詰め、カナダ西部のビクトリア沿岸で極寒の海に入水したのだ。
2freyamilne1.jpg 
フレイア・ミルン

このフレイアの自殺はメディアも大きくとりあげたが、当時こうした状況はほとんどの人にとって謎であった。2013年の3月、検察医による報告書が公開され、明らかになったものである。
報告書からわかるのは、フレイアに施された治療の失敗、あるいは彼女に処方された薬の危険性に関しては、何らの勧告もないことである。
それどころか検察医は、州の学校職員による生徒のEメールや集会のメモ、その他「生徒に関するあらゆる情報」の収集、さらには「精神疾患と診断され、メンタルヘルスの問題があるとされるすべての児童や若者をその履歴上で記録し、注意を促す新しい制度」によって、より包括的な「学生情報システム」を開発すべきであると勧告しているのだ。
その上さらに検察医は、メンタルヘルス教育は「全教員、全カウンセラーを対象に、毎年行われる生涯教育の一部とすべきである」とする。
つまり、メンタルヘルスシステムがフレイアを救えなかっただけでなく、教職員へのメンタルヘルス研修を強化し、学校はメンタルヘルスに懸念のある生徒をより集中的にあぶり出して注意を向け、追跡、監視すべきであると、検死官は勧告したのである。

この状況は、このフレイアのケースだけではない。
人口わずか8万人のコミュニティーであるビクトリアでその年注目を集め、慎重に調べられたケースは他にもある。
2010年10月、16歳のヘイデン・コゼルツキは強い不安を経験し始めたことから支援を求めた。
教師に連れて行かれた病院で、彼女は性的虐待を受けてきたことを告白。
その後2か月の間、時に自らの意志で、また時には強制的に、彼女は病院と若者向けメンタルヘルス施設を行き来し、若年者には使用の認められていない幾種もの向精神薬を服用、そして首を吊った。
検視にあたった陪審員から勧告されたのは、集中的なメンタルヘルス・スクリーニングと追跡調査、子供や若者と日常的に接触するあらゆる職種に対するメンタル・ヘルス研修の徹底である。
3proctor-headline1.jpg

同年、ビクトリアの10代の少女、キンバリー・プロクターがレイプされ、殺されるという事件が起きた。
家族は数万筆の署名を集め、潜在的な危険性のある精神的に不安定な子供を積極的に見つけ出し、カウンセリングや精神科の強制治療を受けさせる「脅威評価プロトコル」を学校側に義務づけるように政府に働きかけた。
しかしキンバリー・プロクターを殺害した二人の少年には、事件前から暴力的であったことを理由に学校やソーシャルワーカー、またメンタルヘルスの専門職らが長年にわたって関与してきたことが裁判文書に記されている。  

メンタルヘルス・ケアと関わりを持ちながら、自殺や他殺に及んだこうした若者による同様の事件は、アメリカやカナダではとても多い。
そのほとんどは、多くの要因がからむ複雑な状況で起こっている。
しかし、やはりそこには疑問が浮かび上がる。
メンタルヘルス専門家の発言力や財源を拡大し、アクセスにつなげるための正当化に、なぜこのような悲劇が、しかも明らかに治療の失敗であるものが、頻繁に使われるのだろうか。
治療の失敗、またこうした重大な問題で精神科の一般的な治療が負の役割を果たした可能性を、なぜもっと幅広く調査しないのだろうか。
精神医療システムはさらに資金と権力を得る価値あるものであり、事実に沿って説明責任を果たす義務は免除されているとする、何か特別な理由でもあるのだろうか。
 
=== ===============
トロント教育委員会、生徒が学校で体験するあらゆることにメンタルヘルスを確実に組み入れることを目指し、学校職員全員に対してメンタルヘルス研修を施す4か年計画を発表
================== 
 
こうした死亡事件が起こり、続いてその再発予防のためには何が必要なのかが問題となる中、ブリティッシュコロンビア(BC)では、家庭医や学校職員を対象に、メンタルヘルス・スクリーニングをすべての子供や若者に促す研修プログラムの実施に州政府が乗り出した。
同様のプログラムは他の州でも実施されている。
それは国家戦略の一つとして実施される「カナダにおける学校をベースにしたメンタルヘルス」と呼ばれるプログラムで、連邦政府が創設した精神衛生委員会が推進する取り組みである。
例えば今年、カナダ最大の学区の一つであるトロント教育委員会は、生徒が学校で体験するあらゆることにメンタルヘルスを確実に組み入れることを目指して、学校職員全員にメンタルヘルス研修を施す4か年計画を発表した。
これはカナダで最も著名な児童青年精神科医であるダルハウジー大学のスタン・カッチャー医師が主導する類似のプログラム、"ノヴァ・スコシア"をモデルにしたもので、カッチャー医師自身も精神衛生委員会の重要なアドバイザーとなっている。
委員会報告書にあるように、これは「児童青年精神衛生と学校の国際同盟( International Alliance for Child & Adolescent Mental Health & Schools)や、「学校メンタルヘルスのためのアメリカ-カナダ 同盟 (US-Canada Alliance for School Mental Health) を旗頭とする、順次北米全土に拡大を目指した取り組みの一環である。
BCのプログラム用資料、講演、補助教材は公開されており、入手可能であることから、精神科医がどのように家庭医や学校職員を研修しているのかを、これら資料からうかがい知ることができる。
批判家は、さらに追及を深めれば、このプログラム用教材が、現在主流となっている精神保健制度が、明示のない何らかの理由によって科学的な説明義務を免責されていることを示す確かな証拠になるものであるとする。

正しいときより間違うことのほうが多いスクリーニング
プレス・リリースによると、『子供や若者のための実践的サポートプログラム (Practice Support Program for Child and Youth Mental Health (PSP-CYMH) )』はBC州政府の保健省と州医師会 (Doctors of BC) の共同イニシアチブとなっており、その主役を務めるのはBC子供病院のヤナ・ディヴィッドソン医師とともにスタン・カッチャー医師である。
家庭医は、メンタルヘルス・スクリーニングテストによってリスクのある(at risk)子供や若者を見つけ出して専門医療者に紹介する、もしくはADHDや不安症、そしてうつ病の早期介入治療を行うように教育される。
10.5時間の研修に参加し、自分の子供患者二人にスクリーニングを受けさせれば、医師達には2600ドルが支払われる。
昨年 この研修を受けたBCの医師数は600名以上。
PSP-CYMHの運営責任者によれば、さらなる取り組みの拡大がこの秋に予定されており、問題発生を事前に予防できる「ゲート・キパー」として学校職員を教育し、子供たちにスクリーニング・テストを受けさせ、治療につなげるとする。
 
=== ===============
「もう何年も前から製薬企業はスクリーニングに関与することが非常に重要であると認識している。
そこで製薬企業は、企業の人間をこの種のスクリーニング・ツールを開発する委員会組織に送り込んできた」とカッセルズ。
=== ===============

PSP-CYMHの教育教材は、その多くがカッチャー医師、あるいはBC子供病院の精神科医が他の著者とともに共作したものである。
プログラムは、全編を通して「エビデンスに基づく」と喧伝されている。
しかしこのプログラムには科学的な問題があるとする批評家は、スクリーニング・ツールから教育教材にいたるまで、そこかしこに科学的な問題が蔓延していると批判する。
ビクトリア大学薬事政策研究員であり"Seeking Sickness: Medical Screening and the Misguided Hunt for Disease"(病気探し:医学的スクリーニングと見当違いの病気狩り)の著者であるアラン・カッセルズは、「PSP-CYMHが使うスクリーニング・ツールの開発には製薬会社が関与する。これはアメリカの"TeenScreen"で行われたことと同様だ」と明確に批判する。
アメリカの"TeenScreen"というのは、国民の抗議から裁判に発展し、連邦政府が製薬会社との金銭的繋がりを捜査、と同時に、子供への投薬の割合が増大していることを受け、2008年に終了したプログラムである。
カッセルズは、例えばPSP-CYMHの先頭に立ち、またうつ病スクリーニング・テストの著者でもあるカッチャー医師には、少なくとも製薬会社11社との繋がりがあることを、科学雑誌の利益相反開示情報からつきとめている。
「製薬産業はずっと以前からスクリーニングに関与することは極めて重要であることがわかっていた」とカッセルズ。
「そこで彼らは、この種のスクリーニング・ツールを開発する委員会組織に企業の人間を送り込んできたのだ。」
4alancassels1.jpg 
アラン・カッセルズ

CYMHは、ワクチン接種や定期健康診断でクリニックを訪れるすべての子供や若者に対し、メンタルヘルスのスクリーニング・テストを施すことを医師に求めている。
「積極的であればあるほど良いとするのがこの考えだ」とカッセルズは言う。
しかし、質問項目が、「将来に不安はありますか」、「知らない人の前では緊張しますか」、「だるいと感じることが多いですか」という、メンタルヘルス・スクリーニング・テスト ― PSP-CYMHには実際に子供へのこうした質問が並ぶ ― では、必ず非常に多くの[偽陽性]を発生させることになるのだと。
「これはきわめてあいまいで、まったく使い物にならないもの。
あらゆる種類の人間らしい感情の範疇にあるものを取り上げ、それを数値化しようとするのは、馬鹿のやることだ。
そんなものはいくらでもごまかしがきく」
5scared1-600.jpg 
PSP-CYMHの教育教材では、小児不安関連障害評価尺度(Screen for Child Anxiety Related Disorders (SCARED))は「優れた」感度と特異度が実証されていると明言している。
しかし、科学文献には、たとえ子供や若者の10%に不安障害があると多めに仮定しても、SCAREDの査定では、常にその3倍もの子供が不安障害にされるのが明らかとある。
同様に、カッチャーが作成した「カッチャー思春期のうつ病尺度」は、この種のツールとしては「感度・特異度が、それぞれ92%・71%で、この組み合わせは他の自己評価による手段では達成できない」と胸を張っている。
だが、カナダ医学会誌に掲載された2011年のレターのやり取りの中で、この種の数字は比較的発生率の低い疾患のスクリーニングに関する評価数値を理解していない多くの医師やメンタルヘルスの専門家ですらが判断を誤るものであると示されているのだ。
PSP-CYMHの資料データに明確な説明がないのは、カッチャーのテストが若者の一般的なうつ病想定罹患率4%を使うことで、正しい評価の7倍の頻度で誤った評価になることである。
つまり、千人の若者をスクリーニングすると、279名はうつ病「偽陽性」になる計算だ。
高いスコアは、カッチャーの評定尺度にあるように、「うつ病の可能性がある」ということかもしれないが、それはただ、子供が教室はどれくらい混雑していると思っているか、子供はどの程度周囲の問題を気にしているか、子供がどのくらい誘導尋問に引っかかりやすいかの尺度ではないのかと、というのがカッセルズの指摘である。
したがって、このメンタルヘルス・スクリーニングは、すでに過剰な税金が使われている今のメンタルヘルス制度に、支援を求めてもいない人たちを詰め込むことで、さらに負担を増大させることになるのは誰にでもわかることだと、カッセルズは言うのだ。
そして「断言してもよいが、スクリーニングを受けた子供たちのほうが、受けていない子供よりも結果的に良い状態にあることを示すエビデンスはどこにもない」 と。
6kutcherdepressionscale1.jpg 
「わかっているのは、こうしたスクリーニング・ツールによって向精神薬の使用が激増していることだ。
しかもこれは、実際に評価することのできる結果だ。
スクリーニングを受けた結果として、子供たちは本当に良い状態になるのか、学校でよりうまくやれるのか、より高い確率で卒業できるのか、より幸せになり、そしてより充実した人生を送れるのか、私たちには何一つ解明できていないではないか。」

こうした批判は、カッセルズだけではない。
カナダ予防医療対策委員会 (the Canadian Task Force on Preventive Health Care) は2013年6月のカナダ医学会誌上において、「成人におけるうつ病スクリーニングの有効性を示す質の高いエビデンスは見つからなかった」として、プライマリー・ケア施設におけるいかなるスクリーニングも、行わないことが推奨されている。
同委員会は、また、高い偽陽性率とそれによる不要な治療、ラベリングとスティグマから生じる有害性が「引き続き懸念される」と述べ、これらの潜在的な有害性を検証した研究がまったく見つからなかったのは遺憾であるとしている。
同じく2009年には、米国予防医学専門委員会 (the US Preventive Services Task Force) も子供のうつ病スクリーニングを支持するエビデンスは見当たらなかったとし、若者を対象としたうつ病スクリーニングは、非薬物療法がすぐに利用できることが確保されない限り、推奨されないとした。
米国専門委員会も、スクリーニングが子供や若者のメンタルヘルスを改善したかどうかを評価する試験は一つとして見つけることができなかったのだ。
2014年、また同委員会は、自殺予防スクリーニングにもすべて信頼性がなく、「今あるエビデンスでは、有益性と有害性のバランスを評価するのに不十分である」と結論している。
・・・・・・つづく


『精神医療システムはさらなる資金と権力を得るだけの価値あるものであり、事実に沿った説明責任を果たす義務は免除されるような、何か特別な理由があるのだろうか?』

その一つの答えは、『コミュニティメンタルヘルス―新しい地域精神保健活動の理論と実際』(ロレン・R. モシャー著)の以下の文章に描かれているが、結果として「家庭生活の基本構造をさらに腐食」したのであれば、そうさせる必要があり、精神医療がダブルスタンダードで担ってきた「保安処分」と「監視」が、さらに姑息に拡大されている可能性もある。


病院と経済 (『コミュニティメンタルヘルス―新しい地域精神保健活動の理論と実際』より引用)

人間のありふれた問題を医学の対象とすることが、経済的な理由により推進されている。1840年代に人道主義に基づいて始まった改革は、まずは隔離拘束に堕し(1870~1960)、1970年代には人間性を奪い、脱文脈化(日常生活の社会的枠組人から逸脱)させる成長産業へと転落した。60年から70年代にかけては成人のための病棟が増え、80年代にはそれを青年期の患者が占めるようになった。病院産業は新たに青年期の患者を餌にして肥え太ったのだ。上流も含め、中産階級の家族内の問題は、欠陥のあるひとりの青少年個人の問題に帰せられることとなる。

精神医学のシステムは、親たちを巻き込んで、面倒で厄介な問題行動を「病気」に仕立て上げたのだ。

不幸なことに、青年期の一群を新しく患者の仲間にいれた結果生じた問題については、誰も特別に関心を払った様子はない。その問題とは、1-将来、公衆衛生の精神保健システムの対象になる新たな世代の収容者を作り出し、2-米国の家庭生活の基本構造をさらに腐食することになったことである。

米国の家庭に向けた精神医学からのメッセージははっきりしている。「あなた方よりもっと上手に、子どもさんを立ち直らせる方法を知っています。お子さんをオープンしたばかりの我が思春期病棟に預けなさい( 保険に加入しているか、お金があるなら)、そうしたら、お子さんたちを「修理して」お返ししますよ」。

しかし実際には、そうした子どもの「家族」に介入することこそ、治療には効果があり、かつ安上がりなのである。コミュニティー・メンタルヘルス計画においては、児童や青年を精神病院に収容させないという方針を最優先で確立すべきである。なぜなら、児童や青年には、入院に伴う周知の好ましくない影響があるからである。

スポンサーサイト

コクラン・ライブラリーに見る「精神疾患 早期介入・支援」-その現状と真実

"Early intervention for psychosis"

◎ オランザピンにベネフィットはない
◎ 認知行動療法 (CBT) にベネフィットはない
◎ リスペドリン + CBT + 専門チーム(早期介入多職種連携チーム/アウトリーチ)にベネフィットはない (12ヶ月)

◎ 自殺傾向のための認知行動療法に効果はない
◎ 家族療法 + 専門チームの介入は再発に影響しない
◎ 専門チームの介入は平均入院日数に影響しない  

  Early intervention for psychosis


"Early intervention for psychosis"
(精神疾患の早期介入)

Max Marshall1,*, John Rathbone2Editorial Group: Cochrane Schizophrenia Group
Published Online: 15 JUN 2011
Assessed as up-to-date: 3 JUN 2009
DOI: 10.1002/14651858.CD004718.pub3

Abstract

背景
早期介入の支持者は、統合失調症の初期段階もしくは前駆症状を有する人々に対し、さらに集中的な治療努力を施すことでアウトカムを改善しうるとしてきた。統合失調症の早期介入には、標準的ケアとは明確に異なる二つの要素がある。早期発見とphase-specific treatmentである。(phase-specific treatmentとは、統合失調症の初期段階にある人のために特別に開発・改良された治療法のこと。)

早期発見とphase-specific treatmentは、共に標準的ケアを補うものとして提示されるか、あるいは早期介入専門チームを通じて提供される。アメリカ、ヨーロッパ、およびオーストラリアにおいては、定着したものである。


目的
次の効果を評価する (a) 早期発見  (b) phase-specific treatments  (c) 前駆症状のある人、あるいは初回エピソード精神病治療における早期介入専門チーム


検索方法
われわれはコクラン統合失調症グループTrials Register (March 2009) を検索し、特定したすべての臨床試験とレビューを精査の上、この分野における専門家にコンタクトを取った。


選択基準
前駆症状を示す人の精神疾患への進行の予防、あるいは初回エピソードがある人のアウトカムの改善を目的にデザインされた無作為化比較臨床試験 (RCTs) をすべて含めた。早期発見、phase-specific treatment、早期介入専門チームによる単独および併用ケアによる介入を適格とした。本調査ではクラスター無作為化試験は容認したが、非無作為化試験は除外した。


データ収集と分析
臨床試験を厳選の上その質を評価し、データ抽出を行った。二分データについては、95%信頼区間 (CI)で相対リスク (RR)を推定した。
可能な場合は、NNT/H (number needed to treat/harm statistic) を算出し、ITT (intention-to-treat) 解析を用いた。


主な結果
研究は様々であるが、そのほとんどは先駆的研究者によって行なわれた小規模なものであり、多くの方法論的制限があった (18 RCTs, total n=1808)。概ねメタ分析は不適当なものであった。前駆症状のある人の精神疾患予防を検証した6つの研究では、オランザピンにはほとんどベネフィットが無いように思われ (n=60, 1 RCT, RR 精神疾患への移行 0.58 CI 0.3 ~ 1.2)、また認知行動療法 (CBT) にも同じくベネフィットは無いように思われた (n=60, 1 RCT, RR 精神疾患への移行 0.50 CI 0.2 ~ 1.7)。リスペドリン+CBT+専門チームは、6ヵ月では専門チーム単独よりもベネフィットをもたらしていたが (n=59, 1 RCT, RR 精神疾患への移行 0.27 CI 0.1 ~ 0.9, NNT 4 CI 2 ~ 20)、12ヵ月の時点ではそれは見られなかった。オメガ3脂肪酸 (EPA) はプラセボよりも利点を得られた (n=76, 1 RCT, RR 精神疾患への移行 0.13 CI 0.02 ~ 1.0, NNT 6 CI 5 ~ 96)。しかしこの知見を再現するものについて、われわれは全く知らない。

その他の臨床試験は、初回エピソード精神疾患における転帰の改善を目的としたものであった。自殺傾向のためのphase-specificなCBTにはほとんど効果が無いように思えたが、その単回調査は小規模なものであった (n=56, 1 RCT, RR 自殺 0.81 CI 0.05 ~ 12.26) 。オランダで行われた家族療法+専門チームでは明らかな再発への影響はなかったが (n=76, RR 1.05 CI 0.4 ~ 3.0) 、中国で行われた専門チームのない家族療法のみで影響のあった可能性がある (n=83, 1 RCT, RR 入院 0.28 CI 0.1 to 0.6, NNT 3 CI 2 to 6) 。最も大規模で質の高い研究は、専門チームと標準治療の比較であった。研究からの早期離脱の低下 (n=547, 1 RCT, RR 0.59 CI 0.4 ~ 0.8, NNT 9 CI 6 ~ 18)、および治療コンプライアンスの改善が認められた (n=507, RR 治療中止 0.20 CI 0.1 ~ 0.4, NNT 9 CI 8 ~12)。1年目での平均入院日数に有意差はなく (n=507, WMD, -1.39 CI -2.8 ~ 0.1) 、5年目までに"入院無し"のデータにも差はなかった (n=547, RR 1.05 CI 0.90 ~ 1.2)。1年での"非自立生活"者の数に有意差はなかった (n=507, RR 0.55 CI 0.3 ~1.2)。5年目では"非自立生活"者が治療参加者のほうでは有意に減少していた (n=547, RR 0.42 CI 0.21 ~ 0.8, NNT 19 CI 14 ~ 62)。phase-specific treatment (CBT) とビフレンディングを比較した場合、1年間入院のなかった参加者の数に有意差は出なかった (n=62, 1 RCT, RR 1.08 CI 0.59 to 1.99)。

phase-specific treatment の 短期介入と同様 (n=106, 1 RCT, RR 入院 0.86 CI 0.4 ~ 1.7)、phase-specific treatment の E-EPA オイルにもベネフィットのないことが示唆された (n=80, 1 RCT, RR 無反応 0.90 CI 0.6 ~ 1.4) 。Phase-specific の ACE にはベネフィットを見なかったが、就労介入を受けた参加者は雇用されやすい傾向にあった。Phase-specific の 大麻や精神療法はベネフィットを示さず (n=47, RR 大麻使用 1.30 CI 0.8 ~ 2.2)、危機アセスメントが入院を減少させることもなかった (n=98, RR 0.85 CI 0.6 ~ 1.3)。早期行動介入が体重に影響することはなかった。


執筆者の結論
精神疾患の前駆状態にある人を何らかの介入によって支援しうることを示唆するエビデンスができつつあるとはいえ、未だ確定的なものではない。専門の早期介入サービスを有効とする主張もあるが、さらなる臨床試験が望まれるものであり、早期介入サービスによって得られるものの継続性には疑問がある。就労や家族療法を中心としたphase-specific な支援を有効とする主張もあるが、やはりこれについてもより大規模で長期試験での再現性が必要である。


平易文による要約

精神疾患の早期介入
統合失調症の多くは若年成人期に発症し、生涯継続する障害につながる可能性がある。精神疾患発病の前に、前駆症状として知られる非精神病性症状の一時期がある。本格的な統合失調症の症状としては、幻覚、妄想、思考の混乱、および感情的引きこもりなどがある。適切な治療を受けることが遅れると回復の機会やその範囲が狭まるとするエビデンスがいくらかは存在する。

大まかに言えば、初期介入には2つの目的がある。一つは前駆症状のある人の統合失調症の発病を予防すること。もう一つは統合失調症の初期段階にある人に疾患の重症化を軽減することを目的とした有効な治療を提供することである。現在、アメリカ、ヨーローッパ、オーストラリアで早期介入は広まっている。

われわれは精神疾患の前駆症状あるいは初期症状のある人に対して早期介入が行われたすべての臨床試験のレビューを試みた。本レビューでは18の研究を特定したが、そのほとんどは非力なもので、今のところは十分なデータがないため何らの確定的結論も導くことはできない。さらなる研究は望まれる。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
言うまでもなく、コクランに言う「望まれるさらに大規模な臨床試験」とは、製薬企業と利益相反のある施設や研究者の行うものではない。
 



テーマ : 統合失調症
ジャンル : 心と身体

若者を対象とした早期介入 (支援) にまつわるエビデンスは誇張 - メルボルン聖ビンセント病院精神科部長

McGorry accused of conflict of interest

The Sydney Morning Herald

"McGorry accused of conflict of interest"
Jill Stark
August 7, 2011.
http://www.smh.com.au/national/mcgorry-accused-of-conflict-of-interest-20110806-1igxd.html#ixzz1UGsdyj2v

『マクゴーリに利益相反の非難』
ザ・シドニー・モーニング・ヘラルド紙

連邦政府のメンタルヘルス改革に対して精神科医、心理学者、患者グループらのあいだに反感が強まり、元 "オーストラリア・オブ・ザ・イヤー"にも選ばれた政府の医療技術顧問、パトリック・マクゴーリ (Patrick McGorry) の利益相反問題に非難の声が上がっている。

複数のメンタルヘルスの専門家がサンデー・エイジ紙 (The Sunday Age) に語ったところによれば、青少年や若年層成人に特化した早期介入は、『マクゴーリーのロビー活動マシーン』によって甚だしく過大に評価されており、精神衛生に関する政府の専門家作業部会における地位を利用して、自らが設立したプログラムへの資金拠出を進言したとしている。

メルボルン聖ビンセント病院のディビッド・キャッスル精神科部長は、"headspace" (オーストラリア若者心の健康財団) や "early psychosis prevention and intervention centres" (早期精神病予防介入センター) を立ち上げたマクゴーリ教授と、 "headspace" の役員であるイアン・ヒッキー教授 (Ian Hickie) らが言う精神病のリスクがある若者を対象とした早期介入 (支援) にまつわるエビデンスは、誇張されたものであると主張。

"Headspace" は、いじめやストレス、また人との関係に困難があるなど、軽度から中度の問題を抱えた12歳~25歳の若者を対象とするサービスであり、GPによる紹介が親に求められることはない。また"early psychosis prevention and intervention centres"は、15歳から24歳までを対象に、精神医学的、心理学的、および社会的支援が総合的に提供されている。

5月の連邦予算では、精神衛生に割り当てられ22億ドルのうち、その四分の一がこの2つの制度で占められたが、マクゴーリ教授とヒッキー教授は、ともに首相に提言を行う政府のメンタルヘルス専門家作業部会のメンバーである。

「きわめて憂慮すべきは、彼ら専門家であるロビイストたちの言うことに政府が耳を傾けていることである。 彼らが推奨しているプログラムは、自分たちが個人的にも大規模な投資をしているプログラムであり、またそこに示されているエビデンスには明らかな誇張がある。これは甚大な利益相反である」と、キャッスル教授。

この騒ぎの原因となったのは、精神科診断の主要なソースとされる「精神疾患の分類と診断の手引 第四版 (DSM Ⅳ)」作成の委員会議長を務めたアメリカの精神科医、アレン・フランセス氏が、この早期介入に対するこのオーストラリアの取り組みを「検証なき大規模公衆衛生実験である」として、長期のベネフィットに関するエビデンスもほとんど存在しないと批判したことである。

そこには限られた予算配分をめぐっての陣取り合戦という側面もある。また従来のGP (一般開業医) や精神科医によるケアでは、小児と成人の狭間にいる子供や若者の治療が遅れるという指摘もある。

4歳から17歳の子供のおよそ14パーセントがメンタルヘルスの問題を抱えているとされ、その多くはうつ病や不安障害で、精神疾患も2パーセント。

メルボルン国立小児病院 (Melbourne's Royal Children's Hospital) 青少年健康調査科のジョージ・パットン (George Patton) 教授は、マクゴーリ教授のこうした取り組みを賞賛する一方で、早期介入に対するマクゴーリ教授の信念は全員に共有されるものではないと言う。「精神医学界の上位コミュニティーの間では、精神医学がエビデンスを置き去りにして突っ走っていることへの懸念が、まさにうねりのように高まっている」と彼は言う。

しかしマクゴーリ教授は、こうした批判を少数派であるとはねつけ、「不満を抱く者の破壊的かつ無責任な主張」であり、「自分たちの縄張りと弱体化する既存のメンタルヘルス・モデルを守るために、科学的エビデンスを悪用している」と批判。

「初期精神病や "headspace" にまつわる改革は、患者やその家族に利益をもたらすものであり、過去20年の確かなエビデンスと、世界中の何百ものコミュニティーで成果を上げている」と、マクゴーリ教授は言う。

また、ヒッキー教授らとともに代表を務めている組織は非営利団体なのであって利益相反はないとし、あらゆるサービスの資金増額が理想であるが、特に若者に対する支援は急を要すると言う。

しかし、メルボルン国立小児病院精神衛生部、ピーター・バールソン (Peter Birleson) 元部長は、このマクゴーリの意見に反対する。「マクゴーリの仕掛けた客寄せマシーンは、オーストラリアの状況を歪めたものにしている。イギリスには、こうした子供や若者に対するオーストラリアの精神医療の在り方を、まったくの狂気の沙汰であると見る人もいる。マクゴーリは若者や若年層成人のためにという大義名分を掲げてはいるが、実際には精神疾患の50パーセントは14歳以前に発現するものであり、従って児童に対するサービスの強化にこそ大きく舵を切るべきである」とバールソン医師。

ヒッキ―教授は、若者以外の分野で自分もマクゴーリ教授もこれから支援を続けており、政府の作業部会における影響力も他の委員らと同程度であると言う。

「卑劣な攻撃をする人がいるのは嘆かわしいことだが、これは精神医療分野の特徴でもある。これまでほとんど投資をしてこなかったために、結局はパンくずを奪い合うことになっている」と、ヒッキ―教授。

ロイヤル・オーストラリアン・アンド・ニュージーランド・カレッジ・オブ・サイカイアトリスト (Royal Australian and New Zealand College of Psychiatrists) の前学長であるルイス・ニューマン氏は、早期介入に小さく焦点を当てすぎているがために、若者が過剰に薬物治療を受け、早まった診断やレッテルを張られることにつながりかねないと言う。

しかし、オーストラリア地域評議会 (Community Council for Australia) の最高責任者で、オーストラリア精神保健委員会 (Mental Health Council of Australia) の元会長、ディビッド・クロスビー氏は、現行の精神医療を脅かす存在であるがために標的にされているとし、「パトリックやイアンに対し、私には尊敬の念しかない。彼らは自分たちの役割だけにとどまらず、なんとか変化を起こそうと頑張っている。この分野の他の人たちがメンタルヘルスをより良い方向に導くための改善を支持しないのは残念なことだ」と彼は言う。

また、もう一人のマクゴーリ支持者であるSANE オーストラリア (SANE Australia) のバーバラ・ホッキング事務局長は、自分に関わりのないサービスも含め、彼はこの分野全体の資金獲得に尽力したと言う。

早期介入プログラムのための資金は、予算をオーバーしていたベター・アクセス・スキームへの配分を削減することから捻出されており、従来はGPや精神分析医、ソーシャルワーカーなどを通して提供されていたものである。

この削減には、オーストラリア医師会、オーストラリアGP学会ならびにオーストラリア心理学会が反対し、不安症やうつ病の人にとって治療費が高額になり過ぎると主張している。

ヒッキ―教授や、同じく政府の作業部会に属するディビッド・カッポ司祭 (Monsignor David Cappo) は、ベター・アクセス・スキームに反対だ。予算配分に先立ち、マクゴーリ教授とともに彼らはメンタルヘルス改革の青写真を公開したが、そこに並べられていた30項目の「お買い得品」の中に、ベター・アクセスは含まれていなかったのだ。

一方、カウンセリング心理学協会 (Association of Counselling Psychology) のベン・マリングス (Ben Mullings) 会長は、政府作業部会のパネリストが直接の資金受益者である場合、それは独立した存在とは言い難いとする。

またビクトリア・メンタルイルネス・アウェアネス評議会 (Victorian Mental Illness Awareness Council) のイザベル・コリンズ会長は、マクゴーリ教授の若者への献身ぶりには敬意を表するとしながらも、その他の年齢層が軽視されているように思うとした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆


◎ "headspace" や "early psychosis prevention and intervention centres" を立ち上げたマクゴーリ教授らが言う精神病のリスクがある若者を対象とした早期介入 (支援) にまつわるエビデンスは、誇張されたものである
きわめて憂慮すべきは、彼ら専門家であるロビイストたちの言うことに政府が耳を傾け・・・・彼らが推奨しているプログラムは、自分たちが個人的にも大規模な投資をしているプログラムであり、またそこに示されているエビデンスには明らかな誇張があり・・・・甚大な利益相反である
- メルボルン聖ビンセント病院精神科部長

◎ オーストラリアの取り組みは「検証なき大規模公衆衛生実験である・・・長期のベネフィットに関するエビデンスもほとんど存在しない
- DSM Ⅳ作成委員会議長

◎ マクゴーリの仕掛けた客寄せマシーンは、オーストラリアの状況を歪めた・・・・イギリスには、こうした子供や若者に対するオーストラリアの精神医療の在り方を、まったくの狂気の沙汰であると見る人たちもいる
- メルボルン国立小児病院精神衛生部元部長

◎ 早期介入に小さく焦点を当てすぎているがために、若者が過剰に薬物治療を受け、早まった診断やレッテルを張られることにつながりかねない
- ロイヤル・オーストラリアン・アンド・ニュージーランド・カレッジ・オブ・サイカイアトリスト前学長

◎ 政府作業部会のパネリストが直接の資金受益者である場合、それは独立した存在とは言い難い
- カウンセリング心理学協会会長


高まる早期介入批判のうねり
少なくともメジャーメディアがしっかりと精神医療の「早期介入」問題を取り上げ、議論の余地を国民に与える早期介入の本拠地オーストラリア。

一方、早期介入「支援」が若者や子供を救うかのような信仰(カルト)に洗脳され、権威に騙され続ける医療従事者を含めた日本人。


あ~ぁ、こうした記事を日本のマスコミが取り上げるだけの健全さがあれば、精神衛生上も多少は良ろしかったかと。

テーマ : 統合失調症
ジャンル : 心と身体

多くの若者に医原性の害を与える精神科早期支援 (早期介入) - DSM-IV タスクフォース議長 アラン・フランセス氏

Continuing Controversy On Australia's Mental Health Experiment
Seven questions for Dr McGorry

allen_frances.jpg

Published on June 13, 2011 by Allen J. Frances, M.D. in DSM5 in Distress

オーストラリアの早期介入実験-継続する議論 
マクゴーリ博士への7つの質問
DSM-IV タスクフォース議長 アラン・フランセス医学博士



オーストラリアの早期精神病予防介入センター (Early Psychosis Prevention and Intervention Centres = EPPIC)に関する私の懸念は、両陣営に強い意見を巻き起こした。EPPICプログラム推進派の意見としては、この分野では卓越した研究者であるアリソン・ヤン博士 (Dr Alison Yung) の以下のものがベストである。

「精神疾患リスクがあると思われる若年層を見つけ出し、介入を試みることの危険性に関して、フランセス博士はいくつか正当な主張をなさっています。これは私が15年間研究してきた分野ですが、次のような問題があることを十分に認識しています。例えば、実際にはそうではないにもかかわらず精神病を発病する前状態にあると誤診する問題、スティグマの問題、レッテル張りの問題、薬物治療を含め、不必要かつ有害な治療を施す問題などです。こうした理由から、私たちは「精神病リスク症候群 (Psychosis Risk Syndrome) 」、あるいは「弱性精神病症候群 (Attenuated Psychosis Syndrome) をDSM-5に含めることに反対しています。しかし、フランセス博士は精神病発病前の患者を見つけ出して治療すること (ウルトラ・ハイリスク・ストラテジー) と、早期精神病予防介入センター(Psychosis Prevention and. Intervention Centre = EPPIC) モデルを混同されています。EPPICモデルが治療対象とするのは、すでに確立している精神障害のある若年層です。EPPICプログラムの対象となるのは、精神病の初回エピソード発症後12ヶ月以内の患者です。二次的な疾病および障害の予防がEPPICの目標です。精神障害に関連する多くの悪化は、抑鬱や意気喪失、再発に対する恐怖、薬物の使用、仲間や家族とのつながりの断絶、また学校や仕事の中断など、心理社会的な困難によるものであると考えられます。少量の抗精神病薬、認知療法、家族との関係づくり、また就労問題にも介入することで回復に向けた問題にも注意を払うなど、科学的根拠に基づいた治療を通して、これら社会心理的な諸問題を最小限にとどめ、さらなる障害の予防をEPPICは試みています。これが、「早期精神病予防介入センター (EPPIC) 」という名称の意味する「予防」なのです。」

一方、オーストラリアのEPPIC反対派は、その妥当性とEPPICの普及に伴う突然の巨額な投資に対し、それほど楽天的な見方をしていない。反対派が懸念するのは、EPPICプログラムが実際に行われる医療現場においては、ヤン博士の唱える適切な目標や方法とは根本的に逸れたものになる可能性だ。EPPICの現場医療従事者が、十分に確立した初期精神分裂病 (統合失調症) 患者、つまり偽陽性率が低く、治療の必要性が明確であり、治療を施されることによって十分な利益を得る可能性がある患者のみが対象となる保証が、一体どこにあるのかということだ。この「予防」に負託された概念をEPPICに従事する者が、意図的にしろ無意識的にしろ、より野心的に拡大解釈することで、不確かな「精神病リスク症候群」にまで容易に対象が広がり、有害な治療を受けることになる。EPPICに反対するものが要求しているのは、正確に診断された精神疾患エピソードの患者だけをセンターが対象とすることである。センターが勝手に自らの都合の良い精神疾患患者を創り出さないことはどのように担保されるのかということだ。

実際の臨床現場が不確実であることを考えれば、この問題はさらに厳しいものとなる。"prepsychotic" と "psychotic"の境界は、ときにきわめてファジーなものであり、診る人次第でどのようにも取れる (特に若者にありがちな精神に作用する薬物を乱用している場合はそうだ) 。医療支援を受ける要件を満たすために、統合失調症のような境界の不明瞭なケースによこしまな動機から時期尚早なラベルを張り、その結果偽陽性率を引き上げ、スティグマや有害な治療に曝すことに熱心な臨床医がいないとも限らない。

さらに反対論者はEPPICのスピード、スコープ、サイズ、そして巨額の予算にも重大な懸念を抱いている。異なる解釈が可能で、現実の世界にそのまま一般的なものとして普及させることができない極めて限られた結果に基づき、証明すらない予防モデルを国策として盲目的に推し進めることに果たして意味があるのかどうかということである。研究レベルのものを国策にふさわしいモデルとするには、一歩一歩着実にスケールアップを図りながらより強力な研究実験基盤を築く方が賢明ではないか。

また、反対論者には、この十分な検証もない予防プロジェクトに莫大な予算が間違って投入されてしまうことで、すでに効果に証明のあるメンタルヘルスサービスが、それを必要とする患者に行き渡らなくなるのではという懸念もある。疾患初期 (とおぼしき) 若者に巨額の支援が与えられことになれば、間違いなく援助を必要とする明確な統合失調症患者の治療が割を食う。将来それはどの程度になるのか。確かな証明のある治療より証明のない予防を優先するというのは本末転倒ではないのか。

EPPICアジェンダの背後に存在し、その指導理念であり牽引力となっているのはマクゴーリ博士である。「前精神病リスク」なる診断および治療に関する彼のポジションは、年を追って変化してきた。何をEPPICプログラムの使命とし、どこまでをその範囲とするのか、またどういう方法で実施するのかをハッキリさせることが極めて重要である。従って、マクゴーリ博士に次の7つの質問に率直に答えていただき、博士の見解を明確にすることは極めて有効であろう。

1) 「精神病リスク症候群」はEPPICセンターのターゲットとするには不適切かつリスクを伴うものであり、DSM 5にも含めるべきではないとするヤン博士に、マクゴーリ博士は同意されるのか。

2) 「早期精神病予防介入センター(EPPIC)」という名称が意味する「予防」は、第二次予防 (つまり、精神疾患を発病していることが既に明らかである患者のさらなる障害の予防) にあり、厳密に言えば単に将来精神疾患を発病する何らかの理論上のリスクがあるというだけの人の第一次予防を含むものではないとするヤン博士に、マクゴーリ博士は同意されるのか。

3) 「精神病リスク症候群」のある若者に抗精神病薬を使用するには、診断に偽陽性率が高いこと、また薬物の破壊的副作用から適当ではないとするヤン博士に、マクゴーリ博士は同意されるのか。もし同意されるのであれば、確定的で信頼しうる診断のつかない精神病症状のある人には、EPPICが抗精神病薬の使用を確実に排除するようマクゴーリ博士は努力されるのか。

4) 日常の臨床現場における「前精神病」や統合失調症の過剰診断、また抗精神病薬の乱用を防ぐために、マクゴーリ博士はどのような具体的安全対策および管理システムを構築されるおつもりか。

5) こうした手に負えないほど大規模なプログラムには、その使命と実践が遊離してしまうリスクがつきものである。それを踏まえ、マクゴーリ博士はひとつのパイロット・プロジェクトを国家規模の試みへと拡大することの難しさを正しく認識しておられるのか。マクゴーリ博士はどのような運営管理体制を想定しておられるのか。

6) すでに証明のある確かなメンタルヘルス・サービスに割り当てられていた予算をEPPICセンターが吸い上げてしまうことで、いままでの治療を必要とする、またあるいはそれによってベネフィットを得ていた人から結果として乏しいメンタルヘルス・リソースを奪ってしまうことにもなりかねない。そのようなことは起きないとマクゴーリ博士は保証できるのか。

7) 他のメンタルヘルスサービスに向けられていたこれまでの予算がEPPIC に振り分けられる結果としてまず考えられるのは、これまで心理療法がもたらしていたベネフィットの減少である。マクゴーリ博士はその点についてどのようにお考えか。将来的な予算の分配についてどのような考えをお持ちか。


一見したところ、オーストラリアが突如として莫大な予算をEPPICプログラムにつぎ込むのはあまりに法外であり、まだ数十年は時期尚早である。EPPIC がうまく機能する可能性も確かにあるだろう。しかしそれは危険を顧みないあまりに大きな賭けであり、確かな研究と経験というより、単に一人の人間の盲信に基づくものであるように思える。切実にリソースが求められているところには届かず、多数の未成年者に医原性の害を与える-EPPICが無駄に大金をばら撒くだけのとんでもないそうした賭けであることは、あっけなく判明するだろう。国レベルで行う前に、このプログラムが実際の医療現場でうまく機能するかどうかを見極めるために、まずそのコンセプトレベルの証明から徐々に拡大させていくべきものだ。少なくともそうすることが、実施する上で必ず持ち上がる多くの不備を特定し、解決を試みる一つの機会となるだろう。EPPICは白地小切手を受け取るよりも、自らを段階的に証明することが必要である。

EPPICはマクゴーリ博士の持論であり、その内容や実施においても多大な影響力を持つと言えるだろう。マクゴーリ博士はこれまで強力に推し進めてきた第一次予防をどのように修正しているのか。また今はヤン博士の比較的保守的な立場を支持するようになったのかを、オーストラリアは知っておく必要がある。そしてさらに重要なことは、この途方もない実験に一気に突入すべきかどうかをオーストラリア政府は考え直すべきである。EPPICが現実世界で正当に機能するだけの経験と証明を一歩一歩積み重ねることのほうが、はるかに賢明であろう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日本でも非常に権威ある医学雑誌として知られる『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(英語:The New England Journal of Medicine、N Engl J MedないしNEJMと略記)の上級エディター (senior editor) を長年務めたマーシャ・エンジェル博士 (Dr Marcia Angel) の、"Drug companies and Doctors:The story of corruption 製薬企業と医師の腐敗構造" と題された記事には・・・

『"since the pharmaceutical industry has no direct access to people,The medical people are the link and they are heavily influenced by brainwashing " 製薬企業は国民に直接働きかけることはできませんから、"洗脳"の大きな影響下にある医療従事者にその橋渡しをさせます。・・・・And indeed, most doctors take money or gifts from pharmaceutical companies one way or another.and Many are being paid for advice or for giving lectures sponsored by the company, as well as for writing articles on behalf of the pharmaceutical companies and conducting research 'apparently' that its main contribution is to provide those medicines to their patients and disseminating the information even further.What is it if not a total contrast of interest? and this is how the medical world runs. 医師をはじめ、ほとんどの医療従事者には、食事や金品、コンサルタント料や企業が後援する講習会などの講演料、株式、また企業が業者に依頼して書かせた書籍にアカデミックな医者を著者とするなどを通して、多額の金がばら撒かれています。・・・・In recent years pharmaceutical companies have begun to refine a new and very effective technique to expand their markets.Instead of advancing the treatment of diseases, they began to promote diseases to fit their drugs.The strategy is to convince as many people as possible (along with their doctors, of course) that they have medical problems that require a long-term medical care. And on this it said: "How can a normal behavior becomes a disease ....".in order to promote the excessive new terms,the drug companies are giving them names that sounds more serious.Therefore, heartburn is now "gastro esophageal reflux disease",the stress that many woman suffer from before their menstrual cycle is a "disorder and PMS" and shyness is "social anxiety disorder". There is also the "post traumatic stress disorder."... When a company receives approval from the FDA to market a drug it is launching an extensive media campaign, including posters on bus stops around the country showing people sad and below them the words: "Imagine being allergic to people..." and the sales leap.Or as Barry Brand, the product manager of Paxil said: "Every marketer's dream is to find a customer segment market that is not yet identified and to develope it.This is what we are doing with social anxiety disorder. 製薬企業がマーケット拡大のために最近使う非常に効果の高いテクニックは、疾患に対する治療薬の効果を高めるのではなく、すでに製薬企業が持っている薬に合わせて、病気そのものをプロモートする手法です。医師などの医療従事者を含め、できるだけ多くの人に「これは病気なのだ」と信じ込ませ、長期の医療ケアが必要だと思わせる。そのために、今まではごくありふれた、あるいはごく普通の状態であったものに仰々しい名前を付ける。胸焼け→逆流性食道炎、女性なら誰でもが経験する月経前のストレス→月経前気分障害、羞恥心→社会不安障害。捏造と隠ぺいによる研究データ、製薬企業がスポンサーの患者家族会やロビイストらの活動でFDAの認可が下りるやいなや、一気呵成にメディアを通して宣伝攻勢をかけます。「まだ誰も気づいていないマーケットを掘り起こして拡大させることは、マーケッティングをやる人間の夢だ。社会不安障害を使って我々は大きなマーケットを創り出した」とパキシルの製品担当マネージャー・・・mainly because it gives them access to highly influential faculty physicians—referred to by the industry as “thought-leaders” or “key opinion leaders” (KOLs). These are the people who write textbooks and medical journal papers, issue practice guidelines (treatment recommendations), sit on FDA and other governmental advisory panels, head professional societies, and speak at the innumerable meetings and dinners that take place every year to teach clinicians about prescription drugs. Having KOLs like Dr. Biederman on the payroll is worth every penny spent. 製薬企業が薬の販売に利用するのは、彼らが「思考リーダー“thought-leaders”」あるいは「キー・オピニオンリーダー“key opinion leaders” (KOLs)」と呼ぶもので、医学教科書、医学雑誌に名を連ね、治療ガイドラインを作成し、FDAや政府の審議会に入り込み、学会で医師相手に講演をするアカデミック機関の影響力ある医師たちでです。そういう医師らに製薬企業はカネを惜しまない・・・」

現在、日本でもマクゴーリらの唱える「早期支援」が、以下のような医療機関・学会・行政によって強力に推し進められている。

● 東北大学病院精神科 SAFE クリニック

● 東邦大学医療センター イル ボスコ

● 三重県四日市市 YESnet

● 三重県津市 こころの医療センター ユース・メンタルサポートセンター MIE (YMSC YAC YU)

● 松沢病院 ユースメンタルサポートセンター松沢(わかばWAKABA)

● 東京大学医学部付属病院精神神経科

● 日本精神保健・予防学会

これら「早期支援」推進機関に共通するのは、支援や援助、介入の重要性をこれ見よがしなほどに唱えながら、DSM-IV タスクフォース議長も懸念する90パーセントを超える誤診率・偽陽性率、そして深刻な副作用のある精神科薬剤の誤処方には、一切触れられていないことである。

医療に求められるのは、「少なくとも患者に害を与えない」ことである。

患者がベネフィットを得るのに本当に必要なのは、製薬企業がばら撒くKOLsへのカネを断ち無知なるがゆえに刃物を振り回していることにも気付かない医療従事者の洗脳を解くことである。

そうしてはじめて支援・援助の道が開ける。

マクゴーリを支持する岡崎祐士西田淳志水野雅文らのKOLたちも、DSM-IV タスクフォース議長の7つの質問に答えるべきだろう。

京都教育大学へのお願い

全文 (記録用に一部校正)

関係者各位

前略

お忙しい中、誠に申し訳ございません。

国内外の精神科医療について調べています。
その結果から、いくつかのお願いがあって、メールさせていただきます。

できましたら関係各部署に転送してください。


現在、「心の健康 政策構想実現会議」などの組織も立ち上がり、日本でも精神医療の推進がはかられております。

その特徴として、「精神疾患の早期介入」や「アウトリーチ」・「連携」などが挙げられ、臨床心理士や精神保健福祉士が今まで以上に大きく精神医療にかかわっていくことになりますが、一方で日本がモデルとするオーストラリアをはじめ、イギリス、アメリカでは、ご承知のように数年前から大きな問題が起こっています。

すでに「薬害オンブズバースン会議」などでも何度も取り上げていますが、抗精神病薬の売り上げが上位を占める製薬企業による違法/過剰なビジネス戦略が引き起こす数々の犯罪です。

薬の効果を水増しし、有害な副作用データは隠ぺいする、精神科教科書を自社薬剤販売に都合の良いように製薬企業がゴーストライトする、御用学者を使って薬の販売に都合の良い研究データを提出させる・・・
ビーダーマン医師などは少し日本でも報道されましたから、ご存知の方も多いかと思います。

Charles Grassley 議員らの調査からそうした製薬企業の犯罪がここ数年次々と明るみに出て、去年製薬企業がアメリカ政府に支払った罰金・和解金の額は史上空前のものとなり、製薬企業がデータを持ちながら隠していた精神科薬剤の有害な副作用も徐々に明らかにされるようになり、薬害患者からの訴訟も連日のように起きていることをニューヨークタイムズ紙(簡単な登録が必要です 当ブログ拙訳)などのメジャーメディアも報じるところです。

また、オーストラリアの「早期介入」につきましては、それを唱えるマクゴーリらの行った研究は「世界の度肝を抜いた人体実験 (2006年)とタイム誌 (拙訳) が報じ、その後も彼の研究データのねつ造や政治家・製薬企業との癒着、子供に対する電気ショック治療の増加、幼児への向精神薬の投与などが次々と報じられております。

しかし一方で、今回の福島原発事故でも明らかになりましたように、製薬企業をメインスポンサーとし報道統制の行われる日本のマスコミはそうしたことを報じることなく、「多剤大量処方が日本のお家芸」と揶揄される中で、精神科医・精神保健福祉士・臨床心理士など、多くの精神医療従事者が事実を知らされないまま、一部「御用学者」と呼ばれる人たちの言葉を鵜呑みにし、「早期介入」を無批判に受け入れていしまっているのは、非常に問題のあるところです。

その一例として、御校、学校教育専攻 学校教育専修 卒業生の修士論文に、このようなものまであります。
「精神疾患に関する教師の理解と相談リソースの利用一早期介入と支援に向けた取り組みのために一中山愛美(2009年)」と題されたこの論文には、あたかもそうした早期介入を妥当なものと受け入れ、修士学生が書いたものとはいえ、無知から生じたと思われる事実誤認が多々あり、本来の教育、あるいは臨床心理士に期待されることとは全く逆の大きな危険性をはらんだ状況を生む可能性を持っています。

すでにこの論文に取り上げられた三重県津市ようなシステム導入の検討を進めているいくつかの自治体もありますが、「うつ病や発達障害、統合失調症などの誤診率は90パーセント以上」とされるにもかかわらず、患者の「こころ」や「背景」にはあえて目を向けず、その症状だけに対処する薬物治療を中心とするのが今の精神科医療であることの認識が無く、医療における早期介入をこのようにあまりに無批判に受け入れてしまうと、本来治療の必要もない子供や若者に学校が精神科受診を勧めるだけの場となり、薬物以外の治療の手助けを期待されているはずの臨床心理士などが、その役割すら放棄してしまうことになります。

この中山さんの論文は、要約すれば「学校では子供の精神疾患が増えているのに対処しきれていない。早くに介入しておけば重症化しなかった。教師・生徒・家族への啓蒙が必要だ」になろうかと思います。

まず「精神疾患が増えている」ですが、実際には「閾値が下げられた、社会・学校のニーズからスペクトラムの幅が狭められた、製薬企業のメディア戦略によって精神科受診が増えた、それによって誤診と診断数が増えた・・・などなど」を指摘する学者も、実際には中山論文作成以前から多く存在していました。

例えば薬害オンブズバースン会議のホームページでも2007年には「精神医療ユーザー拡大化と薬との葛藤」として取り上げられ、日本の精神科医らも診断の拠り所とするDSM-Ⅳの編集委員会議長を務めた Allen Frances 氏は、ADDを一例にとり、増えた理由として自らのブログに12の項目を推察されていますが、"there is no precise way to determine what should be the true rate of ADD" 「実際の正確な割合はわからない」とし、"The heaviest contributor by far is almost surely the clever, ubiquitous, and enormously expensive drug marketing campaign. "、「製薬企業による大金を使った巧妙なマーケティング・キャンペーンが一番の理由である」との指摘にも見られるものです。

次に、「早くに介入しておけば重症化しなかった」に根拠はあるのか。
中山さんの引用には、「近年の研究では、精神疾患患者の 50%が 15歳までに何らかの精神科的診断基準を満たしているという報告 (Kim Cohen J et a1.2003)」とあります。 これも実際の 原文abstractでは、"Among adult cases defined via the Diagnostic Interview Schedule, 73.9% had received a diagnosis before 18 years of age and 50.0% before 15 years of age."とあり、「基準を満たしている」のではなく、「had received a diagnosis= 15歳までに診断されていた」のであり、"Among cases receiving intensive mental health services, 77.9% received a diagnosis before 18 years of age and 60.3% before 15 years of age. " 「集中的にメンタルヘルスサービスを受ける患者では、18歳以前に77.9%、15歳以前に60.3%が(何らかの精神疾患と)診断されていた」。つまり、「何らかの精神科的診断基準を満たしている、早期に診断できるのに介入がなかったから(診断がなかったから)大人になっても精神疾患がある」ではなく、実際そのように「診断された=received a diagnosis」のです。

なぜか表現に巧妙なスピンがかけられています。

つまり「診断されていた」では、早期に診断され治療を受けながらも治っておらず、成人後も治療もしくはメンタルヘルスサービスを受けていることも推察されます。しかも重症化しないのであれば、なぜメンタルヘルスサービスを受けている群の方が15歳までに診断されていた割合が高いのか。診断を受けたほうが重症化しているのではないか・・・。そうした推察もできるでしょう。

おそらく中山さん自身は実際には原文にあたらず、米国ジプレキサ裁判で明らかにされた製薬企業の内部資料(名のある大学の研究者にプロモーションを行わせる。患者・家族会から政府に圧力をかけさせる。教育機関を使った洗脳などなど)からもわかるように、製薬企業の神輿に担がれた権威筋の言うがままに書かれたのかもしれません。

さらにKim Cohen らのこの論文アブストラクトには最後のところに"For all adult disorders, 25% to 60% of cases had a history of conduct and/or oppositional defiant disorder. " 「障害のある成人の25% ~ 60%に「反抗的及び/あるいは敵対的行為障害」歴があった」ともあり、反抗的で不良っぽい子供に手を焼く学校、あるいは家族や地域社会が、主観に基づく精神疾患/障害の診断を都合良く利用し、「反抗的態度/行為障害」という診断を下して精神科薬剤を投与した結果、その副作用として大人になっても何らかの精神障害がある、あるいは慢性化・重症化している可能性もあります。事実、米国の少年院では入所者のほとんどが精神科薬を処方されていることが問題化しており、看守に暴行を働いた入所者が強制的に投薬を受けた薬物の影響下にあったことが裁判で認められ、無罪になったケースも報告されています。

精神科薬剤を使った「厄介者の排除」については、こうした精神医療の問題を深く憂慮し、メールやファックス、インターネットを使った無償のセカンド・オピニオンに寄せられた症例が1万件を超える精神科医、笠医師のこういう見方もあります。

「出生前診断で男女の生み分けが進み、障害児の抹殺が行われる。就学時検診で、普通学級、特殊学級、特殊学校への振り分けが強制される。思春期に、スクールカウンセラーによってメンタルヘルスをチェックされ、あやしいと見なされれば、精神科医の早期介入を受ける。大学でも同様の検診網は進んでいるし、「病名」がつけばやんわりと淘汰される。そして企業に巣食う産業医は、異質な会社員をあぶり出し、メンタルヘルスの名の下に巧妙にやめさせるのが主要な仕事となっている。これは、優秀な「種」を保存しようとしたナチスの優生思想そのものであり、社会の多様さこそ、健全なもの・・とする当たり前の思想を、真っ向から踏みにじるものである」


精神科治療を受けることで重症化する例は、笠医師の「セカンドオピニオン」のみならず、インターネットにあふれる被害者(サバイバー)の声がいくらでも見つかりますが、研究論文としてまとめられたものも数多く存在します。そのうちのいくつかを記しておきます。

●『退院一年後』Schooler, N. American Journal of Psychiatry 123 (1967): 986-995.
概略:入院時に神経遮断薬による治療を受けた患者と、プラセボのみを服用させた患者合計299人の1年後転帰を調査。米国立精神保健研究所が初めて実施したこの長期研究では、プラセボ投与を受けた患者群のほうが「3種類の活性フェノチアジンのうちのいずれかを服用した患者よりも再入院率が低かった」ことが判明。

●『2つの5年追跡調査の比較』Bockoven, J. American Journal of Psychiatry 132 (1975): 796-801.
概略:ボストンの精神科医、Sanbourne Bockoven と Harry Solomon による薬物治療が始まる前と、始まった後の時代での再発率の比較研究において、薬物治療が始まる前の時代ほうが再発率が低かったことが判明。1947年にボストン精神病院で治療を受けた患者の47%が退院5年後時点において再発がなく、76%は追跡調査期間終了時に地域での社会生活がうまく行われていた。対照的に1967年にボストン・コミュニティー・ヘルス・センターにおいて薬物治療を受けた患者のうち、その後5年間再発がなかったのは31%で、1947年の患者集団よりも全体としては福祉などへの"社会的依存度"は、はるかに高かった。
また、1940年代と1950年代のはじめのニューヨーク精神病院での再発率をレビューした他の研究者らも同様の報告をしており、退院した統合失調症患者のおおよそ50%は追跡調査期間中も長期にわたり継続して良い状態を保ち、これは神経遮断薬を使った患者の転帰よりも顕著に優れていると報告。(Nathaniel Lehrman の"A state hospital population five years after admission: a yardstick for evaluative comparison of follow-up studies," Psychiatric Quarterly, 34 (1960), 658-681 および H.L. Rachlin による"Follow-up study of 317 patients discharged from Hillside Hospital in 1950," Journal of Hillside Hospital 5 (1956), 17-40 参照のこと)

●『薬物を使わない急性統合失調症の治療』Carpenter, W. American Journal of Psychiatry 134 (1977): 14-20.
概略:1977年に米国立精神保健研究所が行った研究。心理学敵、社会学的サポートを提供する病院の実験プログラムに参加した49人の統合失調症患者を、薬物治療を受ける集団と受けない集団とに無作為に割り付け。退院1年後の再発は、非投薬集団ではわずかに35%であったのに対し、投薬治療を受けた集団では45%であった。また、うつ、感情の鈍化、緩慢な動作に苦しむ患者も投薬治療を受けた集団に多くみられた。

●『薬物を必要としない、もしくは禁忌とする統合失調症患者は存在するか』Rappaport, M. International Pharmacopsychiatry 13 (1978):100-111.
概略:カリフォルニア大学のMaurice Rappaport らが1978年に行った研究。アグニュー州立病院に統合失調症で入院する若年男性患者80人を薬物治療を受ける群と受けない群に無作為に割り付け。退院3年後に再発したのは薬物治療を受けなかった群ではわずかに27%であったのに対し、薬物治療を受けた群では62%であった。中でも注目すべきは、入院中に薬物治療を受けず、退院後も受けなかった患者24人のうち、その後に再発したのはわずか2人であった。研究終了時、この投薬治療を受けなかった患者24人は薬物治療を受けた患者よりも著しく高い機能が見られた。

●『抗精神病薬による維持療法』 Cole, J. American Journal of Psychiatry 132 (1977): 32-6.
概略:米国国立精神保健研究所精神薬理学サービス・センターの元所長、ジョナサン・コールが1977年に行った研究。抗精神病薬が無数の問題の原因であることを考えると「抗精神病薬による維持療法を受ける外来患者全員が、薬剤を使わないという適切な試みをためすベネフィットを与えられてしかるべきであった」と結論。彼が論文につけたタイトルは「悪いのは病気よりもその治療なのか?(Is the Cure Worse than the Disease?)」

●『再発性重症うつ病』‐ Van Scheyen, J. Psychiatry, Neurologia, Neurochirugia 76 (1973):93-112.
概略:オランダ人研究者、J.D. Van Scheyen は、文献レビューと独自の調査研究。「長期計画的抗うつ剤投薬は、ECT治療のあるなしにかかわらず、重症うつ病の再発に矛盾した効果を及ぼしている。言いかえれば、この治療的手段は再発率の増加と、サイクル耐久性の減少に関連する」と結論。同様に抗うつ薬がこの病気の慢性化を引き起こしているとする観察は、他の精神科医の意見にもみられるもの。

●『抑鬱症状のフォローアップ調査』‐ Shea, M. Archives of General Psychiatry 49 (1992):782-87.
概略:NIMH が行った18ヶ月の種類の異なる4タイプの治療法(2タイプの心理療法、抗うつ薬、プラセボ)の比較研究。病初で抗うつ薬治療を受けた患者群の予後が最も悪かったことが研究終了時に判明。

●『抗うつ薬や抗不安薬は気分障害の慢性化を助長するか?』‐ Fava, G. Psychotherapy and Psychosomatics 61 (1994):125-31.
概略:「向精神薬が、少なくともいくつかのケースにおいては、治療対象であるはずの病気の進行を実際は悪化させている可能性があることを議論し、その研究に取りかかるべき時期に来ている」と、ファヴァはこの論文に記す。

●『抗うつ薬ならびに浪費的専門家によるうつ症状と増感の抑制』‐Fava, G. Psychotherapy and Psychosomatics 64 (1995):57-61.
概略:抗うつ薬が短期的にはベネフィットをもたらしうるが、長期的には患者のうつに対する脆弱性を増加させ、うつ病を悪化させる。

●『抗うつ薬の長期使用は抑うつになりうるか』‐El-Mallakh, R. Journal of Clinical Psychiatry 60 (1999):263.
概略:「長期の抗うつ薬使用は抑うつになる可能性がある. . . 抗うつ薬はニューロンのシナプス配線に変更を起こしている可能性があるが、(これは)抗うつ薬を効果のないものにするだけでなく、難治性うつ状態の常在化を引き起こす」とある。

●『大うつ病初回エピソードからの不完全な回復は慢性的経過をたどることへの始まりなのか』‐Judd, L. American Journal of Psychiatry 157 (2000):1501-4
概略:薬剤治療を受ける単極性うつ病患者の3分の2は、抗うつ剤による初期治療に全く反応しないか、ごく部分的にしか反応せず、長期的な経過も良くない。NIMHからの助成金で行われたこの研究では「残存閾値下抑鬱症状を呈する大うつ病エピソードの消失は、それが初回エピソードであっても、のちに重症化して再発を起こし、慢性的経過をたどることになる第一歩であるように思える」と報告。

●『抗うつ薬による治療の公衆衛生への影響』‐ Patten, S. Population Health Metrics 2 (2004):9-16
概略:9,508人のうつ病患者を対象にカナダで行われた研究。うつ状態にあった期間が、投薬を受けた患者では年平均19週間であったのに対し、薬剤を服用しない患者は11週間であった。この研究結果から、「抗うつ薬による治療は、気分障害の長期経過を悪化させる可能性がある」としたジョバンニ・ファヴァの仮説が裏付けられたと結論。


また中山さんの論文には、「統合失調症などの前駆症状とも呼べる幻覚や妄想などの症状 (PLEs; psychotic like experiences)は 10代前半にも認められ、問題行動との関連性が指摘されている(西田, 2007)」とされていますが、西田らの言うPLEsは非常に科学的根拠に乏しいことがその倫理的問題を含めて『「統合失調症の予防的介入に関する倫理的問題」-山崎真也』に詳しく解説されているとおりです。 また、PLEsのような前駆器症状が認められた症例のうち、実際発症に至るのはそのうちほんの数パーセントでしかない」ことは、専門家が集う米国統合失調症フォーラム(10人に一人以下という意見が大勢)でも指摘され、前述DSM-Ⅳの編集委員会議長も、この西田らが支持するマクゴーリの予防的早期介入に対し、「早期介入は90パーセント以上の偽陽性率でるにもかかわらず、精神疾患のレッテルを張られることによるスティグマと、処方される非常に強い抗精神病薬による健康被害を子供たちにもたらし、益となるよりもはるかに害をなすものである」と強い警鐘を鳴らしていらっしゃいます。

また、笠医師は、この西田らの「早期介入プロジェクト」を、その原発推進と同様の産官学癒着構造に例えて「早期介入狂信カルト」と評され、「カルトの念仏」、「何が、DUPじゃ・・特に、15歳以前の子供に診断を付け、抗精神病薬を処方するのは、無能精神科医集団には、禁忌と言っても良い」「早期介入・・胡散臭い空気を読もう 診断も治療も、幼稚園のままごとレベル」「出たぁ、出ました・・まぬけセンター・・早期介入予後不良「思春期こころの外来」みたいなもんをやって、子供を集め、統合失調症の「前駆症状」を追いかけている。前駆期が短いと、予後が良くなる・・というのも迷信。お前らの腕じゃ、どっちみち同じじゃ。統失なら、前駆期の多少は無関係・・。テキトーな話をでっち上げるのも、東電と一緒じゃ!」「しつこくしつこく早期介入批判」「お尋ねモノの秘密結社 誤診を垂れ流す有名ブラック医者たち。全精連、やどかり、偽装倒産の全家連の残党ども・・松沢、東大、慶応・・旧梅が丘の市川、ラスプーチン大野裕・・静岡まぬけセンター、浅井、成田日赤・・もちろん、西田が居る・・」など、大きな危機感・警戒感を持って厳しく批判されております。

中山さんは三重県で行われた西田らの「平成 20年厚生労働省ここの科学研究事業」も引用されていますが、笠医師のもとにはこの研究が行われた「こころのセンター」などを受診し誤診された子供の親からも相談があり、笠医師の指導のもと減薬→断薬、現在は元気に回復されたとの報告が親から届いているとの報告もあります。

中山さんの論文は、このようにスピンされた御用学者らの引用を多用し、その論文だけを根拠に、あたかも早期介入は精神疾患/障害を予防あるいは軽症化すると事実のように書かれていますが、実際にはこのように反証・反論の多い分野であり、卒論作成時点以前においてですら、すでにタイム誌が「世界の度肝を抜いた精神科医療の早期介入実験」と報じ、医学論文を検索すれば早期介入の倫理性を問う論文がいくつも見つかったはずのものであり、早期介入をテーマとするなら、一方でその問題点を多少なりとも論考する必要があったでしょう。

その意味においては、私はこれを書いた学生のみならず、指導教官(本間友巳、花田里欧子両氏)にも責任の一端があるように思います。
学生が引用する論文内容の評価、方向性、また学校教育の一つとしてふさわしい研究内容かどうかの評価は当然行われたでしょうに。

笠医師の「セカンドオピニオン」では、統合失調症の誤診率92.3% (この数字はDSM-?の編集委員会議長 Allen Frances 氏 の予想とほぼ同じ)、うつ病99%、そして「多剤大量処方は日本のお家芸」といわれる精神医療の世界に、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーそして学校の先生が、実際には受診すら必要ではなかった子供や若者を率先して大量に送り込み、結果多くの子供たちに無益な治療を施す可能性を広げることにもなりかねないことをこの学生は認識しておらず、それに関する指導もなかったことは非常に悔やまれるものです。

「教師に精神疾患(病名・症状)の理解が乏しい。啓蒙が必要だ」ともこの論文は訴えていますが、その定義を決めたDSM-?の編集委員会議長 Allen Frances 氏は、“there is no definition of a mental disorder. It’s bullshit. I mean, you just can’t define it.”「(各種)精神障害の定義など存在しない。そんなものはクソだ。精神障害の定義などできないということだ”と一刀両断にしています。ビジネス戦略にまんまと乗せられ、気付けば教師が製薬企業の最前線営業マンになっていたというのではなく、教育者が一番に理解すべきはこの点ではないでしょうか。

中山論文では「相談リソースの利用」などともいわれておりますが、児童相談書にしても施設にしても、措置されている多くの子供達や実親達が向精神薬の薬漬けになっている事実を認識していません。

アメリカでもイギリスでもオーストラリアでも、そうした施設・里親の子供が向精神薬の薬漬けにされていることは、すでに多くのメディアの報じるところです。(もちろん中山論文が作成される以前からありました)

確かに精神科などの医療介入が功を奏する稀なケースもあるのでしょうが、本来学校は教育をもって「生きることを支援する場」であるはずです。その学校という場が、生きずらい特性を備えた子供や若者をあぶり出し、「精神疾患」の名のもとに葬り去る場となる可能性を、この修士論文は無視しています。

隔離収容、薬漬け、虐待という基本的問題も未処理である精神医療界に、学校が率先して子供を送り込むことが社会に与えるインパクトを熟慮してください。

「こころ」をエネルギーに例えるならば、産官学業報が推進し、日本を崩壊の一歩手前にまで導いた原子力のような精神科薬剤ではなく、真剣に人の心に向き合う自然・再生エネルギーこそが必要です。

その自然・再生エネルギーを担うのは、家庭・教育者・臨床心理士であろうと考えています。

しかし一方で世界の臨床心理士との比較において、日本の臨床心理士は「中途半端で心理療法もでききず、できるのは評価(アセスメント)と傾聴のみ」との批判もあります。

教育大学においては、こうした中山論文に見られるような製薬企業の神輿にかつがれた日本の精神医学界に迎合することなく、こころの「自然・再生エネルギー」となる教育者、相談者の育成に努めてくださいますよう、心からお願い申し上げます。

2011年7月1日



「早期介入」- オーストラリアの無謀なる人体実験

『精神科医のバイブル』とも称されるDSM (精神疾患の分類と診断の手引)
その第4版で編集委員会議長を務めた医学博士、アラン・フランセス氏 (Allen Frances, M.D. )からの、日本がモデルとするオーストラリア「早期介入 (相談・支援・治療) への警鐘
-----------
「早期介入」- オーストラリアの無謀なる人体実験
有益どころか有害な予防


Australia's Reckless Experiment In Early Interventionprevention that will do more harm than good
Published on May 31, 2011 by Allen J. Frances, M.D. in DSM5 in Distress

今やヒーロー的存在となったカリスマ精神科医、パトリック・マクゴーリ (Patrick McGorry)。 オーストラリアの"マン・オブ・ザ・イヤー"にも選ばれた彼は、5年間で4億ドル以上もの資金を政府に拠出させ、彼が推進する早期精神病予防介入センター (Early Psychosis Prevention and Intervention Centres = EPPIC ) を全国に拡大させようとしている。どうやらマクゴーリには予言者のごとく未来が見えるようだが、予防精神医学なる"ハーメルンの笛吹き" (言葉巧みに無責任な約束をする) である。 彼が目指すのは、予想される最悪の状態になる前に精神疾患を早期に診断、治療するというものである。

このマクゴーリの目標それ自体は立派である。しかしこれまでの業績をみる限り、現状では不可能なことであり、オーストラリアの計画は明らかに時期尚早なものである。 精神病予防のための早期介入には、誰が精神疾患を将来発病し、誰が発病しないかを見極める正確なツールが必要である。しかし残念ながらそんな正確なツールなど、どこにも存在しないのだ。「前-精神病 (prepsychosis)」を選択する際の偽陽性率は、たとえ最高の技術を持った専門医が行っても約60~70%であり、普通の医師なら90%にも上る。 れは事実なのである。10人のうち9人までもが誤って精神疾患とされてしまうのだ。 とうてい容認できる割合ではないだろう。

ではそれに対する代償はどうか。
マクゴーリは彼の一般的予防法として抗精神病薬投与を勧めているわけではないとする。 しかし、効果の立証がない一方で大幅な体重増加 (またその結果としての重篤な幾多の合併症合併症)を引き起こすリスクがありながら、抗精神病薬が過剰に投与されることになることは、経験上から分かることである。 誤診によって生じる不要なスティグマに苦悩し、不必要かつ的外れな治療を受けることにもなる。また、4億ドルもの金を使うのであれば、治療可能な現実の精神疾患を対象としたメンタルヘルスのニーズに応える方が、はるかに建設的でもある。

残念ながらマクゴーリは、少なくともこれから数10年先にならないと起こりえないことが、間違って今に見えてしまっている偽予言者である。彼のこうした非現実的な希望によって道を踏み外してしまったオーストラリアは、国民を対象とした未検証かつ大規模な人体実験に乗り出そうとしており、予防になるどころか子供たちに害を及ぼすことになるのはほぼ間違いのないことだ。このような軽率かつ向う見ずなことに猛進する前に、以下の研究を段階を踏んで行う必要がある。

1) 「精神病リスク」というものの、実績と信頼性のある定義とはどういうものか

2) 現在の途方もない高偽陽性率を、許容しうるレベルにまで下げることができる定義とその運用方の研究

3) 「早期介入」が精神病予防に本当に効果があるかどうかの確かな証明

4) 抗精神病薬の推定使用率と、それが早期介入のリスク/ベネフィットのバランスシートに全体的としてどのような影響を及ぼすかの判定

5) 早期診断がスティグマや自己認識に及ぼしうるメリット・デメリットの研究

6) 将来起こる障害を予防するという真偽の疑わしいものに支出される金額と、すでに明確な疾患治療に使われる額の限界効用の比較

こうしたことの研究事業には、世界中のいくつものグループと、数十年もの期間を要する。

おそらくは失敗に終わると思われるようなことに4億ドルもの大金をつぎ込むというのであれば、それでも必ず必要な研究なのだ。このオーストラリアの実験は、目隠しをして飛行機を操縦するようなもので、本来は離陸すべきものではなかったもの。 可能性の低い未熟な予防を施すようでは、「予防」の名もすたれよう。マクゴーリの意図は明らかに崇高なものだろう。しかしそれはドンキホーテと同種のものである。優しいナイトの非現実的な善意と見当違いの介入が、いたるところで大惨事と混乱を引き起こしたのと同じだ。 残念だが、子供たちを守りたいというオーストラリアの強い意図とは裏腹に、子供たちを大きなリスクに曝すことになるだろう。マクゴーリのビジョンには喝采を送りたいが、盲目的に彼に追従し、未知なる危険領域に入るのはいただけない。
-----------

現在オーストラリアでは西オーストラリアの国会議員も追及に加わって、マクゴーリと製薬企業との癒着、データの捏造問題、抗精神病薬の多処方がマスコミでも取り上げられ大論争となっているが、日本では例によってマスコミがほとんど沈黙し、この精神医療早期介入があまりにも無批判に受け入れられてしまっている構造は、福島原発問題と同じものである。

社会学の見地からもその倫理性が疑われる早期介入に対し、口の悪さは天下一品、それでも言葉の端々に人間の暖かさを感じる愛媛の笠先生は・・・
 
-----------

出たぁ、出ました・・まぬけセンター・・早期介入予後不良

青板時代に、ここぐらい誤診率の高い病院は無い・・と思っていた。
診断も処方も無茶苦茶で・・しぞーかメンバーのセカンドが殺到した。

世に、T大症候群というのがあって、
思春期に、軽い不安定があって受診すると、
薬剤テンコ盛りになって帰って来る。

東北大、東大、東邦大、富山大・・
それらのホームページを見ると、
こぞって「思春期こころの外来」みたいなもんをやって、
子供を集め、統合失調症の「前駆症状」を追いかけている。

なるほど、被害者が出るはずである。
大学以外でも、長崎大村共立、東京梅が丘、三重総合心療センターひなが・・
などからの悲鳴が多かった。

県立は、どこも似たり寄ったりだが、
静岡までが、参入しているとは知らなんだ・・。
色々書いてあるが、統失の前駆期には到底思えない(思春期にはありがちな事象)。
こうやって、統失診断がなされ、子供が被害者になっていく。

前駆期が短いと、予後が良くなる・・というのも迷信。
お前らの腕じゃ、どっちみち同じじゃ。
統失なら、前駆期の多少は、無関係・・。
テキトーな話をでっち上げるのも、東電と一緒じゃ!

予後が・・予後が・・とわめいているが、
ここへ行けば、みんな予後が悪くなる。
無能集団なら無能集団らしく、分際をわきまえて・・おとなしくしとってくれ!!
-----------

「トーシツ以外の診断なし」と笠医師のページにも登場する松沢病院の岡崎院長が、三重県津市の豊里中学校(他1校)をモデル校に「早期介入研究」を行う三重県立こころの医療センター (ユース・メンタルサポートセンターMIE / YMSC-MIE) の広報誌には、「英国式アウトリーチに学ぶ」というのがある。

既に子供たちが精神科の薬漬けにされ、抗ウツ剤の副作用で子どもの自殺が相次ぎ、ソーシャルワーカーと精神科医、そして施設の利権が絡んで、向精神薬を子供に飲ませることを拒んだというだけで親権を剥奪される問題も起こり、精神科アウトリーチそのものが存亡の危機にあることを学んだのかと思いきや、なんと「精神疾患発症時点から訪問支援がスター卜・・・カウンセリング・薬物治療・家族支援など日本では病院で提供されているサーピスを地域で受ける」とあり、かかりつけ医との連携が謳われている。

また、「地域資源(作業所・授産施設・ヘルバーによる各種支援・行政・福祉・配食サーピスなど)を利用し多職種が連携 (看護師:木高広美)」、「こちらから出かけて相談活動…通院が途絶えてしまった際にも…治療継続 (PSW:中山愛美)」

つまり、ただ行政に相談を持ちかけただけで精神科受診を促され、薬物投与、一度捕まえた患者は手放さず、開業医や施設で患者/医療ロンダリング・・・というまさにお決まりのコース。

公立の病院に赤字が目立ち、抗精神病薬が売り上げの上位を占める製薬企業から病院での治験やこうしたセンターの設立をとおして自治体にカネが入るからと言って、子供や若者まで欺瞞にあふれた甘い言葉で誘い出し、犠牲にしようとするのは、あまりにやりすぎではないか。
 
放射能どころではない。
全国の子供や若者が精神医療の安定顧客として取り込まれ、依存性の高い向精神薬の薬漬けになる。

こうした看護師にしてもPSW にしても、自分がその手で薬を手渡し、自分が精神科受診を勧めた患者が、急激に肥っていく、入退院を繰り返してどんどん悪化する、どんどん病名が変わって薬の量が増える、そしてある日突然不審な死を遂げる、自殺する・・そういうことを日々目の当たりにしているはずである。

「医療介入がないほうが転帰が良い」
「精神科の薬物治療は脳を破壊する」
「早期介入はベネフィットよりもリスクの方が大きい」
「精神分裂症 (統合失調症) が増加しているわけではないのに子供に処方される薬剤の消費だけが急増している」

そういう医学論文や批判が多数あることを知っているはずの「専門職」である。もし知らないというのであれば専門職を名乗る資格はないのだ。
また、ほんの5分ほどインターネット検索するだけで、精神科医療の犠牲になったサバイバーたちの声が、あちらこちらに見つかるはずだ。

にもかかわらず、教科書通りの能書きだけを垂れ流し、恐怖を煽っておいしそうな餌を目の前にぶら下げる姿勢には、政府・官僚・行政やマクゴーリなどの製薬企業癒着学者同様、人間として基本的に欠落したものが彼・彼女らにもあるのではないか。


『まだもう少し死なない予定なので、中間…としておこう。
来年になれば、医者になって40年...。
ということは、少なくとも4分の3以上は、無自覚に誤診悪処方を垂れ流して来たことになる。
自分の作って来た誤診被害者の怨念が、幻聴のように聞こえて、多分死ぬまで消えることは無い。
贖罪の旅も、あまりに時間が残されていない。焦っても仕方が無いが、焦っている。

絶望的な誤診の闇の深さ、苦しむ人たちの日々の労苦...
今まで何も見えていなかった...そんな自分への悔恨!
頑ななだけの硬直化した精神医療業界への怒り!
今、改めて自分に何が出来るのか?焦るだけで先が見えない。』


これが精神医療に従事し。患者の行く末を見てきたごく普通の人間が持つ懺悔の感覚だろう。

「出生前診断で、男女の生み分けが進み、障害児の抹殺が行われる。就学時検診で、普通学級、特殊学級、特殊学校への振り分けが強制される。思春期に、スクールカウンセラーによって、メンタルヘルスをチェックされ、あやしいと見なされれば、精神科医の早期介入を受ける。大学でも、同様の検診網は進んでいるし、「病名」がつけば、やんわりと淘汰される。そして、企業に巣食う産業医は、異質な会社員をあぶり出し、メンタルヘルスの名の下に、巧妙にやめさせるのが、主要な仕事となっている。これは、優秀な「種」を保存しようとしたナチスの優生思想そのものであり、社会の多様さこそ、健全なもの・・とする当たり前の思想を、真っ向から踏みにじるものである。」

この笠医師の意見には、精神医学のあらゆる真理が含まれている。

ソーシャルワーカーやカウンセラーとしてただ無批判に精神科医と「協働」するだけの精神保健福祉士、そして「中途半端で認知行動療法はおろか何もできない」日本の臨床心理士などとは違い、「イギリス式アウトリーチ」を生み出したルーツは、人間行動をコントロールする洗脳的手法を非常に高い技術で研究していた『タビストック・クリニック』という米CIAと深いつながをもつ機関にある。ナチスに資金を提供し、統合失調症患者を大量虐殺したのも、このタビストック・クリニックを設立したユダヤ財閥である。

そして彼らがつけ込むのは人間の利己主義性

国民や国土を放射能で汚し、日本を崩壊寸前にまで追いやった原発利権構造を生んだものと同じである。

「お電話一本でお伺い、「それでは一度精神科を受診してみてはどうですか」→薬漬け/電気ショック=早期介入」

彼ら、製薬企業がバックアップする「早期介入」を唱えるものに、薬物と電気ショック以外は何もない。

巧妙に粉飾された「アウシュビッツ (人体実験)」の再来である。

米障害児早期介入/支援(SSI)の崩壊と、メンタルヘルス・カウンセラーの視点

New_Welfare.jpg

THE BOSTON GLOBE 紙 (電子版)

“The Other Welfare”
『もうひとつの福祉』 - ボストングローブ紙

本来は主に重い身体障害のある子供向けに作られたはずの追加保障所得(SSI)プログラム。
それが今、行動、学習、精神障害のある貧困家庭の児童を対象に、連邦政府から100億ドルの手当が支給され、就学前児童が発話の遅れやうつ病などを理由に支給対象とされるなど、若年層化も進んでいる。
受給資格を得るのはそう簡単ではない。子供が向精神薬を服用していることが不可欠であると信じる親も多い。
しかし、いったん受給すると、その魅力から抜け出すのは容易なことではない。
また当局が子供の改善状況を調査することもないのが現状だ。


Day 1-障害児プログラムにおける厳しい選択
Day 2-支援が生んだ予期せぬ副作用
Day 3-アルバイト、それとも家計・・子供のジレンマ

連邦による100億ドルの貧困家庭児童向け障害者プログラムが本体の目的から大きく逸脱したものになってしまっていることが、ボストングローブ紙の調査で判明した。
現在、このプログラムは代替福祉制度へと急速に姿を変えつつあり、そこには向精神薬を子供に服用せざるをえなくなるなど、経済的な誘因がある。
その認定理由となっている一番のカテゴリーが、ADHD (注意欠陥過活動性多動性障害)である。

概略(抄訳)
16歳でシングルマザーとなったジェニバ・フィールディングさん。3人の子供の養育は経済的に大きな負担。 数年前からSSI という制度があることを近所の人から聞かされていたが、それには障害児であることが条件。そしてADHDなどの精神障害の場合には向精神薬を服用していないと資格がもらえない。しかしそういう薬を服用する子供を多く見てきたフィールディングさんには、いかに生活が苦しくても、また医者が自分の子供たちに「反抗的行為障害」「うつ病」「ADHD」などの名前を付けても、SSI を申請する気にはなれなかった。だが増える一方の借金。友人の「試してみたら?」の言葉に後押しされ、ついに申請に踏み切る。

二人の息子で申請したところ、申請は拒否。二人とも薬を服用していなかった。そこで去年、学校の先生から10歳になる3番目の子供に衝動性の薬を飲ませるようにと説得され、申請の結果、何週間も待たないうちに受理の通知が届いた。

「結局手当をもらうには子供に薬を飲ませないとだめなのよ」と、フィールディングさん。

もちろんフィールディングさんのこの行為は決して違法ではない。障害児支援というSSI プログラム本来の目的からは大きく逸れ、子供に向精神薬という非常に有害な薬を飲まさざるをえない福祉制度に変わってしまっている一例である。

今回ボストングローブ紙が行った調査でわかったことは、こうして月700ドルという手当 (大半の家庭にとっては月収の半分以上を占める) が支給されるSSIの恩恵を受ける家庭にとっては、もはやそれを手放せない。しかしそこにはいくつもの問題もある。

SSI有資格者にはメディケイド(医療保険)が自動的に与えられ、医療費は無料である。子供がいつまでも「精神障害児」でいることを家族が望む結果となる。
症状の改善などは無関係。ただし子供たちが職に就くことは許されない。就職と同時にSSIの資格を失うからだ。

将来日本でアニメーターとして働くのが夢と語るビアンカ・マルティネスさん(15歳)は、周囲の仲間と同じようにアルバイトをすることができない。収入があると補助が打ち切られるからだ。ADHDとうつ病で自分がプログラムから受け取る月600ドルが家計を支えていることを知っている。

ボストングローブ紙が入手した連邦政府の統計が示すSSI 有資格者に占める精神障害児の割合の急増は、衝撃的なものだ。昨年SSIの恩恵を受けた120万人の低所得家族の子供のうち、53パーセント、つまり64万人が精神・学習・行動障害児とされていた。1990年にはわずか8パーセントに過ぎなかった障害だ。その内訳は、ADHD、幼児の言語遅滞、自閉症のスペクトラム障害、双極性障害、うつ病、そして学習障害の順。

こうしたSSIの変貌を、障害者やメンタルヘルス支援団体の勝利ととらえる向きもある。脳性麻痺やダウン症と同じように、うつ病やADHDを援助すべきだという意見だ。しかし、「ほんの数年前には子供が双極性障害などという診断を受けることもなかった。それが今はどうだ。私たちが扱う相手も症状もすっかりかわってしまっている。世の中が変わってしまった」と語る社会保障局幹部、デビッド・ラストのような意見も多い。

こうしたSSIプログラムを受ける子供たちには、3年に一度、医療機関による見直しが行われ、症状の改善などをチェックする規則になっている。しかし、2000年から2008年にチェックを受けた子供の数は平均10パーセント。2007年と2008年にはわずか1パーセント未満。2009年、2010年も同程度になる見通しだ。
    ---------------------
Disability system’s other recipient

“Disability system’s other recipient: drug firms”
『障害者制度、そのもうひとつの受益者-製薬企業』
ボストングローブ紙

貴紙3部シリーズの記事は、障害者制度の崩壊と現代の低所得者層が抱える難しい選択を顕在化させるものですが、この制度の最大の受益者、つまり製薬企業については述べられていません。

過剰処方される精神科薬剤、つまり科学的に問題が多いながらも、巧妙な宣伝活動を通じ、組織的販売促進戦略によって売られている薬を、政府補助金で賄われるメディケイド(医療保険)が買うことで数千億ドルもの利益を上げているのは製薬企業。

製薬企業が生物学的精神医学分野と連携し、ADHD、双極性障害、抑鬱障害などの薬のために巨大マーケットを創り出している。これらの薬剤は精神障害の治療薬として売り込まれてはいるものの、その危険な副作用や長期結果は実際より少なく報告されている。また抗精神病薬は、治療対象であるはずの精神障害そのものを引き起こし、また症状を長引かせることすらある。

障害者給付金を必要とし、支給されることに値する人は多い。しかし悲しいことではあるが、今のこの絶望的な経済状態にある社会においては、精神科のラベルを甘んじて受け入れ、危険な薬を服用し、生涯にわたって障害者として制限された人生を送らざるを得ない貧しい人たちが多いのも事実である。残念ながら今回のグローブ氏の記事は、正しく機能していない障害者制度を利用する貧困層の方に焦点を当てているが、その根底にあるアメリカの不正と、「もう一つの福祉」を煽る本当の勢力についての記述が欠けている。

筆者:
リチャード D. ルイス
マリオン

ニューベッドフォード 有資格メンタルヘルス・カウンセラー


    ---------------------


「製薬企業が患者団体を裏で操って国に圧力をかけさせ、薬を承認させる、あるいは補助金を出させる」という製薬企業の常套手段がつづられた公文書が、先日ウィキリークスでも暴露されたばかり。

“WikiLeaks: Drug firms tried to ditch Clark”
By David Fisher and Jonathan Milne
5:30 AM Sunday Dec 19, 2010

『ウィキリークス:製薬企業による厚生相 (健康相)の厄介払いを暴露』
ニュージーランド・ヘラルド紙 (NZ HERALD)

ウィキリークスの25万語に及ぶ極秘通信文をHerald on Sunday 紙の上級スタッフ、デイビッド・フィッシャー (David Fisher) とジョナサン・ミルネ (Jonathan Milne) が入手した。この膨大な文書に困惑する政治家が今後出てくるだろうが、国家安全保障にも関わる重大な問題が提起されている。 2,3日中には本紙ウエブサイト (nzherald.co.nz) に全通信文をアップロード予定。

今回リークされたアメリカ外交公電によると、当時健康大臣であったヘレン・クラークを製薬企業が排除しようとしていた。

また、大製薬企業のひとつは、ニュージーランド政府の薬剤購入制限規則に強い反発を見せ、米国との自由貿易協定締結に反対するようロビー活動をしていたことが記されている。

製薬業界がニュージーランド政府内部にけん引力を求めることに奮闘していた詳細が、ウィキリークスが入手し、今回暴露した外交通信文の中に隠れていた。

これらの通信文は、ニュージーランドに対して薬価政策の見直しを迫る製薬企業側の戦略変更を明らかにするもの。

政府に対する直接的なロビー活動に代え、承認されていないために使えない薬の情報を患者団体に提供することで、患者扇動作戦に切り替わったことが、米大使側に伝えられていた。本文には、「ニュージーランド人を教育する」としている。

また、ファイザー社は、ニュージーランド政府が薬価政策を変更するまでは何があっても「自由貿易交渉には反対する」とも記されている。

また通信文では、製薬企業と、クラーク、アネット・キング健康大臣との間に緊張があったことも強調。

「当時の健康大臣であったクラークを大臣の席から退かせようとして失敗したことに対し、製薬産業は代価を支払うことになるだろう」と記している。

ニュージーランド医薬品局の最高経営責任者、デニスウッド氏はきのう、この緊張は政府の「新たな人事」によって緩和されたと談話を発表。6年前から製薬産業はすでに変わったとした。


問題とされる外交通信文 (一部抜粋)
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=10695113

December 15, 2004
SUBJECT: NEW ZEALAND'S PHARMACEUTICAL MARKET: NO QUICK FIX

Classified by: DCM David R. Burnett. Reasons: 1.4 (b) and (d).

1. (SBU) Summary: After trying in vain for years to persuade the New Zealand government to change its restrictive pricing policies on pharmaceuticals, the drug industry is taking another tack: reaching out to patient groups with information designed to bolster their demands for cutting-edge drugs not already covered by government subsidy. Several U.S. drug companies also hold out hope that a New Zealand-U.S.free-trade agreement could be a lever for improving their access to New Zealand's pharmaceutical market.


『製薬市場に手っ取り早い解決策はない』
2004年12月15日

製薬産業界は制限的薬価政策の見直しをニュージーランド政府に求めているがうまくいかないため、他の戦略をとる予定。患者団体に手を伸ばし、政府補助金の未対象となっている最新薬剤に対して患者の要求が高まるような情報を提供する。アメリカとニュージーランドの自由貿易協定が、ニュージーランドの製薬市場へのアクセス改善のためのテコ入れになるのではないかとの見方も、一部製薬企業にある。

------

気に入らなければ担当大臣(日本では厚労相)の首をすげ替え、患者団体を煽って新薬を承認させる・・・。

こうした製薬企業の『商い習慣』が大問題となり、日常的にマスコミに取り上げられる欧米とはちがって、どうも日本人、特に医療従事者やメンタルヘルスカウンセラーは、あまりに「脳天気」でいけません。

子供や若者を向精神薬漬けにしようという「早期介入」「早期支援」にしても、もちろん製薬企業が裏で手を回し、国に圧力をかけてのもの。

それを、早期介入によって「未治療期間」を短くし、「予防のために子供に向精神薬を飲ませる」とする客寄せパンダ学者の言うことを真に受けた教育者、医療従事者、スクールカウンセラーなどのなんとも多いこと・・・。

子供の頃からワクチン漬け、薬漬けで、ほとんどシャブ中のアメリカ人児童。

日本の子供たちを守るはずの者たちが、実は最前線で子供をアメリカ同様の危機状態に曝しているという皮肉。

もちろんこれは製薬会社や精神医療単独でできることではない。政府(厚労省・文科省)がグルでなければ不可能なこと。
それがこの大使館公電でも示だれている。

「子ども手当」の陰に隠れて・・・。

    ---------------------

original text

The Supplemental Security Income (SSI) program for children was created mainly for those with severe physical disabilities. But the $10 billion in federal benefit checks now goes primarily to indigent children with behavioral, learning and mental conditions. Qualifying is not always easy -- many applicants believe it is essential that a child needs to be on psychotropic drugs to qualify. But once enrolled, there is little incentive to get off. And officials rarely check to see if the children are getting better.

story
Cash and hard choices in disability program for children

A Boston Globe investigation finds that a $10 billion, federal disability program for indigent children has gone seriously astray. It is now a fast-growing alternative welfare system with troubling incentives - such as financial reasons to take psychotropic drugs. The top category for approvals is ADHD.

A legacy of unintended side effects

Geneva Fielding, a single mother since age 16, has struggled to raise her three energetic boys in the housing projects of Roxbury. Nothing has come easily, least of all money.

Even so, she resisted some years back when neighbors told her about a federal program called SSI that could pay her thousands of dollars a year. The benefit was a lot like welfare, better in many ways, but it came with a catch: To qualify, a child had to be disabled. And if the disability was mental or behavioral — something like ADHD — the child pretty much had to be taking psychotropic drugs.

Fielding never liked the sound of that. She had long believed too many children take such medications, and she avoided them, even as clinicians were putting names to her boys’ troubles: oppositional defiant disorder, depression, ADHD. But then, as bills mounted, friends nudged her about SSI: “Go try.’’

Eventually she did, putting in applications for her two older sons. Neither was on medications; both were rejected. Then last year, school officials persuaded her to let her 10-year-old try a drug for his impulsiveness. Within weeks, his SSI application was approved.

“To get the check,’’ Fielding, 34, has concluded with regret, “you’ve got to medicate the child.’’

There is nothing illegal about what Fielding did — and a lot that is perhaps understandable for a mother in her plight. But her worries and her experience capture, in one case, how this little-scrutinized $10 billion federal disability program has gone seriously astray, becoming an alternative welfare system with troubling built-in incentives that risk harm to children.

A Globe investigation has found that this Supplemental Security Income program — created by Congress primarily to aid indigent children with severe physical disabilities such as cerebral palsy, Down syndrome, and blindness — now largely serves children with relatively common mental, learning, and behavioral disorders such as ADHD. It has also created, for many needy parents, a financial motive to seek prescriptions for powerful drugs for their children.

And once a family gets on SSI, it can be very hard to let go. The attraction of up to $700 a month in payments, and the near-automatic Medicaid coverage
that comes with SSI approval, leads some families to count on a child’s remaining classified as disabled, even as his or her condition may be improving. It also leads many teenage beneficiaries to avoid steps — like taking a job — that might jeopardize the disability check.

The latest federal statistics, obtained by the Globe through a public records request, show a stunning rise over the past two decades in the number of children who qualify for SSI because of a variety of mental disabilities.Continued...

story
Benefit increasingly goes to the very young
Preschoolers are the fastest-growing age group qualifying for a federal disability program, largely because of a 12-fold spike in cases of speech delay. The government is aggressively trying to help these young children, but spends little time to see if they're getting any better.

A coveted benefit, a failure to follow up

As federal disability aid for poor children increasingly targets the very young, required case reviews to ensure the help is necessary or appropriate have dwindled to an alarming degree

HOLYOKE — Her toddler was adorable and rambunctious, but his vocabulary was limited to “Mommy’’ and “that,’’ while other children his age knew dozens of words. When little Alfonso tried a full sentence it came out in a swirl of sounds, often followed by a major league tantrum when he realized he was not understood. And so his mother, Roxanne Roman, was not surprised when the 18-month-old was diagnosed by a specialist with speech delay.

It came as a shock, however, when she learned from relatives that Alfonso’s problem might qualify him for thousands of dollars in yearly disability payments through the federal Supplemental Security Income program. For Roman, pregnant with her second child at age 17 and living at her mother’s, the extra income was attractive. She wanted to rent her own place.

Within three months, the boy’s application was approved. Alfonso receives $700 in monthly cash benefits, plus free government-paid medical coverage. Roman said her relatives told her she can pretty much count on the disability checks for Alfonso, now 5, to keep arriving in the mailbox for the rest of his childhood.

“They don’t ask many questions about the child once you’re approved,’’ Roman said.

Alfonso is part of the wave of very young children swelling the ranks of this $10 billion disability program — once primarily for those with severe physical disabilities but now dominated by children with behavioral, learning, and mental disorders. Children under 5 are the fastest-growing age group qualifying for SSI benefits, representing four of every 10 new cases, according to data obtained from the Social Security Administration, which runs the program.

Driving much of that growth is the twelvefold spike since 1997 of children approved based on a primary diagnosis of delayed speech, a sometimes persistent but more often short-lived affliction that starts in toddlerhood.

It is a program with the idealistic goal of helping needy families with disabled children, part of the federal government’s broader drive to intervene early in such cases. But a Globe review has found that while SSI provides a coveted financial benefit for growing numbers of the very young children, it largely fails to monitor their progress or to guide out of the disability system those whose condition has improved.

Government data show that Social Security officials have, over the past decade, fallen far short when it comes to conducting the regular case reviews required by statute. A typical SSI disability case is supposed to get a full medical review every three years, but from 2000 to 2008 the agency examined, on average, only 10 percent of the children on SSI.

In both 2007 and 2008, the review rate dropped below 1 percent, and preliminary data suggest the record for the last two years is just as low. In fact, a Social Security study of children receiving SSI until age 18 found that some 40 percent never had even one disability reevaluation during their childhood years.Continued...

story
For teenagers, a difficult balancing act
Many teenagers in this federal disability program dream of fulfilling careers and adult lives free of government dependency. But for now, they decline part-time jobs, largely because they fear working will jeopardize their disability checks. Their families are poor and need the money.

A cruel dilemma for those on the cusp of adult life

Many teenage recipients of federal disability benefits say they feel pressure to avoid work, not wanting to raise doubts about their status and jeopardize vital family income

HOLYOKE — Bianca Martinez is 15 and has a dream, to work someday as an animation artist, preferably in Japan, a country she has been fixated on for years.

But for now the idea of getting any kind of paid job, even at the Holyoke Mall, where many of her teenage friends work, worries her because of what she might lose: Her $600-a-month federal disability check, which represents more than half her family’s income.

“That’s why I’m not working this summer,’’ said Martinez, a freshman at Holyoke High School who is being treated for ADHD and depression. “If I work and I get a certain amount, then they’ll take money away from my mom. She needs it. I don’t want my mom’s money to go down.’’

Tens of thousands of teenagers who receive disability checks through the $10 billion federal Supplemental Security Income face this same painful dilemma:
They are old enough to accept part-time jobs, but they worry that the extra income will be detected by the government and cause their benefits to be docked or terminated. In many cases, their indigent families have depended on the income for years.

This is, a Globe review has found, another disturbing unintended side effect of a program built on good intentions — targeting aid to the disabled children of America’s poorest households. Teens whose diagnosis has meant vital income for their families feel pressure to stay away from work — even if they are capable of being employed — and rue missing out on a vital part of growing up, the proving ground for the adult workplace.

It is a problem the Social Security Administration, which runs SSI, is concerned about but does not know how to resolve. And it is a problem that many of the dozens of poor families interviewed by the Globe are remarkably candid about, even as it pains them to speak of it.

Milly Cruz, Bianca’s mother, was laid off earlier this year from her job as a special education aide. She acknowledged that Bianca’s benefit, in addition to her oldest daughter’s $500-a-month SSI check for ADHD and speech delays, has sustained the family for more than a decade. She is not happy about it, but she also does not see an easy way out.

“It makes me sad that my daughter worries about me and the income, the SSI check,’’ she said while sitting in her daughter’s bedroom, filled with Japanese artwork. “She’s got enough issues. She shouldn’t have to worry about the budget in the family, or my income problems.’’

According to Social Security Administration rules, a teenager’s first $85 a month in earned income can be kept without affecting SSI benefits; beyond that, however, the federal agency deducts $1 for every $2 earned, which many teens see as a virtual 50 percent tax rate. If a family’s total household income passes certain thresholds, SSI checks can be cut off entirely. Such Social Security scrutiny, triggered by income, can also lead to a more serious consequence: a determination that a teen is no longer disabled at all.Continued...

--------
WHILE YOUR three-part series exposed a broken disability system and the difficult choices being made by today’s underclass, it did not mention the biggest welfare recipient of them all - the pharmaceutical corporations.
They make hundreds of billions of dollars with government-subsidized Medicaid insurance buying their overprescribed psychiatric medications - drugs that are systematically promoted through sophisticated, but scientifically disputable, public relations campaigns.

Corporations work with the field of biological psychiatry to create huge markets for their medications for ADHD and bipolar and depressive disorders.
While these medications are hyped as being a cure for mental disorders, their dangerous side effects and long-term consequences are underreported.
Sometimes they can even create or perpetuate the very mental disorders that they are supposed to cure.

Many people need and deserve disability payments.
However, it is a sad commentary on this society that, in order to survive in this desperate economy, many poor people feel forced to accept the terrible option of receiving a psychiatric label, taking potentially dangerous psychiatric medications, or accepting the limitations of a lifetime of diability checks.
Unfortunately, the Globe series focused more on the poor for taking advantage of a poorly run disability system than on the underlying injustices in America and the real forces fueling the “other welfare’’ system.
Richard D. Lewis Marion
The writer is a licensed mental health counselor in New Bedford.

オーストラリア マクゴーリの「早期介入」-最悪の事態を招く処方箋

prescription for disaster

ON LINE opinion
http://www.onlineopinion.com.au/view.asp?article=10267

"McGorry's 'early intervention' in mental health: a prescription for disaster"

『マクゴーリの「早期介入」-最悪の事態を招く処方箋』

By David Webb and Melissa Raven - posted Tuesday, 6 April 2010

"オーストラリアン・オブ・ザ・イヤー"に指名され、マスメディアでも注目される存在となったパトリック・マクゴーリ教授 (Patrick McGorry) が呼び掛けるメンタルヘルスの大改革。連邦政府を含め、多くの人が彼の要求に耳を傾けるのも当然ではある。


最近、草の根運動擁護団体 『GetUp』 も、マクゴーリの呼びかけに応じて促進キャンペーンに乗り出した。明らかに価値のあるキャンペーンのようには見えるし、メンタルヘルの分野に抜本的改革が必要なのは事実である。が、マクゴーリの呼びかけを支持する 『GetUp』やその他の人たちには、どうやらマクゴーリが呼びかけているものの正体が見えていないようだ。


マクゴーリとは、メンタルヘルスの「早期介入」の熱心な推進派としてオーストラリアのみならず国際的にも知られる人物である。そんな彼に異を唱えようなどとする人間が誰もいないのもうなづけよう。しかも彼が使うのは、「手遅れになる前に」という巧妙なメタファー。しかし彼の唱える早期介入の本当の意味を考えれば、異を唱えないわけにはいかないのである。


例えば統合失調症など、将来精神疾患を発病するリスクのある人は、診断を決定づける十分な症状が出る前に特定することが可能であるというのが、マクゴーリの主張である。独特な思い込み、自発性の喪失、社会的ひきこもりなどがその初期症状とされるもので、それをマクゴーリは精神疾患の「前駆期」と呼ぶ。つまりマクゴーリの求める早期介入とは、抗精神病薬の投与を当然であるとする医療介入のことなのである。


こうした早期介入の在り方は、精神科医療関係者の間ですら激しい論争の的となっている。例えば、2006年のタイム・マガジンの記事では、米国の著名な早期介入研究者であるトーマス・マグラシャン (Thomas McGlashan) が、予防的な薬剤治療を正当化するほどのエビデンスは十分ではないと戒めている。マクゴーリ自身も、どの若者が将来精神疾患を発病するかを確実に言い当てることは不可能であることを認めているのだ。それでも、ジャーナリストのダニエル・ウイリアムス (Daniel Williams) が言うには、「静かで落ち着いた語り口のマクゴーリは、抗精神病薬を実験的に使うことが、あたかも唯一の信頼できる治療の方向性であると人に思わせる術を身につけている」のである。


予防的な薬剤による介入には数多くの危険性が伴うが、特に抗精神病薬 (化学療法で用いられる薬剤に次いで、極めて毒性の強い化学物質であるとも言われている) には、糖尿病、メタボリック・シンドローム、心血管系の突然死亡などを含む重い副作用がある。それでもマクゴーリはこうしたリスクは「あくまで理論上のもの」として意に介さない。だが、こうした薬剤で予防できることを示す科学的なエビデンスもほとんど存在しないのだ。


マクゴーリの提唱する改革のもとでは、"偽陽性"と誤診される多くの人 (つまり多くのオーストラリアの若者)が、早期介入の大きな網に引っ掛かり、有効性すら証明されていない薬による深刻なリスクに曝されてしまうことになる。最近の"Psychiatric Times"誌は、DSM-V (米国精神医学会発行の『精神疾患の分類と診断の手引書』次版、精神医学診断の「聖書」) 向けに現在提案されている改定における早期介入の議論を取り上げている。予防的治療を「公衆衛生に対する医原性の災害をもたらす処方」と表現するこの記事は、デューク大学精神科名誉教授であるアレン・フランセス (Allen Frances)が書いたもので、彼は現行DSM-IVの開発・編集を担当したタスクフォースの委員長を務めた人物。その教授が、高い率で偽陽性が発生すること、抗精神病薬の効果を示すエビデンスが欠けていること、危険な副作用を力説しているのである。


知ればマクゴーリの意図に更なる疑惑を抱くのは、彼の組織 (Orygen Youth Health) の資金が、実質的には製薬業界から出ていることであり、加えて米スタンリー基金 (US Stanley Foundation) からも出ており、これは精神障害というレッテルを張られた人に対する監禁や強制治療といった非常に強引なアプローチで悪名高い基金なのである。こうした資金拠出にまつわる詳細は、Orygen のホームページ(Major Grants および Other Funding) にもある程度の記載がある。さらにマクゴーリは、抗精神病薬メーカーである多くの製薬企業から個人的に資金を受けながら、利害対立の報告をしていないことが多く、特に抗精神病薬の使用を繰り返し擁護する早期介入についての増刊記事を含め、最近のMedical Journal of Australia 誌での彼の記事の多くは報告されていない。アメリカでは、抗精神病薬を製造するメーカー数社が、すでに違法販売促進をしたとして告発されてているのだ。http://psychrights.org/articles/091030NYTimesAZSeroquelFCASettlement.htm


マクゴーリのキャンペーンは、メンタルヘルス (「心理社会的な健康」とするほうがより適切) のメディカライゼーションをさらに推し進めるための一部である。彼の主な賛同者は、ジェフ・ケネットとビヨンドブルー (Jeff Kennett and beyondblue)、脳と心の研究所 (the Brain & Mind Research Institute =BMRI) 、SANE オーストラリア (SANE Australia)、そして 豪メンタルヘルス委員会 (Mental Health Council of Australia=MHCA) である。


そのBMRI、 SANE、MHCA、すべてが製薬企業から実質的な資金の提供を受けている。こうした過剰なメディカライゼーションは、すでにメンタルヘルスの領域を遥かに超えた「病気商売=disease mongering」と呼ばれる域に達しておりそれを熱心に促進しているのが製薬企業である。「病気商売」は今や世界中で議論される大きな社会問題であるにもかかわらず、このオーストラリアでは今のところそうした議論がほとんどなく (日本の状況はさらにひどい) 、こうした問題についても医学の専門家が国民の議論に権勢を振るっているのが現状なのである。


人や組織がメンタルヘルス制度の抜本的改革を支持し、それを本当に願うのであれば、マクゴーリやその同類らの宣伝活動による都合の良い解釈ではなく、自分たち自身でこの議論を進めるべきである。


筆者紹介:

デイビッド・ウエブ: 自殺を図ったことのある人の自殺に関する世界初となる研究で2006年に博士号を取得。一般的に考えられているような、似非科学(精神医学)が言うところのなんらかの「精神疾患」に自殺の原因があるのではなく、自殺を自我の一つの危機であるととらえたほうが最も理解しやすいとするのが彼の主張。世界精神医療ユーザー・サバイバー・ネットワーク (the World Network of Users and Survivors of Psychiatry = WNUSP) の委員会メンバーであり、現在、オーストラリア連邦障害組織 (Australia Federation of Disability Organisations) 研究政策室の非常勤研究員。人権をメンタルヘルスの中心問題に据え、メンタルヘルス産業界が障害の社会モデルに移行して初めて精神医療ユーザーやサバイバーに正義がもたらせれるとし、それが世界精神医療ユーザー・サバイバー・ネットワークの基本であるとする。


メリッサ・レイブン: 精神科疫学者であり政策アナリスト。フリンダース大学では講師として公衆衛生を教え、ヘルシー・スケプティズムのメンバーでもある。

ーーーー

日本では、厚生労働科学研究助成金 こころの健康科学研究事業 『思春期精神病理の疫学と精神疾患の早期介入方策に関する研究』として、このマクゴーリを支持する東京都立松沢病院院長、岡崎祐士氏や東京都精神医学総合研究所の西田淳志氏らが中心となって、スクールソーシャルワーカーとして派遣された精神保健福祉士が三重県津市の豊里中学校の生徒を対象に薬物投与を中心とする「早期介入」に取り組んでいたのが2008年前後。
http://www.pref.mie.jp/TOPICS/2009070150.htm

中学には三重大学の学生もボランティアで派遣され、「メンタルヘルスに問題あり」とされる生徒を補助するなど、表面上は「至れり尽くせり」を装い、当時の学校通信には「厚労省研究のモデル校に選ばれた」という校長の喜びの声まで掲載。この記事にある早期介入の危険性をメールで訴えるも、中学校のソーシャルワーカーから返ってきたのは「将来苦しむかもしれない子供を救うための素晴らしい研究を邪魔するな」「営業妨害である」「名誉棄損である」などなど・・・。そういう教育者や医療従事者もまた、大きなビジネス医療の網にとらわれた被害者ではある。

一方この頃、米国ではすでに統合失調症治療薬「ジプレキサ」の違法販売にまつわる裁判、ADHD診断を一気に拡大させることになったハーバード大学のビーダマン博士と製薬企業の癒着や治験データの改ざんが調査され、さらには抗うつ薬SSRIの副作用による自殺などの裁判も起こっていた。そこで開示された資料からは、市場を創り出すために製薬企業が「専門家」なる精神科医をリクルートし、患者家族会の支援、ブランドを高めるための「○○賞」の授与、ゴーストライティングによる書籍の出版及びその買取による印税支払、支援に見せかけたホームページの作成によるイメージアップ・・・・様々な営業戦略が見て取れる。
http://www.furiousseasons.com/zyprexadocs.html (裁判資料)

2006年にはイギリスのBBC放送がパキシル治験にまつわる不正を報道。
http://www.pogo.org/pogo-files/letters/public-health/ph-iis-20101129.html


日本でSSRIの問題をNHKがメジャーメディアとしては初めて報道したのは2009年。そして今年になってようやく「向精神薬の過剰処方」を国が認めざるをえない形となった。

実はこのタイムラグにこそ明らかな「意図」がある。

今なおこうした「早期介入」は、世間の目を欺くかのように立派な化粧が施され、「自殺予防」「学校との連携」「他職種連携」「地域連携」「アウトリーチ」といった美名のもとに、日々広がりを見せている。

おそらくSSRI同様、この「早期介入」が十分に行き渡った時点で、またNHKなどが「十代に広がる抗精神病薬の乱用-見えてきた安易な受診と診断」などという番組を放送するのだろうか。

『時すでにあまりに遅し』である。

このマクゴーリを支持する団体の集会(第14回日本精神保健・予防学会学術集会)が間もなく開催される。
現代に蘇った悪魔が登場する。
http://square.umin.ac.jp/JSPD/Contents/Info/2010guidannce.pdf


オーストラリア「メンタルヘルス法案」(豪政府資料 一部抜粋訳)

● たとえ18歳未満であっても、「十分に大人である」と精神科医が判断すれば、親の承諾なく子供の同意だけで「不妊手術」を施すことができる。「不妊手術」を施した事後報告だけが義務。それも親ではなく主任精神科医に届けられるのみ。 [Pages: 135 & 136]

● 12歳の子供であっても、「十分に大人である」と精神科医が判断すれば、親の承諾なくとも子供の同意だけで電気ショックや精神外科手術を施すことができる。[Pages: 108, 109, 110, 197, 198, 199, 213]


追記
DSM-5 の公式ホームページ (DSM-5 Development) が5月1日に更新され、次のように発表

"Based on concerns about the reliability of the proposed Attenuated Psychosis Syndrome and Mixed Anxiety Depressive Disorder in the field trials, these two conditions are being recommended for further study in Section III, an area of DSM-5 for conditions that require further research before consideration as formal disorders."

「提案されているAttenuated Psychosis Syndrome、及び Mixed Anxiety Depressive Disorder の実地試験での信頼性に関する懸念に基づき、これら二つの疾患については、正式な障害として考慮するにはさらなる研究が必要な場合に分類されるSection IIIのカテゴリーに入れることを推奨。」

この発表を受け、DSM-IV タスクフォース委員長の Allen Frances 氏は"素晴らしいニュースである"とし、次のコメントをブログで発表。

"The world is a safer place now that 'Psychosis Risk' will not be in DSM 5. Its rejection saves our kids from the risk of unnecessary exposure to antipsychotic drugs (with their side effects of obesity, diabetes, cardiovascular problems, and shortened life expectancy). 'Psychosis Risk' was the single worst DSM 5 proposal—we should all be grateful that DSM 5 has finally come to its senses in dropping it.

「'Psychosis Risk' (サイコーシスリスク/アーリーサイコーシス) が DSM 5 に入らなくなったことで、ようやく世界は少し安心のできる場所となった。これが削除されたことで、子供たちは抗精神病薬 (副作用:肥満、糖尿病、心血管障害、寿命の短縮)に不必要に曝されることから救われることになる。'Psychosis Risk' は DSM 5 の提案の中でも最悪のものであった。ついにDSM 5 が正気を取り戻し、これを取り下げたことに対し、私たちは全員で喜びたい。」




検索用
東京都立松沢病院;東京大学大学;巣立ち会;全国精神障害者団体連合会;KHJ西東京親の会;西多摩虹の会;さいたま市精神障がい者家族会もくせい家族会;全日本断酒連盟;ダルク女性ハウス;全国精神保健福祉会連合会;地域生活支援センター ピア;東京都精神障害者団体連合会;東京兄弟姉妹の会;東京都杉並家族会;全国精神障害者団体連合会;社団法人やどかりの里;やどかりの里 浜砂会;東京都精神障害者家族会連合会;調布かささぎ会;立川麦の会;東京都練馬家族会;全日本断酒連盟;東京都精神障害者団体連合会;東京都精神障害者団体連合会;同志社大学大学院;社団法人やどかりの里;ユースメンタルサポートセンターMIE;YMSC;三重県;津市;京都教育大学;臨床心理;精神保健;社会福祉法人カメリア;田崎耕太郎;岡崎祐士;豊里中学校;ユースアシストクリニック;ユース・ユニット;薬剤師;作業療法士;検査技師;栄養士;早期サポートチーム;精神病様症状;PLEs;児童思春期;精神病未治療期間;濱 幸伸;池山総一;精神疾患の予防;津市城山1丁目;三重県立こころの医療センター;日本精神保健;予防学会;向精神薬;認知療法;薬物療法;メンタルヘルス;西田淳志;松本和紀;中村友喜;スクールカウンセラー;松田真理子;香山明美;多職種;早期支援;香山明美;濱家由美子;羽田舞子;東邦大学;中根秀之;統合失調症;富山大学;西山志満子;精神病前駆状態;越川裕樹;小林啓之;心理教育;藤井千代;大室則幸;森田桂子;行山武志;桂 雅宏;治療介入指針;At-Risk Mental State;市川宏伸;東京都立梅ヶ丘病院;西園マーハ;西園マーハ;丹野有紀;早期支援事業;白井有美;針間博彦;こころ・あんしんLight;社会復帰;トラウマ;ARMS;早期精神病;治療的介入;ロールシャッハテスト;自我障害尺度;多職種;前川早苗;榊原規久;栗田弘二;岩佐貴史;原田雅典;東京都精神医学総合研究所;三重大学;久住一郎;加藤正樹;村井俊哉;こころの健康;MindMatters;精神保健;精神疾患の一次予防 精神医学レビュー ;精神疾患の早期発見・早期治療;精神疾患早期介入の実際;早期精神治療サービスガイドライン ;統合失調症の早期発見と認知療法;発症リスクの高い状態への治療的アプローチ;東京都精神医学総合研究所;気分障害;飛鳥井望;糸川昌成;秋山治彦;池田和隆;精神疾患;ソーシャルワーカー;水野雅文;鈴木道雄;岩田仲生;東邦大学医学部;富山大学大;神経精神医学;精神神経医学;藤田保健衛生大学;早期精神病;Emil Kraepelin;クレペリン;ブロイラー;Eugen Bleuler;非定型抗精神;Psychosis;初回エピソード;脳構造画像;脳灰白質;精神病発症リスク;上側頭回;ヒトゲノム;陽性症状発現:Duration of Untreated Psychosis:精神病未治療期間:Critical Period:治療臨界期:精神保健福祉センター:精神科医療サービス:教育委員会:ユースクリニック:精神病発生危険状態:ARMS外来:保健予防学会:早期治療:そらみみがきこえたひ:大人のADHD:セルフチェック:注意欠陥:多動性障害:伏見区:新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム:堀澄清:野村義子:アウトリーチ:訪問支援:河崎建人:クレペリン:Emil Kraepelin:ブロイラー:Eugen Bleuler:早期精神病:Early Psychosis:SNP:CNVs:精神病未治療期間:DUP;Critical Period;治療臨界期;松本俊彦;自殺予防総合対策;中山あゆみ;;ソーシャルワーカー;東京大学病院精神神経科こころのリスク外来;東京ユースクラブ;東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター;イル ボスコ;東北大学附属病院SAFEメンタル・ヘルス・ユースセンター;富山県心の相談センター 富山大学附属病院;ハイリスク群;duration of untreated psychosis;DUP;臨界期;clitical period;自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム;大村共立病;宮田雄吾;Patrick D. McGorry;石倉習子;瀧本里香;CBT;日本精神保健・予防学会学;鈴木道雄;MindFirst;マインドファースト;島津昌代

マクゴーリは「国民を欺いている」

シドニー・モーニング・ヘラルド紙

McGorry 'misleading the public'
マクゴーリは「国民を欺いている」

Julia Medew
August 9, 2010
http://www.smh.com.au/national/mcgorry-misleading-the-public-20100808-11qes.html
smh

"オーストラリアン・オブ・ザ・イヤー"に選ばれたマクゴーリらの大物メンタルヘルス改革推進者らは、自分たちの目的に有利となる怪しい統計を用いて国民を欺いているとする著名な精神科医がいる。

アデレード大学准教授ジョン・ジュレイディニ氏(Jon Jureidini)が昨日語ったところによると、マクゴーリ教授と精神衛生諮問評議会のジョン・メンドサ前議長は改革討論の席上、メンタル・ヘルスケア統計の誇張、あるいは故意に捻じ曲げて伝えていた。

しかしマクゴーリ教授とメンドサ准教授は、誰もミスリードなどしていないと否定。

ジュレイディニ准教授は、マクゴーリ教授(若者をターゲットとするメンタルヘルスサービスに関し、最近両党から支持をとりつけた世界的に著名な精神科医)がいうところの『メンタルヘルスケアを「深刻に」必要としながら「締め出されてしまっている」オーストラリアの若者が75万人いる』とする主張は虚偽であると言う。

「マクゴーリ教授は、思いつく限り、あらゆるレベルの悩み、苦しみを経験する可能性のある若者の最大数を取っている。もちろん真剣に対応する必要はあるが、マクゴーリ教授はそのすべてにメンタルヘルス・サービスの介入を前提としている」と、児童精神科」が専門のジュレイディニ准教授は言う。

「それは政治家のやり口だ」

「ある数字から自分の都合のよい話を創り出すのだ。医療保健介入の必要性という科学的な話し合いの場に、そんなものが出る幕はないと私は考える。」

調査では毎年約75万人の若者はある時期に経験する精神障害が未治療であるとするが、その多くは治療の必要がない軽度で一時的な障害であったとジュレイディニ准教授は言う。

またジュレイディニ准教授は、オーストラリアでの自殺の3分の1以上が不適切な退院によるものであったとする准教授の主張は間違いであると非難する。

ジュレイディニ准教授によれば、その正確な数字は約1パーセント。

「自分の主張を支持するデータを提示する人に対し、だれもそれを議論しようとしないが、正確を期すためには責任をもって議論する必要がある。そこに誇張などあってはならない」と、ジュレイディニ准教授は言う。

一方、マクゴーリ教授とメンドサ准教授が昨日語ったところによると、自分たちはメンタルヘルスサービスの必要性について誰かをミスリードしたということはなく、使用したデータもオーストラリア統計局や健康福祉研究所などのしっかりとしたものであるとする。

二人の主張はあくまでこうしたデータに基づいたものあり、逆にジュレイディニ准教授の主張は何に基づくものかとの疑問を呈する。

「彼は必要なケアを受けられない人たちのところに行って、同じ主張をしてみたらいい」と、マクゴーリ教授は言う。

これに対してジュレイディニ准教授は、「マクゴーリ教授やメンドサ准教授とは専門的な意見の相違はあるが、大切なことは、メンタルヘルス改革が「不正確な主張」や「大衆の感傷」に訴えることで決まるものではない」

マクゴーリ教授やメンドサ准教授の支配によって、子どもに対する早期介入や自殺における社会的不利益をどうするかといった切実な問題が脇に追いやられてしまっていると彼は言う。

ーーーーーー

マクゴーリ教授の唱える「若者に対するメンタルヘルスサポート」の一番大きな特徴は、「精神疾患の発病前(前駆期)診断によって未治療期間を短くし、事前に抗精神病薬を投与することで、将来発病する精神疾患症状の軽減・予防する」というもの。

厚労省から研究費を得て都立松沢病院の岡崎院長らが実際に三重県津市の豊里中学校で行った実験では、精神保健福祉士がスクール・ソーシャル・ワーカーとして派遣され、職員会議や保健室のスクールカウンセラーの話から「精神疾患発症の可能性のある生徒」をピックアップして保健室に呼び出し、チェックリストで選別ののち精神科医を学校に呼ぶということが行われた。

もちろん本人や保護者からの「深刻な」相談・依頼によるものではなく、学校側が保護者を呼び出して「この子は将来統合失調症を発病する可能性があります。今のうちに精神科を受診して手を打てば、発症を抑えたり軽くて済む場合もあります。費用は無料です。」と言われれば、果たしてどれだけの親が「ノー」と言えるだろうか。

こうした製薬企業の緻密な戦略による精神医療マーケティングの巧妙な拡大を、どれだけの親が見抜けるだろうか。

「精神科医のバイブル」と呼ばれる診断基準の手引き書 DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders ) の前回タスクフォースで委員長を務めたアレン・フランセスですら "the most ill-conceived and potentially harmful=最もひどい発想で、害となる可能性が極めて高い"と言い、誤診で副作用の激しい抗精神病薬を服用させられる若者が続出するであろうと懸念する。

「ユース・メンタル・サポート (若者のメンタルサポート)」

このような名前の精神医療機関には、慎重な注意と監視が必要です。



以下、精神疾患の早期介入とリスク症候群に対するその他専門家の意見:
http://www.schizophreniaforum.org/pap/readmore.asp?commentID={D771AA2F-AD3A-4C00-A847-5FE25F2BDBA3}

● 現在、精神疾患の発病リスクありとされるUHR/COPSの基準を満たし、実際に2年以内に発病するのは約35パーセント(キャノンら、2008年)と予想されているが、この予想は研究サンプルの中でも一定したものではなく、もっと広く臨床的に急を要さないコミュニティー・サンプルを基準にすれば、さらに低い予想になる。UHRの基準を満たすものの治療にあたる臨床医にいかに注意を促し、治療に制約を加えたとしても、大なり小なり薬剤治療になることは避けられず、医療的にも重大かつ非難を受ける副作用(運動障害や肥満)につながる治療となる。
- Daniel Mathalon

● マグラシャン医師やウッズ医師がこのカテゴリーを定義するためにスライドキャストで提示した5つの症状は、すべて精神病様、あるいは弱い精神病様症状といえるものばかりである。単に陽性症状にだけ基づいて、リスク症候群、あるいは統合失調症前駆症状と定義するのはきわめて時期尚早である。さらに、統合失調症前駆症状という概念自体にも批判がある。
- Dirk van Kampen

● 精神病発症リスクを明らかな臨床単位とする、説得力のあるエビデンスはない。また、時を経ても大きな精神疾患を発症しない人はどうなるのかに関しても明らかではない。
- Amresh Shrivastava

● さまざまなドメイン(領域)に渡って、実質的にもっと多くのエビデンスが必要だ。
1. 発症につながる人を正確に診断する能力
2. 効果的な治療戦略
3. こうした早期介入が長期的に有意かつ持続性のある効果をもたらすというエビデンス

● 1. 例えば近年引用されるメルボルンのPACEクリニックでの発症率10~15パーセント(ヤングら、2007年)のようなNAPLSグループに比べ、、他の複数国のクリニックでは、明らかに精神障害を発症したとする率は極端に低い。その率も、それまでの年に比べて有意に減少しており、しっかりとしたクリニックにおいてですら精神疾患に進行すると正しく識別されたのは、おそらく「リスク症候群」の基準を満たした10人のうち1人であることが示唆される。また事実、精神疾患に進行した群の中でも統合失調症らしき精神疾患を発症したのは、わずか55パーセントであった(キャノンら、2008年)。

2. 「リスク症候群」とは一つの同質の群を代表するものである。これらのサンプル(ローゼンら、2006年)に報告のあるような、幅広い診断の分類や転帰の事例とはならない。
- Andrew Thompson

● 崇高な意図ではあろうが、見当違いである。その理由は、なんら治療方法も特定されていないと同時に、予測という点においてもその特異度に対するエビデンスが明らかに欠けているだけでなく、社会的被害をもたらしうるからだ。
- Ashok Malla

早期介入/予防・早期支援 という真っ赤なウソ

現在、日本においても精神科医療の早期介入・予防・早期支援が花盛りである。

病気を早期に発見し、治してくれるというのなら、こんなに素晴らしいことはない。

しかし、その実態はどうなのであろうか。

厚労省の科学研究費による実験校にされた三重県津市の豊里中学校では、研究主体である東京都精神医学総合研究所から派遣された精神保健福祉士が、「気になる」生徒を保健室に呼び出して学校まで連れてきた精神科医に受診させていたが、本来は支援の求めに応じて医療を提供するのが本筋ではないのだろうか。

家族(弟)がうつ病で心療内科にかかっているというのを理由の一つに、ブラジルの子供が犠牲になっていた。

それではまるで「強制入院」と変わらんではないか。

製薬企業と精神科医、大学、はたまた厚労省からWHOまでが癒着しているこのご時世である。

科学的根拠もなく診断が行われ、多くの患者が薬漬け・自殺・突然死・原因不明死をする精神医療の業界で、はたして「予防」なる概念はどのようにうまれたのであろうか。

以下は日本の精神医療が師匠と仰ぐオーストラリアのマクゴーリに関する英文記事の翻訳である。

ソース (原文)
http://dprogram.net/2010/03/17/pharma-backed-australian-of-the-year-psychiatrist-wants-millions-in-government-funding-for-brave-new-world-of-%E2%80%9Cpre-drugging%E2%80%9D-kids/

===========

Pharma Backed Australian of the Year Psychiatrist Wants Millions in Government Funding for Brave New World of “Pre-Drugging” Kids

製薬企業がバックアップする"オーストラリア・オブ・ザ・イヤー"の精神科医、子供に薬を "プレ投与"する "ブレイブ・ニューワールド計画" 資金を政府に要求


パトリック・マクゴーリ(Patric McGorry)とはいかなる人物で、何を推し進めているかご存知だろうか。“若者のメンタルサポート改革”により、"オーストラリア・オブ・ザ・イヤー"に選ばれた精神科医である。では彼の進める改革とはどのようなものか。マクゴーリ自身が"気候変動の新しい形態"と呼ぶこの改革、まさにそのとおりのものである。

[TIME マガジン記事 "Drugs Before Diagnosis?(診断の前に先ず投薬)"参照]


マクゴーリは、幻覚、敵意、人格変化、命にかかわる糖尿病、そして脳卒中の原因となり、自殺や死に至ることすらあると国際薬物規制機関が規定する抗精神病薬や抗うつ薬を若者に投与するだけでなく、なんと精神障害が発現する前の段階で若者に薬剤を投与するという大胆な一歩を踏み出している人物なのである。

被験者保護計画認証協会(the Association for the Accreditation of Human Research Protection Programs: AAHRPP)はこうした概念を、「乳がんを発症していない女性に対し、発症のリスクがあるからと乳腺切除施術を行うようなものである」と例えている。 [i]

児童の権利に関する国連委員会は、子供を薬漬けにする問題に"深刻な懸念"を表明し、また米国の上院議員調査により、高名な精神科医たちが製薬企業から金銭供与を受け、不正な研究データをもとに抗精神病薬剤を強力に販売促進していた事実が判明している。こうした致命的な精神薬を子供たちに処方することが横行することに世界中で警鐘が鳴らされているにもかかわらず、精神科薬の中でも強力な薬物である抗うつ薬や抗精神病薬を子供たちに不必要に処方することを、猛烈な勢いで増やしているのがマクゴーリなのである。

彼の理論と実践にはあまりにも問題が多いため、米国の彼の同僚ですら敬遠している。マクゴーリと同じ理論に基づいて米国で行われた並列研究では、研究責任医師ですら絶望的失敗であったと認めている。また他の精神科医らは、こうしたマクゴーリの"プレ薬物投与"という行為に対し、思春期の若者に対する非倫理的かつ有害な行いであると非難している。詳しくは後述する。

精神病や、(とりあえずは)「統合失調症」を発症しそうな若者に「仮に張っておくラベル」として、マクゴーリやその同僚らの創り出した「症状」 なるものは、ある米国精神科医の言葉を借りれば、実は「ごく一般的であり...人生の中でも思春期というのは人格においても非常に激しい変化が起こる期間」であるとし、マクゴーリらの医療行為は極めて非倫理的かつ有害なものである。

そうした人物が、"オーストラリア・オブ・ザ・イヤー"に選ばれたことに乗じて真っ先にしたのが、自分が開いている医療センターで薬剤を投与する子供を増やすための資金として、オーストラリア政府に、二億豪ドル以上をよこせとの要求であった。さらに悪いことに、政府がその要求を喜んで受け入れようとしている。

しかし、彼を推薦した"匿名のサポーター"とされる人物は、マクゴーリの提唱する内容についての適正な評価を行っていない。

彼の研究にザッと目を通してわかるのは、行動に現れる症状だけを評価し、薬剤投与で「精神」障害を予防できるような直感的判断を行っているが、そうした行動上の症状を引き起こしうる内科的疾患を徹底的に調べる除外診断が行われたことを示す記述が、彼の研究には一切見つからないのである。実際には数多くの身体的状態が、こうした行動上の問題を引き起こしている可能性がある。

- 最近は、米国同様にオーストラリアにおいても、精神科医と製薬企業との利益相反問題がマスコミや議会でも取り上げられ、明らかになってきている。マクゴーリは、イーライリリー社、ヤンセン- シラグ社、ブリストルマイヤーズスクイブ社、アストラゼネカ社、ファイザー社、およびノバルティス社から、非拘束研究助成金の提供を受けている。

- 彼にはまた、上記製薬企業のすべて、もしくはその多くから、コンサルタント料や講演料などが支払われている。[ii] 最近彼が発表した若者に対する「早期介入」論文の謝辞の欄にも、アストラゼネカ社、ヤンセン社、イーライリリー社、ノバルティス社、サノフィ社、ブリストルマイヤーズスクイブ社があがっている。[iii] [ これらの製薬企業が行った詐欺行為や虚偽的広告に対する民事・刑事両訴訟で米国連邦政府ならびに州政府が2001年から今までに回収した金額は、累計四十億ドル以上に達している。]

- その大手製薬会社が、現在は精神薬研究から身を引ひはじめている。2月、グラクソ・スミスクライン社のCEOは、うつ病は内科的疾患のように血液検査や生体検査で確認できるわけではなく、「患者の改善の度合いは主観的な気分を調べることによる」ため、抗うつ剤が効いているかどうかを証明することが困難であるとし、抗うつ薬研究を破棄すると語っている。続いてアストラゼネカ社の開発長であるアンダース・エクブロムも、うつ病、双極性障害、不安症、統合失調症の薬剤開発ならびに研究をこれ以上行わないと発表し、この決定は、こうした薬剤の脳に対する作用評価のために行う治験には、予測不能で危険な性質があることを反映したものであると語っている。

- 一方、予測不能で危険な薬剤であるにもかかわらず、こうした薬剤の投与対象となる子供の数を増やすために、全速前進で資金調達に取り組んでいるのがマッゴーリである。

マクゴーリの語るブレイブ・ニューワールドとは

- 1996年、パトリック・マクゴーリと製薬会社から出資を受ける同僚研究者、アリソン・ヤン(Alison Yung)は、精神疾患を発症する"高リスク"があると思われる若者をモニターするために、オーストラリアにクリニックを開設。彼らは前駆症状(初期症状)と呼ばれる精神病や統合失調症の早期発症は予測できるものであるとして、症状を評価するための科学的根拠のない主観的な方法を考え出し、十代、二十代の子供や若者に薬剤を投与した。つまり、発病もしていない精神疾患に対し、有毒な化学物質を服用させたことになる。

- この理論を唱えたのはマクゴーリだけではなかったが、彼が世界で初めて行った臨床試験は、精神医学に懐疑的な者だけでなく、精神科医自身らをも呆然とさせるものであった。こうしたオーストラリアのプログラムに触発され、その後、類似のプラグラムが世界に広がることになった。[v]

- 2002年、ヤンセン-シラグ製薬会社からの無拘束補助金や精神科医薬品のフロントグループであるNARSAD、またスタンリー財団をはじめとするオーストラリアの複数の機関から支援を受けて、追跡研究が行われた。マクゴーリらは、リスぺリドン(リスパダール-ヤンセン社製)により、若者が「精神疾患に移行する」リスクを減らせたと語っている。[vi]

- リスパダールは糖尿病、厳密には2型糖尿病を起こすとされている。 またその他の重篤な副作用に、神経弛緩薬性悪性症候群 (NMS)、筋硬直などの死に至る可能性がある症状、そして不規則な血圧や脈拍などもある。 [vii]

- 並行研究(1997~2003) がマクゴーリの友人でもあるイェール大学精神科教授、トーマス・マクグラシャン博士によって行われ、その結果は精神医学誌「American Journal of Psychiatry」に発表されている。実験資金の提供はイーライリリー社。精神疾患とされるどの診断基準も満たさない思春期の若者60名に対して、リリー社の抗精神病薬であるジプレキサ(オランザピン)が処方された。[viii]

- 実験はジプレキサの有意なベネフィットを示すことなく失敗に終わり、プラセボ群の34.5%に対し、薬物投与群54.8%が実験を最後まで行うことを拒否している (この20% の違いは、薬物の安全性に関して相当耐えがたい問題があることを示唆している)。

- のちにマクグラシャンは2006年5月のニューヨークタイムズ紙上で、「 薬剤の投与は、測定しうる有意なベネフィットよりも体重増加を引き起こす事が多かった」と認めている。こうした薬の服用による体重増加の平均は約20ポンドであった。マクグラシャン博士の考え方はすっかり変わることになった。

- 事実、同年発刊の“Drug Before Diagnosis?(診断の前に先ず投薬?)”と題されたTIME誌のマクゴーリに関する記事では、マクグラシャンはマクゴーリから距離を置いている。「早期介入の丘の上には金が見つかるかもしれない、しかし・・」と、彼は言う、「われわれには十分なデータもなく、また再現性においても十分な知見があるとは言えず、現時点においてはさらなる調査研究を必要とすると言う以外に言えることは何もない」と敗北を認めている。[xi]

- そんなことには目もくれず、オーストラリア政府から若者の心の健康財団に五千四百万豪ドルの資金援助を受けるマクゴーリは、未証明で危険性が潜在するメソッドを拡大し、「若者が抱えるさまざまなメンタルヘルスの問題:薬物乱用、人格障害、双極性障害、その他諸々」[xii] の早期診断と治療に取り掛かっていった。

- コロラド州ボルダーにあるコロラド・リカバリー施設長で、コロラド大学精神科教授のリチャード・ワーナー予防医学博士は、マクゴーリ理論の不当性を徹底的に暴いた上で、このように記している。「 初期の症状だけを見て、その症状の自然な経過を見ずに投薬を行うことは、ただ短期的に病様症状を示しているだけの患者を、長期にわたって精神病患者としてしばりつける可能性がある。」[xiii]

- さらにイースト・キルブライドのヘアマイレス病院精神科のアンソニー・ペロシ名誉教授は、マクゴーリの理論に反論して、こう記述している。「予防的介入としての心理療法の活用や薬剤の投与を支持する無作為化試験におけるエビデンスは存在しない。」[xiv]

科学的根拠なき「発症前」スクリーニング

- ワーナー博士は、発症前アセスメントには科学的裏付けがあるとするマクゴーリの意見に全面的に反対する。「精神疾患を完全に発病してしまう前に介入することによって予防できると主張するには、そういうリスクを持つ人をしっかり見つけ出すだけの有効なスクリーニングが必要である。まずはそうした努力が必要だ。」 そういうスクリーニングは明らかにマクゴーリにはないものだ。

- 「メルボルンのPACEクリニックのパトリック・マクゴーリや同僚らの論文によれば...彼らが用いるスクリーニング手法は、クリニックでは80パーセントの確度があるとしている。しかし日常的にこの手法を用いた場合の確度は、それほど高いものではない。PACEクリニックのサンプルでは、一年以内に35パーセントが精神病を発症したとしている。確率論からわかることは、同じ手法を一般集団サンプルに用いた場合…それが正しい確率は7パーセントになるということである。」

- 「事実、PACE 以外のオーストラリアのクリニックでは、PACE の手法は9パーセントの確度しか達成していない。誤検出率が70~90パーセントもある状態で介入して薬剤やその他の治療を行うというのは、明らかに非現実的である。」


有害薬物がもたらす転帰

- さらに、マクゴーリが介入アプローチの一つとする抗精神病薬による介入は危険なものである。「予想される誤検出数を考えれば、害を与える可能性が有意である」とワーナー博士は述べる。[xv]

- ペロシ博士の意見も同じだ。「こうした専門医のプログラムに参加することで、ほとんどの患者は危険をはらんだ治療を不必要に受けることになる。データは早期介入を熱狂的に支持するクリニックから出ているもので、何年も警鐘が鳴らされている事柄に対しては巧妙に説明が施されている。精神科医が選択した患者を統合失調症の前駆期クリニックに差し向けた場合、その後何らかの精神病を発症するのは約半数。精神科を受診させるように促された教師や大学のカウンセラー、あるいは家族が、直接、前駆期症状にあると思われる若者を同じケアプラン、同じクリニックで受診させた場合…約90パーセントが、「予防的」介入を必要もなく受けていた。」[xvi]

- 米国の精神科医、ジェラルド・J・ブロック博士は、生命倫理フォーラムで次のように述べている。「予防治療による"高い頻度で起きる副作用や合併症"、また治療が人に害を及ぼす恐れがある事を考えれば、"予防薬理学"(マクゴーリの行いはこれにあたる)というのは、"倫理的に問題の多い領域"である。さらに、統合失調症リスクを同定するとされる症状も、"ごくありふれた症状"であり…人生の中でも思春期というのは人格においても非常に激しい変化が起こる期間である。」[xvii]

- ブロック博士は、「神経弛緩薬を毎日服用する1年間の間に、あるいはその後に、それがどれだけQOLに影響を及ぼすかが、特に発病もしていない状態に関して明らかにされていない。新しい関係を築くこと、それを確固たるものにすることが、若年期の多くの時間をしめるものである。神経弛緩薬が認知や情動性に影響を及ぼすのと同様、[抗精神病薬が]そうした関係の構築に善かれ悪しかれ影響しうることを考慮しなければならない」と言う。[xviii]

- さらにワーナー博士もこう指摘する。「いわゆる"前駆"症状と呼ばれるものを示す人を未治療のまま放置したとしても、薬物治療なしで回復する可能性は非常に高い。カリフォルニアとスイス、ブルンのソテリアプロジェクトで、またフィンランドで行われた多施設共同研究でも、薬剤投与が良い転帰を得るために不可欠なものではないことが示されている。」[xix]

臨床試験の失敗にもかかわらず、カネのために続けられるロビー活動

- 「早期介入運動の先導者たちは、統合失調症を予防する、あるいは緩和するという甘いメッセージを使って、政治家、マスコミ、家族、そしてケアスタッフに巧みなロビー活動を行い、自分たちに向けられた批判をうまくかわしてきた」とペロシ博士は指摘する。

- 今、マクゴーリのしていることはまさにそれである。受賞と、紛れもなく非科学的な理論を使ったさらなる資金の獲得である。

オーストラリアのジョゼフ・ビーダーマンか?

- マクゴーリは、大学で研究を行う一方で製薬会社から得た百六十万ドルにのぼるコンサルタント料を適切に開示しなかったとして米上院財政委員会の調査を受けた米国の精神科医、ジョセフ・ビーダーマンによく例えられる。ビーダーマンは抗鬱剤や抗精神病薬の製造元であるイーラーリリー社の諮問委員であった。ニューヨークタイムズ紙によると、ビーダーマンは小児双極性障害の診断を1994年から2003年の間にそれまでの40倍に増やし、それによって抗精神病薬を服用する子供の数を爆発的に増やした人物とされている。

- マクゴーリがオーストラリアの若者に対する抗精神病薬や抗うつ剤の処方数にどの程度影響を及ぼしているかは不明であるが、厳密に見極める必要がある。彼の研究の成果や彼に資金を提供している会社の薬が、あるとするなら、どのような影響を及ぼしているかも同様である。

- オーストラリア医薬品行政局(TGA)には、これまで477件の死亡を含む26,506件の有害反応報告が抗精神病薬に関して寄せられている。この件数は抗精神病薬が導入されてからの何年にもわたる総数である。抗うつ剤に関しては、2009年1月時点で有害反応報告が3,6804件あり、うち217件が死亡、さらにその死亡のうち4件は10歳~19歳の年齢グループに属していた。

- しかし、そこに米国食品医薬品局へ5年間(2004-2008)で寄せられたの医薬品副作用報告(ADRs)を加え、この「診断の前に先ず投薬」なる実践が向かう先にあるリスクの可能性を考えてみよう。抗精神病薬については18歳未満の死亡が91件。抗うつ剤では321件の死亡が報告され、そのうち251件が自殺である。医薬品副作用報告に上がってくるのは1パーセントから10パーセント程度であることから、実際の抗うつ剤による死亡件数は3,210件にもなり、また抗精神病薬では約1,000件となる。

- オーストラリアの医療システムは国際的にみても高いレベルにあり、予防策がその高さを支えているといえるかもしれない。しかしだからといって、将来精神病になる可能性があるという指針に基づいて子供や若者に早期に薬を投与するという考え方を旗印にするような精神科医療は、断じて必要のないものだ。本当に必要なのは、適切な医療(精神医療ではない)的ケアと、教育による解決法である。終身刑のごとく生涯にわたって精神に作用する薬物を服用させかねないような医療の資金に、オーストラリア国民の二億ドルもの税金を提供する必要はない。

オーストラリアの子供や若者を誰かがケアすることは必要であるが、その誰かは断じてマクゴーリではない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[i] http://www.ministryoflies.com/pdf-articles/Yale-Lilly.pdf.

[ii] http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/aug04_1/a695.

[iii] http://www.mhanet.ca/documents/2008/Research-Colloquium/0920%20-%20Keynote%20MCGORRY.pdf.

[iv] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2632176/.

[v] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2632176/.

[vi] Arch Gen Psychiatry, Vol 59, Oct. 2002, http://www.meb.uni-bonn.de/psychiatrie/zebb/literatur/mcgorry.pdf.

[vii] http://www.coreynahman.com/atypical-antipsychotic-lawsuits.html.

[viii] http://www.ministryoflies.com/pdf-articles/Yale-Lilly.pdf.

[ix] http://www.ministryoflies.com/pdf-articles/Yale-Lilly.pdf.

[x] http://www.nytimes.com/2006/05/23/health/psychology/23prof.html?pagewanted=3&_r=1.

[xi] http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1205408,00.html#ixzz0i0DykBNV.

[xii] http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1205408,00.html#ixzz0i0NMJQyd.

[xiii] http://www.camh.net/Publications/Cross_Currents/Winter_2007-08/futureorfad_crcuwinter0708.html.

[xiv] Anthony Pelosi, “Head to Head, Is early intervention in the major psychiatric disorders justified? No,” BMJ 2008;337:a710, http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/aug04_1/a710.

[xv] http://www.camh.net/Publications/Cross_Currents/Winter_2007-08/futureorfad_crcuwinter0708.html.

[xvi] http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/aug04_1/a710.

[xvii] http://www.ahrp.org/cms/index2.php?option=com_content&do_pdf=1&id=386; http://www.bioethicsforum.org/ethics-of-preventive-psychopharmacologic-treatments.asp.

[xviii] http://www.ahrp.org/cms/index2.php?option=com_content&do_pdf=1&id=386; http://www.bioethicsforum.org/ethics-of-preventive-psychopharmacologic-treatments.asp.

[xix] http://www.camh.net/Publications/Cross_Currents/Winter_2007-08/futureorfad_crcuwinter0708.html.

[xx] http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/aug04_1/a710.


ーーーーーーー

国産マッゴーリー
http://www.prit.go.jp/Ja/PSchizo/TSchizo/achievements5.html
http://www.prit.go.jp/Ja/PSchizo/TSchizo/achievements2.html
http://www.cocoroseisaku.org/list.html

国産PACEクリニック
http://www.pref.mie.jp/TOPICS/2009070150.htm







東京都立松沢病院;東京大学大学;巣立ち会;全国精神障害者団体連合会;KHJ西東京親の会;西多摩虹の会;さいたま市精神障がい者家族会もく

せい家族会;全日本断酒連盟;ダルク女性ハウス;全国精神保健福祉会連合会;地域生活支援センター ピア;東京都精神障害者団体連合会;東

京兄弟姉妹の会;東京都杉並家族会;全国精神障害者団体連合会;社団法人やどかりの里;やどかりの里 浜砂会;東京都精神障害者家族会連合

会;調布かささぎ会;立川麦の会;東京都練馬家族会;全日本断酒連盟;東京都精神障害者団体連合会;東京都精神障害者団体連合会;同志社大学

大学院;社団法人やどかりの里;ユース・メンタルサポートセンター;YMSC;三重県;津市;京都教育大学;臨床心理;精神保健;社会福祉法人カメ

リア;田崎耕太郎;岡崎祐士;豊里中学校;ユースアシストクリニック;ユース・ユニット;薬剤師;作業療法士;検査技師;栄養士;早期サポート

チーム;精神病様症状;PLEs;児童思春期;精神病未治療期間;濱 幸伸;池山総一;精神疾患の予防;津市城山1丁目;三重県立こころの医療セン

ター;日本精神保健;予防学会;向精神薬;認知療法;薬物療法;メンタルヘルス;西田淳志;松本和紀;中村友喜;スクールカウンセラー;松田真理

子;香山明美;多職種;早期支援;香山明美;濱家由美子;羽田舞子;東邦大学;中根秀之;統合失調症;富山大学;西山志満子;精神病前駆状態;越川

裕樹;小林啓之;心理教育;藤井千代;大室則幸;森田桂子;行山武志;桂 雅宏;治療介入指針;At-Risk Mental State;市川宏伸;東京都立梅ヶ丘

病院;西園マーハ;西園マーハ;丹野有紀;早期支援事業;白井有美;針間博彦;こころ・あんしんLight;社会復帰;トラウマ;ARMS;早期精神病;

治療的介入;ロールシャッハテスト;自我障害尺度;多職種;前川早苗;榊原規久;栗田弘二;岩佐貴史;原田雅典;東京都精神医学総合研究所;三

重大学;久住一郎;加藤正樹;村井俊哉;こころの健康;MindMatters;精神保健;精神疾患の一次予防 精神医学レビュー ;精神疾患の早期発見;中山愛美:トーシツ:

・早期治療;精神疾患早期介入の実際;早期精神治療サービスガイドライン ;統合失調症の早期発見と認知療法;発症リスクの高い状態への治

療的アプローチ;東京都精神医学総合研究所;気分障害;飛鳥井望;糸川昌成;秋山治彦;池田和隆





ユース・メンタルサポートセンター MIE 中山、中村/三重県病院経営室 質問状

ユース・メンタルサポートセンター MIE 中山、中村/三重県病院経営室 質問状

質問1
Birchwood の論文を、三重県(ユース・メンタルサポートセンター)は検証しましたか?
したのであれば、いつ・どのように(論文の信憑性・信頼性に関する根拠(証拠))、多くの反論を無視する理由等を、製薬会社との繋がりのない論文でお示しください。
できないのであれば、そのようなものがなぜ「活動の根拠」となるのかをお示しください。

質問2
西田らの調査の潔白性に関し、三重県(ユース・メンタルサポートセンター)は製薬会社との負の繋がりを否定できますか?
もしできるのであれば、根拠(証拠)をお示しください。
製薬会社のサポートがあったなら、その程度をお知らせください。
もしできないのであれば、そのようなものがなぜ「活動の根拠」となるのかをお示しください。

質問3
「この活動の根拠」としたはずのBirchwood のイギリスでは、身体的負担が少ない心理療法にシフトしつつあるにもかかわらず、有害事象に関してのみ確かなエビデンスのある薬物の、しかも多剤投与を三重県立こころの医療センターが治療の基本とする理由をお聞かせください。

米国においては、国、議会、医療関連機関による厳しい調査・監視を受け、情報公開法(サンシャイン法)により米国イーライ・リリー社が今年の第1四半期(3ヶ月)における医師への金銭供与額を先月初めて公表しました。
金銭供与を受けた医師の名前も、それぞれの額とともに公表されています。
http://www.lillyfacultyregistry.com/lilly-registry-report.jsp
情報元;ウォール・ストリート・ジャーナル
http://blogs.wsj.com/health/2009/07/31/eli-lillys-payments-to-doctors-revealed/
わずか3ヶ月で日本円にして20億円を超える額となっています。
以下ページの「Top five specialties receiving drug-marketing money」を見ますと、中でも特に精神科(Psychiatry)に一番多額の金銭が供与されているのがわかります。
http://blogs.wsj.com/health/2009/04/16/eli-lilly-tops-list-of-drug-company-pay-to-vermont-docs/
情報元;ウォール・ストリート・ジャーナル
精神科 一人当たり$43,573.29

質問4
ユース・メンタルサポートセンター MIE の設立にあたり、製薬会社からの援助・寄付はありましたか?
またそれはどのようなもの(金額等)でしょう?

質問5
三重大医学部に対する製薬会社からの寄付金総額は?

質問6
三重県立こころの医療センター対する製薬会社からの寄付金総額は?

質問7
岡崎祐士様は製薬会社からアドバイザー料・講演料・顧問料などの名目で、金銭供与はありますか?
またそれはどれくらいの額でしょうか?

質問8
西田淳志様は製薬会社からアドバイザー料・講演料・顧問料などの名目で、金銭供与はありますか?
またそれはどれくらいの額ですか?

質問9
欧米では「製薬会社から何らかの供与を受けることは患者の利益を損なう」として、金銭はもとより、製薬会社のロゴ入り文具すら受け取らない"NO FREE LUNCH"-[タダめし無用] 運動も広がりつつあります。
県立病院としては、こうした運動に対してどのようにお考えですか?

質問10
ユース・メンタルサポートセンターのすべての連携メンバーの中で、製薬会社から何らかの供与(金銭・講演料・飲食接待・物品等)を受けたことのない人は何名中何名いらっしゃいますか?

質問11
子供や若者、特に「こころを病んだ」者は、ささいな言葉にも敏感に反応する傾向があります。さらに向精神薬を処方されていたりすると、どのような反応をするか予測すらできず、医療従事者のいい加減な一言が子供を自殺に追いやった事件もあります。
ユース・メンタルサポートセンター MIE のスタッフのみなさんは、そうした問題にはどのように取り組んでいらっしゃいますか?
具体的な研修プログラムをお聞かせください。

「麻薬及び向精神薬取締法」とくくられていますように、押尾学のMDMA(元は向精神薬として開発),あるいは酒井法子の覚せい剤と同一線上にある向精神薬においては、その依存と離脱も問題になります。
そこで薬剤師さんに質問します。

質問12
向精神薬、何か1種類でも、例えばパキシル、そのすべての副作用をプロとして記憶していますか?

質問13
離脱に関する研究には、ある程度有効とされる論文はあるものの、明らかにエビデンスのある離脱方法は存在しません。「徐々に・・場合によっては数年かけて」というのが最も良心的かもしれませんが、それでも失敗する人は失敗します、あなたは薬剤師としてそのような薬物を販売する以上、依存・離脱に関して明確なビジョンを持つべきであると思います。
あなたのビジョンをお聞かせください。
ーーーーーーーーーーーーーー

回答・返答 なし

統合失調症前駆期における早期発見や介入には科学的根拠など存在しない

ソース:http://cat.inist.fr/?aModele=afficheN&cpsidt=969015

Early detection and intervention in first-episode schizophrenia: a critical review
-統合失調症前駆期における早期発見と介入: 批判的評価
LARSEN T. K. ; FRIIS S. ; HAAHR U. ; JOA I. ; JOHANNESSEN J. O. ; MELLE I. ; OPJORDSMOEN S. ; SIMONSEN E. ; VAGLUM P

Résumé / Abstract
Objective: To review the literature on early intervention in psychosis and to evaluate relevant studies. Method: Early intervention was defined as intervention in the prodromal phase (primary prevention) and intervention after the onset of psychosis, i.e. shortening of duration of untreated psychosis (DUP) (secondary prevention). Results: We found few studies aimed at early intervention, but many papers discussing the idea at a more general level. We identified no studies that prove that intervention in the prodromal phase is possible without a high risk for treating false positives. We identified some studies aimed at reducing DUP, but the results are ambiguous and, until now, no follow-up data showing a positive effect on prognosis have been presented. Conclusion: Early intervention in psychosis is a difficult and important challenge for the psychiatric health services. At the time being reduction of DUP seems to be the most promising strategy. Intervention in the prodromal phase is more ethically and conceptually problematic.

アブストラクト(概要)
目的: 精神疾患における早期介入に関する文献および論文の再検討と、関連研究の評価を行う。

方法: 早期介入とは、前駆期における介入(第一次予防)および精神病未治療期間(DUP)の短縮などの精神疾患発病後の介入と定義した。

結果: 早期介入を対象とした研究はほとんど存在しないにもかかわらず、多くの論文が早期介入の概念を広く合意のあるものとして論じている。われわれは、前駆期における早期介入が、誤診で治療を受ける高いリスクを排除することが可能であることを証明する研究が何一つ存在しないことを確認した。精神病未治療期間(DUP)を対象としたいくつかの研究は見つかるものの、結果についてはあいまいであり、これまでのところ、予後に関して好ましい効果を示すフォローアップ・データも一切提供されていない。

結論: 精神疾患における早期介入は、精神衛生サービスにとっては難しく重要な課題である。そうした時に、精神病未治療期間を短縮することは、最も可能性のあるストラテジーであるように思われる。しかしそれ以上に前駆期における早期介入は、倫理的にも、またその概念においても問題が多い
プロフィール

Author:Scottw
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。