スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

多くの若者に医原性の害を与える精神科早期支援 (早期介入) - DSM-IV タスクフォース議長 アラン・フランセス氏

Continuing Controversy On Australia's Mental Health Experiment
Seven questions for Dr McGorry

allen_frances.jpg

Published on June 13, 2011 by Allen J. Frances, M.D. in DSM5 in Distress

オーストラリアの早期介入実験-継続する議論 
マクゴーリ博士への7つの質問
DSM-IV タスクフォース議長 アラン・フランセス医学博士



オーストラリアの早期精神病予防介入センター (Early Psychosis Prevention and Intervention Centres = EPPIC)に関する私の懸念は、両陣営に強い意見を巻き起こした。EPPICプログラム推進派の意見としては、この分野では卓越した研究者であるアリソン・ヤン博士 (Dr Alison Yung) の以下のものがベストである。

「精神疾患リスクがあると思われる若年層を見つけ出し、介入を試みることの危険性に関して、フランセス博士はいくつか正当な主張をなさっています。これは私が15年間研究してきた分野ですが、次のような問題があることを十分に認識しています。例えば、実際にはそうではないにもかかわらず精神病を発病する前状態にあると誤診する問題、スティグマの問題、レッテル張りの問題、薬物治療を含め、不必要かつ有害な治療を施す問題などです。こうした理由から、私たちは「精神病リスク症候群 (Psychosis Risk Syndrome) 」、あるいは「弱性精神病症候群 (Attenuated Psychosis Syndrome) をDSM-5に含めることに反対しています。しかし、フランセス博士は精神病発病前の患者を見つけ出して治療すること (ウルトラ・ハイリスク・ストラテジー) と、早期精神病予防介入センター(Psychosis Prevention and. Intervention Centre = EPPIC) モデルを混同されています。EPPICモデルが治療対象とするのは、すでに確立している精神障害のある若年層です。EPPICプログラムの対象となるのは、精神病の初回エピソード発症後12ヶ月以内の患者です。二次的な疾病および障害の予防がEPPICの目標です。精神障害に関連する多くの悪化は、抑鬱や意気喪失、再発に対する恐怖、薬物の使用、仲間や家族とのつながりの断絶、また学校や仕事の中断など、心理社会的な困難によるものであると考えられます。少量の抗精神病薬、認知療法、家族との関係づくり、また就労問題にも介入することで回復に向けた問題にも注意を払うなど、科学的根拠に基づいた治療を通して、これら社会心理的な諸問題を最小限にとどめ、さらなる障害の予防をEPPICは試みています。これが、「早期精神病予防介入センター (EPPIC) 」という名称の意味する「予防」なのです。」

一方、オーストラリアのEPPIC反対派は、その妥当性とEPPICの普及に伴う突然の巨額な投資に対し、それほど楽天的な見方をしていない。反対派が懸念するのは、EPPICプログラムが実際に行われる医療現場においては、ヤン博士の唱える適切な目標や方法とは根本的に逸れたものになる可能性だ。EPPICの現場医療従事者が、十分に確立した初期精神分裂病 (統合失調症) 患者、つまり偽陽性率が低く、治療の必要性が明確であり、治療を施されることによって十分な利益を得る可能性がある患者のみが対象となる保証が、一体どこにあるのかということだ。この「予防」に負託された概念をEPPICに従事する者が、意図的にしろ無意識的にしろ、より野心的に拡大解釈することで、不確かな「精神病リスク症候群」にまで容易に対象が広がり、有害な治療を受けることになる。EPPICに反対するものが要求しているのは、正確に診断された精神疾患エピソードの患者だけをセンターが対象とすることである。センターが勝手に自らの都合の良い精神疾患患者を創り出さないことはどのように担保されるのかということだ。

実際の臨床現場が不確実であることを考えれば、この問題はさらに厳しいものとなる。"prepsychotic" と "psychotic"の境界は、ときにきわめてファジーなものであり、診る人次第でどのようにも取れる (特に若者にありがちな精神に作用する薬物を乱用している場合はそうだ) 。医療支援を受ける要件を満たすために、統合失調症のような境界の不明瞭なケースによこしまな動機から時期尚早なラベルを張り、その結果偽陽性率を引き上げ、スティグマや有害な治療に曝すことに熱心な臨床医がいないとも限らない。

さらに反対論者はEPPICのスピード、スコープ、サイズ、そして巨額の予算にも重大な懸念を抱いている。異なる解釈が可能で、現実の世界にそのまま一般的なものとして普及させることができない極めて限られた結果に基づき、証明すらない予防モデルを国策として盲目的に推し進めることに果たして意味があるのかどうかということである。研究レベルのものを国策にふさわしいモデルとするには、一歩一歩着実にスケールアップを図りながらより強力な研究実験基盤を築く方が賢明ではないか。

また、反対論者には、この十分な検証もない予防プロジェクトに莫大な予算が間違って投入されてしまうことで、すでに効果に証明のあるメンタルヘルスサービスが、それを必要とする患者に行き渡らなくなるのではという懸念もある。疾患初期 (とおぼしき) 若者に巨額の支援が与えられことになれば、間違いなく援助を必要とする明確な統合失調症患者の治療が割を食う。将来それはどの程度になるのか。確かな証明のある治療より証明のない予防を優先するというのは本末転倒ではないのか。

EPPICアジェンダの背後に存在し、その指導理念であり牽引力となっているのはマクゴーリ博士である。「前精神病リスク」なる診断および治療に関する彼のポジションは、年を追って変化してきた。何をEPPICプログラムの使命とし、どこまでをその範囲とするのか、またどういう方法で実施するのかをハッキリさせることが極めて重要である。従って、マクゴーリ博士に次の7つの質問に率直に答えていただき、博士の見解を明確にすることは極めて有効であろう。

1) 「精神病リスク症候群」はEPPICセンターのターゲットとするには不適切かつリスクを伴うものであり、DSM 5にも含めるべきではないとするヤン博士に、マクゴーリ博士は同意されるのか。

2) 「早期精神病予防介入センター(EPPIC)」という名称が意味する「予防」は、第二次予防 (つまり、精神疾患を発病していることが既に明らかである患者のさらなる障害の予防) にあり、厳密に言えば単に将来精神疾患を発病する何らかの理論上のリスクがあるというだけの人の第一次予防を含むものではないとするヤン博士に、マクゴーリ博士は同意されるのか。

3) 「精神病リスク症候群」のある若者に抗精神病薬を使用するには、診断に偽陽性率が高いこと、また薬物の破壊的副作用から適当ではないとするヤン博士に、マクゴーリ博士は同意されるのか。もし同意されるのであれば、確定的で信頼しうる診断のつかない精神病症状のある人には、EPPICが抗精神病薬の使用を確実に排除するようマクゴーリ博士は努力されるのか。

4) 日常の臨床現場における「前精神病」や統合失調症の過剰診断、また抗精神病薬の乱用を防ぐために、マクゴーリ博士はどのような具体的安全対策および管理システムを構築されるおつもりか。

5) こうした手に負えないほど大規模なプログラムには、その使命と実践が遊離してしまうリスクがつきものである。それを踏まえ、マクゴーリ博士はひとつのパイロット・プロジェクトを国家規模の試みへと拡大することの難しさを正しく認識しておられるのか。マクゴーリ博士はどのような運営管理体制を想定しておられるのか。

6) すでに証明のある確かなメンタルヘルス・サービスに割り当てられていた予算をEPPICセンターが吸い上げてしまうことで、いままでの治療を必要とする、またあるいはそれによってベネフィットを得ていた人から結果として乏しいメンタルヘルス・リソースを奪ってしまうことにもなりかねない。そのようなことは起きないとマクゴーリ博士は保証できるのか。

7) 他のメンタルヘルスサービスに向けられていたこれまでの予算がEPPIC に振り分けられる結果としてまず考えられるのは、これまで心理療法がもたらしていたベネフィットの減少である。マクゴーリ博士はその点についてどのようにお考えか。将来的な予算の分配についてどのような考えをお持ちか。


一見したところ、オーストラリアが突如として莫大な予算をEPPICプログラムにつぎ込むのはあまりに法外であり、まだ数十年は時期尚早である。EPPIC がうまく機能する可能性も確かにあるだろう。しかしそれは危険を顧みないあまりに大きな賭けであり、確かな研究と経験というより、単に一人の人間の盲信に基づくものであるように思える。切実にリソースが求められているところには届かず、多数の未成年者に医原性の害を与える-EPPICが無駄に大金をばら撒くだけのとんでもないそうした賭けであることは、あっけなく判明するだろう。国レベルで行う前に、このプログラムが実際の医療現場でうまく機能するかどうかを見極めるために、まずそのコンセプトレベルの証明から徐々に拡大させていくべきものだ。少なくともそうすることが、実施する上で必ず持ち上がる多くの不備を特定し、解決を試みる一つの機会となるだろう。EPPICは白地小切手を受け取るよりも、自らを段階的に証明することが必要である。

EPPICはマクゴーリ博士の持論であり、その内容や実施においても多大な影響力を持つと言えるだろう。マクゴーリ博士はこれまで強力に推し進めてきた第一次予防をどのように修正しているのか。また今はヤン博士の比較的保守的な立場を支持するようになったのかを、オーストラリアは知っておく必要がある。そしてさらに重要なことは、この途方もない実験に一気に突入すべきかどうかをオーストラリア政府は考え直すべきである。EPPICが現実世界で正当に機能するだけの経験と証明を一歩一歩積み重ねることのほうが、はるかに賢明であろう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日本でも非常に権威ある医学雑誌として知られる『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(英語:The New England Journal of Medicine、N Engl J MedないしNEJMと略記)の上級エディター (senior editor) を長年務めたマーシャ・エンジェル博士 (Dr Marcia Angel) の、"Drug companies and Doctors:The story of corruption 製薬企業と医師の腐敗構造" と題された記事には・・・

『"since the pharmaceutical industry has no direct access to people,The medical people are the link and they are heavily influenced by brainwashing " 製薬企業は国民に直接働きかけることはできませんから、"洗脳"の大きな影響下にある医療従事者にその橋渡しをさせます。・・・・And indeed, most doctors take money or gifts from pharmaceutical companies one way or another.and Many are being paid for advice or for giving lectures sponsored by the company, as well as for writing articles on behalf of the pharmaceutical companies and conducting research 'apparently' that its main contribution is to provide those medicines to their patients and disseminating the information even further.What is it if not a total contrast of interest? and this is how the medical world runs. 医師をはじめ、ほとんどの医療従事者には、食事や金品、コンサルタント料や企業が後援する講習会などの講演料、株式、また企業が業者に依頼して書かせた書籍にアカデミックな医者を著者とするなどを通して、多額の金がばら撒かれています。・・・・In recent years pharmaceutical companies have begun to refine a new and very effective technique to expand their markets.Instead of advancing the treatment of diseases, they began to promote diseases to fit their drugs.The strategy is to convince as many people as possible (along with their doctors, of course) that they have medical problems that require a long-term medical care. And on this it said: "How can a normal behavior becomes a disease ....".in order to promote the excessive new terms,the drug companies are giving them names that sounds more serious.Therefore, heartburn is now "gastro esophageal reflux disease",the stress that many woman suffer from before their menstrual cycle is a "disorder and PMS" and shyness is "social anxiety disorder". There is also the "post traumatic stress disorder."... When a company receives approval from the FDA to market a drug it is launching an extensive media campaign, including posters on bus stops around the country showing people sad and below them the words: "Imagine being allergic to people..." and the sales leap.Or as Barry Brand, the product manager of Paxil said: "Every marketer's dream is to find a customer segment market that is not yet identified and to develope it.This is what we are doing with social anxiety disorder. 製薬企業がマーケット拡大のために最近使う非常に効果の高いテクニックは、疾患に対する治療薬の効果を高めるのではなく、すでに製薬企業が持っている薬に合わせて、病気そのものをプロモートする手法です。医師などの医療従事者を含め、できるだけ多くの人に「これは病気なのだ」と信じ込ませ、長期の医療ケアが必要だと思わせる。そのために、今まではごくありふれた、あるいはごく普通の状態であったものに仰々しい名前を付ける。胸焼け→逆流性食道炎、女性なら誰でもが経験する月経前のストレス→月経前気分障害、羞恥心→社会不安障害。捏造と隠ぺいによる研究データ、製薬企業がスポンサーの患者家族会やロビイストらの活動でFDAの認可が下りるやいなや、一気呵成にメディアを通して宣伝攻勢をかけます。「まだ誰も気づいていないマーケットを掘り起こして拡大させることは、マーケッティングをやる人間の夢だ。社会不安障害を使って我々は大きなマーケットを創り出した」とパキシルの製品担当マネージャー・・・mainly because it gives them access to highly influential faculty physicians—referred to by the industry as “thought-leaders” or “key opinion leaders” (KOLs). These are the people who write textbooks and medical journal papers, issue practice guidelines (treatment recommendations), sit on FDA and other governmental advisory panels, head professional societies, and speak at the innumerable meetings and dinners that take place every year to teach clinicians about prescription drugs. Having KOLs like Dr. Biederman on the payroll is worth every penny spent. 製薬企業が薬の販売に利用するのは、彼らが「思考リーダー“thought-leaders”」あるいは「キー・オピニオンリーダー“key opinion leaders” (KOLs)」と呼ぶもので、医学教科書、医学雑誌に名を連ね、治療ガイドラインを作成し、FDAや政府の審議会に入り込み、学会で医師相手に講演をするアカデミック機関の影響力ある医師たちでです。そういう医師らに製薬企業はカネを惜しまない・・・」

現在、日本でもマクゴーリらの唱える「早期支援」が、以下のような医療機関・学会・行政によって強力に推し進められている。

● 東北大学病院精神科 SAFE クリニック

● 東邦大学医療センター イル ボスコ

● 三重県四日市市 YESnet

● 三重県津市 こころの医療センター ユース・メンタルサポートセンター MIE (YMSC YAC YU)

● 松沢病院 ユースメンタルサポートセンター松沢(わかばWAKABA)

● 東京大学医学部付属病院精神神経科

● 日本精神保健・予防学会

これら「早期支援」推進機関に共通するのは、支援や援助、介入の重要性をこれ見よがしなほどに唱えながら、DSM-IV タスクフォース議長も懸念する90パーセントを超える誤診率・偽陽性率、そして深刻な副作用のある精神科薬剤の誤処方には、一切触れられていないことである。

医療に求められるのは、「少なくとも患者に害を与えない」ことである。

患者がベネフィットを得るのに本当に必要なのは、製薬企業がばら撒くKOLsへのカネを断ち無知なるがゆえに刃物を振り回していることにも気付かない医療従事者の洗脳を解くことである。

そうしてはじめて支援・援助の道が開ける。

マクゴーリを支持する岡崎祐士西田淳志水野雅文らのKOLたちも、DSM-IV タスクフォース議長の7つの質問に答えるべきだろう。
スポンサーサイト
プロフィール

Author:Scottw
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。