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抗精神病薬服用者に見られる脳の委縮 - ロサンゼルス・タイムズ紙

Brain_shrinkage.jpg


“Brain shrinkage seen in those taking antipsychotic medications”
『抗精神病薬服用者に見られる脳の委縮』


Melissa Healy, Los Angeles Times
February 7, 2011
メリッサ・ヒーリー (Melissa Healy) - ロサンゼルス・タイムズ紙
2011年2月7日


米国で急速に増加している抗精神病薬の投与が患者の脳の委縮に関連していることが新たな研究から判明し、こうした処方薬に対する新たな疑問がもたれている。

この研究は14年にわたって行われ、新たに統合失調症と診断された患者の脳を定期的にスキャンし、全体積と脳の主構成部位を測定。調査を行ったアイオワ大学カーバー医学校 (University of Iowa’s Carver College of Medicine) の研究者らは、こうしたスキャンをそれぞれの被験者に年2回から5回行い、精神病患者、特に妄想的な思考、幻覚および認知障害のある統合失調症患者の脳が、正常な精神状態にある人に比べて小さいことが長期間認められる原因を追究。

最も脳質量の減少が大きかったのは、「集中的」に抗精神病薬の薬物治療を受けた患者、つまり最も長期的かつ最大用量の投薬を受けた患者であることが判明。精神症状の重症度、違法薬物、アルコールなどの乱用度よりも抗精神病薬による薬物治療の「集中度」のほうが、はるかに強力な脳質量減少の予測因子であることを研究者は発見した。

容積の減少は脳の随所に見られ、脳の異種領域や左右脳半球間の伝達経路を形成する結合"白質"、また脳葉のほとんどを構成する脳細胞の密集した塊である灰白質でも起きていた。

抗精神病薬の使用がますます若年化し、また不安やうつなど、今までは抗うつ薬が第一選択薬にはならなかったような幅広い精神科のトラブルに対して抗精神病薬が処方されることが増えている中、今回、「総合精神医学文書」に発表されたこの研究は真っ向から衝突するもの。

「非定型」と呼ばれる新世代抗精神病薬の強力なマーケティングにより、抗精神病薬に分類されるこれら薬剤は米国の処方薬市場でベストセラーになっており、ヘルスケアと製薬市場の動向調査を行うIMS Healthによれば、2009年だけでも3003億ドルの売り上げをたたき出している。

より広い疾患に対する抗精神病薬処方の増加は、さらに多くの患者をこうした薬物に曝すことにつながる一方で、抗精神病薬は極度の代謝変化や体重増加にも関連するとされている。IMS Healthは、2009年に米国で非定型抗精神病薬が処方された件数が5200万件に上るとし、この種の薬が今日処方されている精神病治療薬の大部分を占めている。

「抗精神病薬の使用が特に高齢者や子供にまで広がり、激増していることを考えれば、抗精神病薬による脳組織の減少の可能性を詳細に調べることは、精神疾患のある多くの患者のリスク・ベネフィット比を評価するうえで重要な意味を持つ」と、研究者らは語る。

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この研究を行ったナンシー・アンドリーセン(Nancy Andreasen)医師は、1993年から2005年まで『アメリカン・ジャーナル・オブ・サイキアトリー』誌の主任エディターを務めた人物。

以前に本ブログでも取り上げた2008年のニューヨークタイムズ紙のインタビューでも、「投与される薬の量が多ければ多いほど、脳組織が減少する」と述べ、今回科学論文として公式に『総合精神医学文書』(2月)に発表されたことで、精神医学浄化の起爆剤となることが期待されます。

「早期に発見すれば治りが早い」とする信頼のおけるエビデンスは存在せず、発達途中の子供や若者の脳にどのような影響があるかの十分な議論すらないままに「早期発見」「統合失調症未治療期間の短縮」が唱えられる中、7~14年間薬物治療を受けた211人の統合失調症患者の脳をMRIスキャンしてわかったことは、古いタイプの抗精神病薬、新しいタイプの抗精神病薬、あるいはクロザピン、そのいずれにおいてもすべて「脳組織の減少に関連していた」とするこの研究。

「精神科医のバイブル」とされるDSM-Ⅳの著者であるアラン・フランセス氏自身の「早期発見の誤診によって薬を飲まされる子供や若者の割合は四分の三にのぼる」との指摘があり、また場合によっては身体拘束の上、強制的にこうした薬剤を服用させるのが精神医療。

このような薬を「早期治療」と称して子供や若者に処方することの是非を、社会は真剣に議論すべきでしょう。
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