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7月4日 記念日に添えて: 子供や若者に激増する向精神薬処方 - これは学校側からのプレッシャーなのか 

Longitudinal_trends.jpg

Longitudinal trends in the dispensing of psychotropic medications in Australia from 2009-2012: Focus on children, adolescents and prescriber specialty.
(オーストラリアにおける2009年から2012年の間の向精神薬調剤の長期的傾向: 子供、若者、および処方者の専門領域に焦点を合わせて)
Aust N Z J Psychiatry. 2014 Jun 13. pii: 0004867414538675
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24927734

アブストラクト
目的: 2009年から2012年までの間の抗うつ薬、抗精神病薬、およびADHD薬物療法の調剤における長期的傾向を患者の年齢、性別、および処方者の専門に従って調べた。
特に小児、および若齢成人に対する向精神性処方の変化傾向に関心を持った。

方法: 政府助成による抗うつ薬、抗精神病薬、ADHD用薬剤の調剤データを、厚生局の維持するデータベースから入手。
結果を処方箋の数で表した。

結果: 4年の研究期間にわたり、抗うつ薬、抗精神病薬、およびADHD用薬剤の処方は、それぞれ16.1%、22.7%、26.1%の全体的増加を示した。
最も急速な割合で増加したのは10-14歳の小児に対する抗うつ薬と抗精神病薬の処方(それぞれ35.5%と49.1%)で、ADHD用薬剤の処方は20-24歳で最も急速に増加していた (70.9%)。
幼少期には調査した薬物類すべてにおいて男子への投薬が多かったが、成人への抗うつ役の処方は、その三分の二が女性患者に対するものであった。
最も一般的に処方された抗うつ薬は年齢によって異なり、以下の通りである:
フルオキセチン(3-19 歳)、デスベンラファキシン(20-24歳)、ベンラファキシン(25歳以上)。
リスペドリンは最も一般的な抗精神病薬として15歳未満の小児に投与され、若者と若齢成人(15-24歳)にはクエチアピン、成人にはオランザピンが処方された。
メチルフェニデートは、25歳未満の人に対する最も一般的なADHD用薬剤で、成人にはデキサンフェタミンが最も一般的であった。
抗うつ薬、抗精神病薬のほとんどはGP (訳者注 (専門医ではなく)一般開業医、一般医) によって処方され(それぞれ89.9%と70.6%)、ADHD用薬剤の大部分は小児科医(59.1%)による処方であった。

結論: 2009年から2012年の向精神薬処方の激増には特定年齢層の注目すべき特異的傾向がある。
治療指針の一般的順守は明らかであるが、抗うつ薬セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)処方の急増、中程度の精神的苦悩のある人に対する過剰投薬、また確実なリスクとベネフィットのプロフィールがないにもかかわらず強力な向精神薬が若年層に使われることが増ふえていることには懸念が存在する。   

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


このオーストラリアと「寸分違わぬように」と、西田淳志氏(東京都医学総合研究所)や岡崎祐士氏(都立松沢病院)らが中心となり、三重県津市、豊里中学校の生徒を対象にして行われたのが精神医療の早期介入実験である。

事の経緯が丹念にまとめられた力作、「ルポ 精神医療につながれる子供たち」(嶋田和子著)によると・・・


「とくに三重県津市では、学校をベースとした早期介入システム構築のための試験が市内の中学校(市の教育委員会を通して厚労省に推薦されている)を舞台に平成19年から行われ、このシステムは「津モデル」と呼ばれるようになった。
 それは研究報告書によると「アウトリーチ型コンサルテーションによる学校精神保健支援」といわれ、実際には次のような流れで行われた。
 まず早期支援チーム (三重県立こころの医療センター内に設立されたユースメンタルサポートセンターMIE内に設けられている) からPSW(精神科ソーシャルワーカー) が学校に派遣され、養護教諭の保健室活動を支援、学校側が設けた特別支援委員会 (校長、教頭、養護教諭、特別支援コーディネーター、スクールカウンセラー、学年担当者、スクールソーシャルワーカーによって構成) にも参加して、要支援の子供たちの把握と相談を行う。医療支援が必要と判断された場合は、親権者の同意を得て、ユースメンタルサポートMIEの多職種支援チーム(医師、PSW、心理士、看護師などで作られるチーム)が訪問相談、診療を行う。つまり、医療関係者が学校に出かけていく(アウトリーチ)という方式である。
 また、卒然授業としてメンタルヘルス啓蒙授業を生徒に対して行い、さらに教師向けの啓発・研修、父母への後援会等も実施している。」

「学校をベースとした「津モデル」において、注目されたのは保健室である。研究では、まず何らかの不調を訴えて保健室にやってくる生徒に対して、そこに常駐する精神保健福祉士(PSW)がさりげなく介入し、心の不調を聞き出した。そして、これはと思う生徒に対して、PLEsの質問項目や、PRIM-J(「心のリスクチェックシート」と呼ばれる一種のスクリーニング)を使用して評価を行う。その後、臨床心理士と看護師による面接、医師の診察、早期介入チームによる継続的なフォローアップという手順で、精神医療につながれることになる。
 おそらく、この手順が今後学校で増えていくことになるのではないだろうか。・・・」
KAKOsan



その後日本では「学校に精神科医を常駐させよう」と、話はさらに進んでいるようだが、子供や若者に対する精神科薬剤の乱処方がすでに大きな社会問題となっているアウトリーチ発祥の地、イギリスからは今後の展開を予想する興味深い「言い訳」が聞こえてくる。

"Doctors under pressure to label bookish children as mentally ill" ― THE TIMES
「本好きの子供には精神疾患のレッテルを ― プレッシャーのかかる医師たち」
the_time.jpg
http://www.thetimes.co.uk/tto/health/news/article4125848.ece (オリジナル 有料)

http://nhsreality.wordpress.com/2014/06/23/doctors-under-pressure-to-label-bookish-children-as-mentally-ill/ 



「新たに英国王立精神科医学会 (The Role of the Royal College of Psychiatrists in Psychiatry ) の会長に就任したProfessor Sir Simon Wesselyによると、「リタリンやプロザックなどの向精神薬が大量に乱処方されてきた責任は精神科医にあるのではない。

精神科医はこうした薬のリスクを十分承知しており、慎重に処方しようとする。しかし、それを妨げるのは親や教師、あるいは支援団体からの「精神疾患」の診断を求める強いプレッシャーである。

抗うつ薬やADHD薬の安易な処方が激増したのは、社会がそれを求めたからであり、本当に薬によってベネフィットを得る人が求めた結果ではない。

10年でADHD薬の処方が3倍、抗うつ薬が2倍に膨れ上がっているが、これは単に病気が増えたとか、うまく病気を発見できるようになったからでという理由では説明がつかない。

人の正常な問題の医療化は医師たちが起こしたものではなく、レッテルをもらうことで利益を得る患者、家族、学校教師、家族会などの支援団体・・・つまり社会が求めた結果である・・・・

かつては「本の虫」とか「変わっている」、「恥ずかしがり屋」と呼ばれた正常な子供たちまで医療の対象にすることに反対しているのは精神医学である。

学校は「問題児」を抱えてもどうにか対処するしかないが、「ADHD」という診断さえつけばアシスタントが付く。問題児が多ければ多いほどリソースが豊かになる。そういう学校や教師からのプレッシャーこそが向精神薬の大量処方を生んでいる。」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本の現状は?

先の「三重県立こころの医療センター」を例にとれば、院長自らが中学校に出かけ、「心の授業」を行っている。

薬剤師やPSWは企業で「メンタルヘルスの出前講演」。
 近隣開業医にメンタルヘルスチェックシートを配って回った精神保健福祉士。
中学校に常駐したスクール・ソーシャルワーカーも「教師には精神疾患に対する理解が足りない。啓蒙が必要である。」という意識である。

日本精神神経学会が「精神科専門医の教育・研修を行う英国唯一の専門家団体」とするこの「英国王立精神科医学会の会長」によれば、こうした行為こそが子供や若者に向精神薬をばらまくことになるのではないか。

先ごろ開かれた「第110回 日本精神神経学会」でも、西田淳志氏や、岡崎祐士氏らによるシンポジウムの演題は「精神保健・医療に関する若者のリテラシー」である。
しかし彼らが腐心するのは、決して心に問題を抱える若者などではない

「具体的成果が報告できないと、審査会でかなりつっこまれる」
「予算獲得のために、競争相手や官僚をいかに説得するか」
「成果が出ない時は商売敵から激しくたたかれる」・・・・

アンチスティグマなどと善意に身を隠してはいるが、若者に精神疾患の意識を植え付け、いかに研究費を獲得するかの目的が透けて見える。 


愛媛の笠医師のホームページには、このようにある。

「さて、この親切そうな出前授業だが、目的が何かお分かりだろうか?
研究予算の獲得には、文字通り「研究」が必要である。
そうでなくても、製薬会社からの献金(研究費)をせしめるには、薬のヨイショをせねばならない。

 欲しいのは、新鮮な献体である。
分かりやすく言えば、発病して間もない、「精神病」患者・・つまり子どもが欲しい。

 いきなり、東大病院を受診する人は少なく、それでは「研究」にならない。
だから、マスコミ、ホームページなどを通して、カモを漁るのだが、
もっと手っ取り早いのは、学校と直接繋がることである。」



精神医学の「カモ」は、言い訳に使われる学校教師や家族会でもある。



― 7月4日 記念日に添えて



参考ソース

原文

(1)
Longitudinal trends in the dispensing of psychotropic medications in Australia from 2009-2012: Focus on children, adolescents and prescriber specialty.

Abstract
OBJECTIVE: Longitudinal trends in the dispensing of antidepressant, antipsychotic and ADHD medications from 2009-2012 were examined according to age and gender of patient and prescriber speciality. Of particular interest were changing trends in the prescription of psychotropic medications to children, adolescents and young adults.

METHOD: Dispensing data for government-subsidised antidepressant, antipsychotic and ADHD medications were obtained from the database maintained by the Department of Human Services. Results were expressed in terms of number of prescriptions dispensed.

RESULTS: Over the four- year study period, the dispensing of antidepressants, antipsychotics and ADHD medications showed overall increases of 16.1%, 22.7% and 26.1% respectively. The most rapid percentage increases in antidepressant and antipsychotic dispensing occurred in children aged 10-14 (35.5% and 49.1% respectively), while ADHD medication dispensing rose most rapidly in those aged 20-24 (70.9%). Dispensing to males was more common during childhood for all investigated classes while two-thirds of adult antidepressant prescribing was to female patients. The most commonly prescribed antidepressants varied by age and were as follows: fluoxetine (3-19 year olds), desvenlafaxine (20-24 years) and venlafaxine (>25 years). Risperidone was the most common antipsychotic dispensed to children under 15, quetiapine to adolescents and young adults (15-24 years), and olanzapine to adults. Methylphenidate was the most common ADHD medication in those aged under 25, and dexamphetamine the most common in adults. Most antidepressants and antipsychotics were prescribed by GPs (89.9% and 70.6% respectively), while the majority of ADHD medications were prescribed by paediatricians (59.1%).

CONCLUSIONS: Dispensing of psychotropic medications increased markedly from 2009 to 2012, with notable age-specific trends. General adherence to treatment guidelines is apparent, yet concerns exist regarding rapid increases in serotonin noradrenaline reuptake inhibitor (SNRI) antidepressant prescribing, the likely overmedication of persons with mild psychological distress, and the increasing use of powerful psychotropic medications in younger populations despite uncertain risk-benefit profiles.

© The Royal Australian and New Zealand College of Psychiatrists 2014.


(2)THE TIMES
Doctors under pressure to label bookish children as mentally ill

Drugs such as Ritalin and Prozac have been massively abused because of the desire to label problems as medical disorders, said Professor Sir Simon Wessely, who takes over as president of the Royal College of Psychiatrists next week.

Huge rises in the use of antidepressants and drugs to treat attention deficit hyperactivity disorder (ADHD) show that they are being given too freely in response to social pressure and not to those who could really benefit, he said.

Professor Wessely also criticised the prejudice against mental health among other doctors, adding: “You could not have designed a health service less able to join up mind and body, physical and mental, than the health service that we’ve had in the past 20 or 30 years.”

The use of ADHD drugs has tripled in a decade and the use of antidepressants has doubled. Professor Wessely said that this was unlikely to be explained purely by more disease or better detection…

“Certain behaviours carry stigma and there’s less stigma if it’s associated with a disorder. Often it’s about the avoidance of guilt. You get obvious pressure from parents: we’ve all been to middle-class dinner parties where so many parents seem to say their kids are mildly autistic and yet they’ve just got into Oxford. And you think, ‘I don’t really buy that one’ . . . It’s interesting that many of these disorders are more common in the private sector of education.”

He added: “When did you last hear a kid called bookish or shy? At what point do those normal traits become social phobia or Asperger’s, or when does a naughty kid become ADHD? Now those are socially defined, and where psychiatry sits on those is often not where the public think.

“We are the most conservative in those areas because we know how awful autism is, we’re the ones who don’t want to extend the boundaries to include every shy, bookish, odd child. It’s psychiatry which is against the medicalisation of normality.”

Arguing that there are “perverse incentives” in the system, he said: “The more children that are labelled ‘special needs’, the more resources a school gets. If you just have a difficult kid in your classroom, you’ve just got to cope. But if you have a kid with ADHD you might get a classroom assistant. So you get pressure from teachers…”


(3)DAILYMAIL
Doctors say parents and schools are pushing them to label children who are just shy or bookish as mentally ill•Overbearing parents are pushing GPs to dish out drugs for treatment

•Professor Sir Simon Wessely, says there is a growing trend to medicate

•Drugs such as Ritalin and Prozac are now common place

•However, the child may not have a disorder at all, according to an experts

A worrying number of shy and book smart children are being labelled as 'mentally ill' by doctors who  are under pressure from parents to give them a diagnosis according to a top psychiatrist.
Professor Sir Simon Wessely, the new head of the Royal College of Psychiatrists says that there is a growing trend of medicating normal traits in children by the insistence of overbearing parents.
Pushy parents are getting GPs to prescribe drugs such as Ritalin and Prozac to treat serious disorders creating a huge rise in antidepressants and drug use among young children.

Along with mental health diagnosis, one of the most commonly medicated disorders is attention deficit hyperactivity disorder (ADHD).
If a child is seen as being overactive, but does not necessarily have ADHD, he could be prescribed drugs, Professor Wessely said.
He told The Times: 'Certain behaviour carry stigma and there's less stigma if it's associated with a disorder. Often it's about the avoidance of guilt.

'You get obvious pressures from parents: we've all been to middle class dinner parties where so many parents seem to say their kids are mildly autistic and yet they've just got into Oxford. And you think 'I don't really buy that one'...

Around three to seven per cent of children, or 400,000, are believed to have ADHD in the UK, with many being prescribed drugs to try and improve their concentration at school.
According to recent figures, the use of ADHD drugs has tripled over the past decade and antidepressants usage has shot up too.
Professor Wessely said that it is becoming less common for children to be labelled as 'shy' but they are more likely to be branded as having a social phobia or a behavioural problem.

And even schools are benefitting from mislabelling pupils, says Professor Wessely, as the more special needs children in a school, the more funds they'll get.

However, some experts claim that many disorders have no merit at all, and are in fact, made up.

Paediatric neurologist Dr Richard Saul, based in Chicago, believes that ADHD simply ‘doesn’t exist’ and is being used as a mask for less serious problems.

Dr Saul argues that children are being misdiagnosed.

‘ADHD makes a great excuse,’ Dr Saul said in his book, ‘ADHD does not exist: The truth about Attention Deficit and Hyperactivity Disorder.’

‘The diagnosis can be an easy-to-reach-for crutch. Moreover, there’s an attractive element to an ADHD diagnosis, especially in adults - it can be exciting to think of oneself as involved in many things at once, rather than stuck in a boring rut.’
Echoing Dr Saul's views, a group of researchers from Australia and the Netherlands said in November that the diagnosis of ADHD may have become too broad.

A wider classification of symptoms for ADHD in the psychiatric ‘bible’ used by the profession has led to a steep rise in diagnosis and prescriptions for medication, the study warned.
The group of researchers said there was now a risk of over diagnosis which could fuel scepticism about the disorder.
In addition, stretched resources may mean some seriously affected children do not get medical help, or they are undertreated.

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