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精神科医師と製薬会社の癒着: 抗精神病薬メーカーから五十万ドル(約四千五百万円)の報酬

精神科医師と製薬会社の癒着: 抗精神病薬メーカーから五十万ドル(約四千五百万円)の報酬

シカゴトリビューン 紙
2009年11月11日

原文はこちら
http://www.chicagotribune.com/health/chi-drugs-seroquel-reinsteinnov11,0,6067737.story?page=1

本文中にある「アストラゼネカ社の内部メール」、裁判資料など、詳細なデータはこちらから
http://www.propublica.org/feature/reinstein-seroquel-astrazeneca-chicago-1111

Doctor-drugmaker ties: Psychiatrist Dr. Michael Reinstein received nearly $500,000 from antipsychotic drug's manufacturer
医師と製薬会社の癒着: 精神科医マイケル・リインスタイン、抗精神病薬メーカーから五十万ドル(約四千六百万円)の報酬

Company paid him to promote Seroquel despite misgivings about his research
「疑惑の研究」には目をつむり、セロクエルの販売促進を優先する製薬会社


そのとき、巨大製薬企業、アストラゼネカ社の重役たちには、賭けに出るべきかの葛藤があった。

会社に大きな利益をもたらし、大ヒットが見込める同社薬剤の有効性を飾り立ててくれくれそうな研究を行っているシカゴの精神科医、マイケル・リインスタインをどうするか。しかし彼の研究結果は製薬会社にとってあまりにも都合よくできており、内部でもその信憑性を疑問視する声が上がっていたからだ。

結局、苛立ちはじめたリインスタインに折れた同社は、2001年、米国販売担当重役が「実際に彼がわが社(アストラゼネカ社)に十億ドルの利益をもたらしてくれる価値があるなら、彼を手放すわけにはいかない。何を言ってこようが、少々奇妙な行動があろうが、とにかく彼の好きにさせよう」と決断する。

リインスタインの研究に対する疑念には目をつむり、アストラゼネカ社は彼との関係を続けることを選ぶ。一方リインスタインは大ヒット抗精神病薬セロクエルのプロモーションで全米各地を飛び回り、その経費、過去十年間で四十九万ドルはアストラゼネカ社が支払った。その見返りに、リインスタインはシカゴ地区の福祉施設に入所する何千人もの精神障害者という顧客ベースをアストラゼネカ社に提供する。

その間も、抗精神病薬の過剰な多剤投与や患者に対して適切な診療を怠ったとして告訴されながらも、リインスタインは広告塔としての研究・講演に奔走した。

本誌が行ったリインスタインとのインタビューでは、製薬会社から受け取った報酬が、自分の研究や講演内容、施設での診療内容を左右した事実はないと言い、アストラゼネカ社が販売する薬剤の研究費として報酬を受け取ったわけではなく、したがってこれは利害衝突には当たらないと彼は主張する。

しかし実際には、政府や企業からの補助金で精神障害患者の向精神薬を研究する営利目的団体であるアップタウン研究所から報酬を受けている。

リインスタインの診療所に隣接する同研究所のオーナー、ソネンバーグは語る。「この研究所は複数の製薬会社その他から委託を受けて調査研究を行っており、もう何年もリインスタイン医師にはコンサルタント料として月額約二千ドルを支払っている。彼も10年前は実際に研究所の調査研究を積極的に行っていたが、今は単にアドバイザーである」「私の研究所はリインスタイン医師とは金銭上、あるいは組織上も、まったく関係のないものだ」

研究者が製薬企業から報酬を得ること自体は違法ではないが、かねてから開示を求める声は強い。イリノイ州議会では否決されたものの、開示を義務化する法案は国会の上下両院議員による医療改革案には盛り込まれている。

こうした改革を推進するハーブ・コール国会議員は、本紙とのインタビューでこのように答える。「医師に対する信頼感を築く上にも開示は必要だ。企業との関係から生まれる利益がいかに大きなものでも、そのことが患者の利益を損なうものであってはならない。」

リインスタイン医師と接触のあった医療従事者の中にも、同様の懸念を持った人がいる。シカゴの病院施設で、リインスタインが数々の薬剤に関するプロモーション・プレゼンテーションを行う会合に出席したケース・マネージャーは、当時のことをこう振り返る。「ただでランチをご馳走になったのはよかったんだけど、リインスタイン先生が施設の患者に処方する薬の量が、他の精神科医に比べて倍ほど多いのが不思議だった。」「患者さんにいろんな副作用症状が出てるのに、リインスタイン先生は話を聞こうともしなかった。」

向精神薬で痩せる?

シャナイル・ヘイズさんはその10年ほど前にノイローゼを患い、精神病院でリインスタイン医師の診察を受けた。そのときリインスタイン医師からセロクエルを飲めば痩せられると言われた彼女は、少し妙に感じたという。

「先生自身が太めだったから、なんで自分で飲まないかと思いました」と、現在37歳になるヘイズさん。彼女は今、体重増加や糖尿病を起こす副作用があることを隠してセロクエルを販売したとして、アストラゼネカ社に対して訴訟を起こし、争っている一人である。

彼女はニューヨーク州の原告であるが、連邦訴訟もフロリダのオーランドで行われている。リインスタイン医師は、そのいずれの訴訟においても被告ではないものの、アストラゼネカ社から金銭的支援を受けてセロクエルのプロモーションを行った重要人物と目され、原告の主張に依れば、向精神薬を痩せ薬として勧めたとされる。

ヘイズさんは、当時63キロだった体重がセロクエルの服用を始めて2年間で136キロにまで増えたと言い、その後は糖尿病を発病している。

アストラゼネカ社とその他製薬会社2社の資金提供を受けてリインスタイン医師が行った研究では、次のような発見が記されている。「セロクエルをはじめ数々の向精神薬には、患者に痩身効果をもたらすという、予期せぬ歓迎すべき副作用が確認された。」

この主張は、セロクエルなどのいわゆる非定形抗精神病薬には激しい体重増加の副作用が見られるという、すでに確立したそれまでの研究とは対立するものであった。統合失調症や双極性障害の治療薬として承認されているこの種の薬剤には、他にも痙性運動障害や高齢者に早死にを起こす発作などの重篤な副作用がある。

1999年のセロクエルを宣伝する広告表紙にはリインスタイン医師が登場し、セロクエルによって糖尿病が大いに改善、インシュリン注射も必要なくなった患者を紹介している。

「セロクエルが過剰な食欲を抑える効果があるというのは、冗談でアストラゼネカ社に提案したもの」と、2001年に全米五千人の医師に向けたプロモーション放送の内容に関し、リインスタイン医師は語っている。

アストラゼネカ社の提供でシカゴの老人病院から放送されたこの番組の当時の台本には、「実際に私のいる施設の看護師もこの薬に食欲を抑える効果があることに気付いて、セロクエルが欲しいと言ってきている」と語るリインスタイン医師のセリフが残っている。

この放送があった2年後、米食品医薬局(FDA)は多くの副作用研究資料をそろえて、セロクエルには糖尿病を起こす副作用があることを患者に対して警告するようにとアストラゼネカ社に指示。現在、添付書には「本剤使用には、体重増加及び糖尿病を誘発する可能性がプラシーボとの比較において4倍高い」と記されている。

本紙記者に対し、リインスタイン医師はこう述べる。「体重に関して、セロクエルにはハッキリしない性質がある。体重が増える患者もいれば減る患者もいる。」

患者が抗精神病薬を服用することについて、彼は「私は痩せ薬としての服用を勧めようとは思わない」とも。

アストラゼネカ社の広報担当によれば、セロクエルと薬害の関連を明らかに証明するものを原告側は提示しておらず、会社はセロクエルに関する適切な安全データをFDAに提出しているとする。

ヘイズさんは、「セロクエルに痩せる効果がないというなら、リインスタイン医師はなぜ私に痩せるからと言って薬を処方したのか」と首をかしげる。

当初、アストラゼネカ社内にもあった疑惑

アストラゼネカ社の学術スタッフも、同じような疑いをリインスタインの研究には抱いていた。

オーランドのセロクエル訴訟で提出されたe-メールには、患者に高用量でセロクエルを投与している問題など、リインスタインの研究に対するアストラゼネカ社重役の懸念が記されている。アストラゼネカ社の重役ですら、彼の研究結果はあまりに楽観的すぎると思えたのだ。

リインスタインの研究結果を知ったあるスタッフのメールには、副作用を経験した被験者が無いというのは「疑わしい」「信じがたい」とあり、アストラゼネカ社の広報部長のメールには「重役決定として、会社はリインスタイン医師とは距離を置くことにした」とある。

リインスタインが2001年に行った研究結果を発表したのは、専門医が集まる著名な会合、全米精神医学学会(APA)である。その後、少なくとも3人の研究者が、医学誌で彼のこの研究を引用している。

オーランドでの裁判の宣誓供述で、リインスタインは、自分の研究に対しアストラゼネカ社に批判があったことは知らなかったと述べている。

リインスタインの側にもアストラゼネカ社に対する批判があった。連邦裁判所に提出されたアストラゼネカ社の内部資料には、彼がアストラゼネカ社の社員あてに送った2001年のメールがあり、会社は「人使いが荒い」と記している。また、アストラゼネカ社が研究結果を発表する援助を怠り、論文が注目されていないと不平を漏らしている。

さらにその数日後、今度はアストラゼネカ社のCEOにも仲間の研究者らとともに「セロクエルを世界で最も多く処方する医師」であると名乗って、旅費の前払いとセロクエルの販売市場における「新たな主導者」としての地位を求める手紙を送っている。

こうしたリインスタインの言い分は、物議を醸すことになった。

「リインスタインらがやった研究は、仲間の精神科からも非難されるている。」2001年、セロクエルの担当マネージャーは同僚に対し、かなり強い言葉でメールを送った。

「リインスタインらが過去に行った研究には数多くの重大な問題があるという科学者もいるのに、奴らは会社に研究補助金を出せと言ってきている。」

また、あるアストラゼネカ社の重役のメールによると、リインスタインらは、セロクエルのライバル薬剤に患者を切り替えると、「あからさまな脅し」までやっている。これに対しリインスタインは宣誓供述で、そのような脅しは「想像もできない」と証言している。

アストラゼネカ社米国販売担当重役のマルコム・メイは、リインスタインの不満に対し、会社に5億ドルの利益をもたらす精神科医との関係悪化には、会社として慎重に対応しなければならないとした。

メイが2001年にアストラゼネカ社の同僚重役に対して送ったメールには、「彼の気まぐれに媚びへつらおうとか、非倫理的な行動を支持しようと言っているのではない。私が言うのは…彼の意見や要求に対し、われわれはにはもっと責任を持つ必要があるということだ。」

さらにメイは、「今われわれが困らせているのは、われわれにとって最も重要で唯一の顧客ということになるだろう。それは容認しうることではない。…私が懸念するのは、リインスタイン医師が、われわれの囲いから出ていけるような誘因を探すのではないかということだ。これはセロクエルをビジネスする上で、短期的にも長期的にも大きな痛手となる。」

このメイのメールには「5億ドル」がどこから出てきた数字なのかは明らかにされていない。電話での質問に対し、メイは、メールを送った記憶が無いとした。

裁判所文書によると、アストラゼネカ社からセロクエルの販売促進を行うリインスタインに対する報酬の支払いは2007年まで続いている。リインスタインの帳簿には1997年から数百回にわたって報酬を受けていたことが記録されている。十ドルから徐々に増えて二万ドルまでになる報酬支払い額は、総額四十九万ドルとなっている。

その間、記録によると、リインスタインは年間千人ものシカゴ地域のメディケイド患者(低所得者を対象とした国・州が医療費を負担する健康保険制度)用に総額七千六百万ドルに上るセロクエルを注文しているが、これはすべて納税者の負担である。

アストラゼネカ社のジェウェル広報担当は、同社がリインスタインに支払ったのは、セロクエルの処方に対してではなく、彼が行った販促のための講演に対するものであるという。リインスタインとアストラゼネカ社両者の関係継続を、双方ともが2008年に断ったとしているが、その理由については広報担当のコメントはない。

インタビューでは、アストラゼネカ社の役員数名が自分に対して批判的になったのは彼がアストラゼネカ社の最高責任者に苦情を申し立てた時だけだとリインスタイン言う。

現在リインスタインは、彼が頻繁に処方するもう一つの抗精神病薬、クロザピン(クロザリル)のメーカーから、講演者事務局の講演者として年間二万五千ドルを得ていると言うが、この講演者事務局とは、一般的に製薬会社が自社製品販売促進ために立ち上げるものだ。

去年の裁判では、リインスタイン自身が自分の研究結果について「信じがたい」と、- アストラゼネカ社の懸念と同様に- 驚いたことを供述している。また、セロクエルの痩身効果を問われた彼は、施設の食事の変更、あるいは体重計に問題があって研究結果に影響が出たのではないかと答えている。

リインスタインはこれまで少なくとも8つの研究論文を発表し、そのほとんどが抗精神病薬に関するもので、少なくとも他の20の研究論文に引用されている。アップタウン研究所は現在、向精神薬を含む8つの研究に取り組んでいると、オーナーのソネンバーグ氏は語る。

また、ソネンバーグ氏によると、アップタウン研究所が行う研究は、製薬企業、第三者倫理監視機関、そして潜在的にはFDAによっても「その正確さと信頼性は厳密に調査されている」と言う。

本紙とProPublica の依頼により、アストラゼネカ社のe-メールに目を通したタフツ大学医学校教授であり、New England Journal of Medicine 誌の元エディターでもあるジェローム・キャシアー博士は、リインスタインがこれまで発表した論文は、すべてエディターによる再調査が必要であるとの結論を出した。

「信頼を裏切るような研究を行ったからには、彼が行ったその他すべての研究にも疑いの目を向けなければならない」と博士は言う。

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「メディア・ルール」に阻まれて、これまで気づかれることの少なかった製薬企業と精神医療業界・論文のねつ造問題。

アメリカは気付き、対策も進んでいるようです。

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リリー社が米国医師への顧問料・講演料支払いリストをインターネット公開
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=267

FDAが患者・市民の権利擁護と専門的規制技能の向上をめざしシニアスタッフを登用
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=268

グラクソは、パキシルの販売促進のために“ゴーストライティング”プログラムを使用
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=265

ゴーストライターによる医学論文作成が裁判資料から明らかに
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=263

営利目的の外部治験審査委員会の実態暴かれる
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=260

以上、「薬害オンブズバースン会議」ホームページより
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診療報酬も大事でしょうが、多くの人の命・財産を脅かしているこうした問題に、日本のマスメディアも真剣に向き合う必要があるでしょう。
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